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20. リギング モーファーとスキンモーフ

モーファーモディファイヤを使用してモデルを目的の形状に直接変形できます。スキニングでは表現しきれない細かな変形が可能です。Bipedやボーンなどを曲げた際に、連動してモーフを適用できるスキンモーフモディファイヤについてもご紹介します。


こんにちは。
このビデオでは、モーファーモディファイヤとスキンモーフについてご紹介します。

モーファーは、シェイプを目的の形状に直接変形できる機能です。
ボーンとスキニングでは表現しきれない細かな変形が可能です。

今回はモーファーで表情の基本となる、口と目の変形をしていきたいと思います。

まず変形用のターゲットモデルを作るために、ベースとなるモデルを複製していきます。
口の変形には頭と口の中のモデルが必要なので、どちらも選択し、Shiftキーを押しながらドラッグして複製します。

ターゲットモデルも通常のモデリングと同じようにポリゴンを編集していきます。
口の変形はあごの関節を意識してモデリングしていきます。

口用のターゲットモデルがいくつかできたので、モーフとして登録していきます。
頭のベースモデルを選択して、[モーファー]モディファイヤを追加します。

モーファーモディファイヤのパラメータの、
[空]と書いている場所に、モーフを登録することができます。右クリックを押して、[シーンから選択]を実行します
次に、モーフとして登録したいモデルをクリックすると、チャンネルにモーフが登録できます。
右の数値を100まで上げると、登録したターゲットのモーフと同じ形に変形します。
チャンネルの名前は、チャネルパラメータから変更できますので、わかりやすい名前に変えておきます。
[マルチターゲットをロード]をすれば、複数のターゲットをまとめて登録することも可能です。

複数のチャンネルの数値を上げて、モーフをブレンドすることもできます。

歯も顔と同じように、ベースモデルにモーファーモディファイヤを入れ、ターゲットモーフを登録しておきます。
チャンネル名は、顔のモーファーと同じにしておきましょう。

今のままでは、顔と歯を別々に動かす必要があるため、同時に動くようにインスタンス化したいと思います。
インスタンス化をするには、メインツールバーから、グラフエディタ、カーブエディタを開きます。
ここに、現在選択しているオブジェクトのモディファイヤの情報などが表示されます。
修正オブジェクトのタブを開き、モーファーの項目を探します。
モーファーの、コピーしたいチャンネルの上で右クリックをし、コピーをクリックします。

次に、歯のモデルを選択します。先ほどと同じく、カーブエディターから、モーファーのチャンネルを探します。
インスタンス化したいチャンネルの上で右クリックし、貼り付けをクリックします。
ダイアログボックスが表示されますので、[インスタンス]にチェックを入れ、OKを押しましょう。

これで、顔か歯のモーファーを動かしてみると、一緒に動くようになりました。

一つのチャンネルに二つ以上のモーフを登録する、プログレッシブモーフについてご紹介します。
目を閉じるモーフを作成しましたが、このままでは、目玉に貫通してしまっています。
これを貫通しないように、中間地点用のターゲットを作成していきます。
目を閉じるモーフを50%にしたところでモデルを複製します。この上にポリゴンを編集モディファイヤを入れ、目玉に貫通しないように、少し瞼を前に押し出した形状に調整します。

調整が出来ましたので、これを中間用のターゲットとして登録していきます。
チャンネル名の上で右クリックをし、もう一度[シーンから選択]でターゲットを追加します。
これで、二つのモーフが適用できましたが、順番がおかしくなってしまっています。
プログレッシブモーフタブを見ると、二つのターゲットが登録されていることがわかります。

こちらの、[ターゲット%]というのが、そのターゲットが入る%になります。
目を完全に閉じるモーフが50%、目を半分閉じる方のモーフが100%になってしまっているので、数値を反対します。

