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23. アニメーション キャラクターアニメーション

Bipedを使用してキャラクターアニメーションを作成する方法をご紹介します。


こんにちは。
このビデオではBipedを使用してキャラクターアニメーションを作成する方法をご紹介します。

今回は、走りのアニメーションをつけながら、Bipedの機能をご紹介します。
フレームレートは30fps、タイムスライダは0から20フレームまでを表示しておきます。

キャラクターアニメーションでも、前回ご説明したキーの作成を複数フレームで行っていきますが、Bipedではコマンドパネル のモーションタブから専用のツール軍を使用していきます。
Biped以外のコントローラーは一旦非表示にしてあります。

キーを作成するときは、基本的にオートキーモードにしてつけていきます。
手動でキーを付けたい場合は、キー情報の[キーを設定]を押します。

手足のみ[フリーキー]、[接地キー]、[スライドキー]が選べます。
それぞれ簡単に説明いたします。

まず、フリーキーは通常のFKキーです。
フリーキーは、黒色で表示されます。

次に、[接地キー]は手足をその場に固定したいときに使用します。
接地キーを作成すると、オレンジ色のキーが打たれます。この状態で腰を動かしてみると、キーを打った場所に足が固定されていることがわかります。
接地キーを打つと、前のキーの場所に固定されるため、タイムスライダを動かすと前のキーの場所に戻ってしまいます。

最後に、スライドキーです。スライドキーは、黄色のキーで表されます。
腰を動かしてみると、接地キーと同じようにその場に固定されているのがわかります。
スライドキーは、二つのスライドキーの間を直線的に補間してくれるようになります。
例えば、足を前後に動かしたアニメーションを付けてみます。
フリーキーですと、このようにFKでの補間になり、弧を描いたような補間になります。
これをスライドキーにすると、このようにIKでの補間になり直線的な動きになります。

接地キーとスライドキーでは、「基点の選択」ができるようになり、足のアニメーションなどつけるときにどこを基点に回転するか選べるようになります。
キー情報>IKから、基点の選択を使用すると、足の位置に青い点と赤い点が表示されます。
赤い点が現在基点になっている位置で、他の青い点を選択すると基点の切り替えができます。
これでも選ぶことはできますが、小さくて見にくいので、一つ右のこちらのアイコンからの方が選びやすいです。
かかと、つまさき、足首など、キーごとに基点を切り替えることができます。


では走りのキーフレームを作成していきます。

まずは腰の位置を少し下げていきます。
腰の位置をこのまま下げると、足が地面に埋まっていってしまいますので、
スライドキーを作成して、足を地面より下に行かないようにします。
腰の位置を下げたら、少し前に体を倒し、前傾姿勢にしましょう。

次に足を前後に開いていきます。右足を前に出し、かかとは地面についた状態にします。
左足は、地面から離れた状態にしておきましょう。

上半身をひねり、腕も足と同様に前後に広げ、肘を曲げたポーズにします。手は握った形にしましょう。

調整をして、キーポーズが決まったら、Bipedを全選択してキーを打ちます。
シーンエクスプローラから、Bipedをすべて選択します。Bipedをすべて選択したら、[キーを設定]を押してキーを打ちます。
毎回Bipedをシーンエクスプローラから選択するのは大変なので、ツールバーから、選択セットを作成しておくと便利です。

すべてのパーツにキーを打つことで、別の場所にキーを打った時にポーズが変化してしまわないようにします。

キーポーズができたので、ポーズのコピーをして、反対側にミラーしていきます。
コピー/貼り付けからコレクションを作成します。体全体をコピーしたいので、[姿勢]から[ポーズ]に切り替えて、[ポーズ全体をコピー]を押します。

これでポーズがコピーできました。
ポーズをミラーしたい場合は、貼り付けオプションのこちらのアイコンを全部オンにしておきます。
10フレームに移動し、[反対のポーズを貼り付け]を押します。
このとき、オートキーモードをオンにしておきましょう。
次に、20フレームに移動し、[ポーズを貼り付け]を押します。

再生してみると、まだ走っているようには見えませんが1ループのアニメーションにはなりました。

自然なアニメーションになるように、中間フレームにもキーを打っていきます。

2フレーム目に、一番腰を落としたポーズを作成していきます。
足に体重が乗り、両方の膝が曲がっているようなポーズを作成します。

次に、7フレームに地面を蹴ったあとの、一番腰が高い位置にあるときのポーズを作成します。
足は両方空中に浮いているようにします。

最後に、2フレームと7フレームの間に、途中のポーズを付けます。
7フレームで地面を蹴る前のポーズで、重心がちょうど真ん中にあるようにします。

1フレーム目で足が地面についていてほしいので右足にスライドキーの設定をします。
1フレーム目に右足が完全に地面につくようにキーを打ちます。
基点は、0から3フレームはかかと、4フレームでつま先に切り替えてアニメーションを付けます。
4フレーム目は、つま先だけが地面についているようにします。
すると、地面の上を自然にスライドしていくようになりました。

腕にもそれぞれキーを打っていきましょう。
腕は、足よりも単純で、常に肘を曲げた状態で前後に振る感じでつけていきます。

一通り、基本の走りのモーションのキーポーズがつけ終わったので、それぞれポーズのコピーをし、ループのアニメーションになるようにしました。
これで再生してみると、先ほどよりも自然なアニメーションになりました。

キャラクターアニメーションとBipedの機能についての説明は以上になります

データダウンロード

※シーンデータの作成は「3ds Max 2021」と「3ds Max 2022」を使用しています。
「1. 基本操作 インターフェース概要」から「15. 番外編 スペースワープオブジェクトとワールド空間モディファイヤ」までは3ds Max 2021で作成しています。
「16. リギング Bipedの作成」からは3ds Max 2022で作成しています。

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株式会社ジェットスタジオ

監修:株式会社ジェットスタジオ 赤崎弘幸
制作:株式会社ジェットスタジオ 稲葉麻友・小原孝介

ジェットスタジオは2001年にスタートしたCGプロダクションです。設立以来、ゲーム、パチンコ、映画、CM等で使用される様々な3DCGコンテンツを時代に先駆けた新しい技術や表現方法を使って開発しています。2011年にはベトナムのホーチミン市に「JET STUDIO VIETNAM」を、2018年にはロサンゼルスに「JET STUDIO U.S.A.」を設立し、グローバル × クリエイティブという新たなビジネスモデルに挑戦しています。
同社のダンジョンゲーム『AKAPAN NITE(アカパンナイト)』の制作でも3ds Maxが使用されています。
https://akapannite.com/

HP:http://jetstudio.jp/

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