これで動かしてみると、正しく動作するようになりました。

スキンモーフについてご紹介します。
スキンモーフは、Bipedやボーンなどを曲げた際に、自動でモーフがオンになる機能です。

試しに、肘にスキンモーフを入れてみたいと思います。

今は、スキンのみ入っている状態で、曲げると肘が丸まってしまい、あまり形が良くありません。

モデルに、スキンモーフモディファイヤを追加します。
次に、[ボーンをピック]をクリックします。今回は、前腕を動かしたときにモーフをオンにしたいので、前腕のボーンをピックします。

スキンモーフは、ボーンが一定の角度になったときにモーフをオンにする機能です。
モーフがオンになってほしい角度まで、腕の角度を動かします。このとき、ローカル軸ではなく、親の軸で回転するようにしましょう。
この時の角度がそのままスキンモーフがオンになる数値になるので、綺麗な数値にしておきましょう。
また、調整する際はアニメーションがついていると確認しやすいです。今回は、あらかじめ腕の角度が-90度と、-140度のところにキーを打ったアニメーションをいれてあります。

先に、一番腕を曲げたときの-140度のところにモーフを作成していきます。
-140度に腕を曲げた状態で、パラメータのボーンをクリックし、[モーフを作成]を実行します。
すると、パラメータにモーフが追加されます。これで、前腕のZ回転が-140のときに、モーフが100%になります。
わかりやすいように、モーフ名をZ-140にしておきます。

次に、モーフの形を作っていきます。
編集モードをオンにすると、普通のモデリングと同じように頂点を動かせるようになります。
頂点を動かして、肘の形を整えていきましょう。

編集が終わったら、編集ボタンをもう一度押し、編集モードを終了します。
これで、腕を曲げてみると、モーフの%が上がっていっていき、腕を完全に曲げたときに100%になっていることがわかると思います。

中間の形状を作成したいので、Z-90度の所にもモーフを作成したいと思います。
ボーンを-90度にし、[モーフを作成]を押します。モーフ名は、Z-90 など、わかりやすい名前にしておきます。
先ほどと同じように編集モードで頂点を編集していきます。

-90度のところにもモーフを作成できました。
これで腕を曲げてみますと、中間地点と、最終地点のモーフが二つとも動いていることがわかります。

左腕のスキンモーフができたので、スキンモーフを、反対の腕にミラーしたいと思います。
まず、右の前腕のボーンもピックし、パラメータに追加します。
先ほど作成した、左腕のパラメータを選択した状態で[ミラーを貼り付け]ボタンを押しますと、右腕にもパラメーターがミラーされます。
右腕を曲げてみると左腕と同じようにスキンモーフがオンになっていることがわかります。

膝にも、肘と同じようにスキンモーフをいれてあります。
膝は、肘とは違い、あらかじめ作成しておいた別のモデルを読み込むことでモーフを作成しています。
外部メッシュは、こちらのボタンからピックすることが可能です。


モーファーモディファイヤと、スキンモーフについての説明は以上になります。

データダウンロード

※シーンデータの作成は「3ds Max 2021」と「3ds Max 2022」を使用しています。
「1. 基本操作 インターフェース概要」から「15. 番外編 スペースワープオブジェクトとワールド空間モディファイヤ」までは3ds Max 2021で作成しています。
「16. リギング Bipedの作成」からは3ds Max 2022で作成しています。

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株式会社ジェットスタジオ

監修:株式会社ジェットスタジオ 赤崎弘幸
制作:株式会社ジェットスタジオ 稲葉麻友・小原孝介

ジェットスタジオは2001年にスタートしたCGプロダクションです。設立以来、ゲーム、パチンコ、映画、CM等で使用される様々な3DCGコンテンツを時代に先駆けた新しい技術や表現方法を使って開発しています。2011年にはベトナムのホーチミン市に「JET STUDIO VIETNAM」を、2018年にはロサンゼルスに「JET STUDIO U.S.A.」を設立し、グローバル × クリエイティブという新たなビジネスモデルに挑戦しています。
同社のダンジョンゲーム『AKAPAN NITE(アカパンナイト)』の制作でも3ds Maxが使用されています。
https://akapannite.com/

HP:http://jetstudio.jp/

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