たのしい3ds Max -わくわく建築CG-

外観パースを完成させる Arnold編 ②建物を素敵に魅せる外光 その2

(Arnold Distant、HDRI、ColorCorrection、EV値)

HDRIの明るさや位置調整、色の変更の仕方をご紹介します。




たのしい3ds Max -わくわく建築CG-外観パースを完成させるの2回目は建物を素敵に魅せる外光その2です。

その1の1つ前の動画ではサンポジショナの太陽を置いて外光を入れてみました。
今度はその2、HDRIとArnold ライトです。

こちらはPoly Haven(https://polyhaven.com/)というサイトになりまして、2つの画像をダウンロードしてみました。
この2つのHDRIの違いは場所はもちろんですが影ですね、パキッと入ってるのと、ふわっと入ってるの。

ではHDRIを入れて計算してみたいと思います。
「レンダリング」の「環境と効果」を開きます。
そして「バックグラウンドなし」のところに選びます。
「Maps」「OSL」「Environment」「HDRI Environment」「OK」です。
そして、1つ選んでみます。
今選んだのは影がパキッとしてる方ですね。
はい、パースビューを見てもらいますと背景のビューにHDRIが貼られました。

それではスレートマテリアルエディタの方で少し編集したいのでインスタンスで持ってきてください。
こうすることでこのHDRIを調整することができます。

では、まだ何も調整してないこのでレンダリングをかけてみたいと思います。
なんかうっすらお家が見えますね。
ビューを見るとこんなに空が明るいのに、というところで、もし調整して合わせたい場合は「標準」のところを「高品質」に変えてください。
そうすると同じようになります。
ではちょっと戻しますね。
標準で今回は説明したいと思います。

では順番よく上からやってきます。
「OSL マップパラメーター」の「Alignment」の「Rotation」、こちらは回転になります。
ビューを見といてもらうと背景がぐるぐるっと回転してるのが分かると思います。
あと上のArnold レンダービューの、この三角ですね、こちらはIPRレンダーと言って瞬時に変わります。
今度はちょっと高さを調節してみます。
「Height」です。
で上の画像ちょっと暗いので、ここ後で明るくするから待っててくださいね。
次に今度は上から行くから、えっとですね、傾きになります。
「Tilt」。
XとYがありまして、今ちょっと見て分かりやすいYの方を傾けています。
ではHeightとTiltをちょっと0に戻して、今度は「Appearance」の「Exposure」というところをいじってみます。
これは露出とか露光と言いまして、光の量ですね、こちら数値を上げるとこんなに明るくなりました。

ピンポンパンポン。
突然ですがちょっとお知らせです。
今HDRIの対位を明るくするという風に説明したんですけど、実際、現実世界はどうかということをちょっと振り返りたいんですね。
実際って太陽の明るさをこう明るくしたりってしませんよね。
じゃあ、建物の写真を撮った時どうするかっていったらカメラを変えると思うんです。
カメラの設定を変えて明るくすると思うんですね。
そのカメラについてお知らせです。
今回はフィジカルカメラ、このフィジカルカメラの露出が初期設定ではターゲットのEV値が6.0という数値になっております。
この6.0というのはどんな数値かというと実際とても暗い部屋なんですね。
外観のパースで考えますと雨の日よりも暗いという設定が初期設定なんですね。
ですので、やっぱり明るい設定というのは基本カメラでやるというところがポイントになります。
でも今回はちょっとHDRIの説明ですので、まずはこのことも覚えといてください。
では戻ります。

はい、戻ってきました。
「Exposure」だけで調節するとマテリアルが白飛びすることがあります。
その時はカメラのことも思い出してください。
次は窓ガラスを見てください。
こちら分かりやすいように反射する素材にしてます。
「Rotation」でぐるぐるすると画像が変わってるのが分かるかと思います。
そして画像だけではなくって光を持っているので影とかも変わってくるんですね。
右の方から太陽が入ってきて今まさに逆光の演出です。
これもかっこいいですよね。
こんな感じで探すんですけど、今度は背景をぼかすことができます。
「Background Blur」の「Amount」の数値を変更してみてください。
上げてみると後ろがポケてきました。

では今度はちょっとある程度設定をしておきましたので、このビカビカの球体をデリートで消して、白いマテリアルにしてレンダリングをしてみたいと思います。
それでは決め手となる影の部分を見てみたいのでレンダリングしてみます。
さあ、どんな感じですかね。
あ、いいですね、建物のでっこみ・引っ込みも分かるいい絵になってると思います。

では今度は別のHDRIでやってみたいと思います。
影がパキッとしないようなちょっと曇ってるようなものを選択してみました。
「インスタンス」で「OK」します。
その後はちょうどいい塩梅を探してみたいと思います。
「Rotation」でちょっとぐるぐる回して「Height」で高さを上げたり下げたりしてみます。
そして「Exposure」で明るくしてみたりというところですね。
まずはちょっとレンダリングをして確認。
あらららら、ちょっと暗かったですね。
こんな時は「Exposure」の数値を上げます。
そして何度もレンダリングするよりはIPR レンダリングを見ながらやればこんな風に瞬時に確認できます。

で、ちょっとあらかじめレンダリングしといたものなんですけども、こちらはRotationで背景をぐるぐる回してます。
45°ずつ書いてしておりまして、パキッとした影ではないけども、どっち方面に太陽があるかっていうのはぼんやりした影でも分かるかと思います。
そして見比べた結果、私は西の方から入っている光に決めました。
でちょっとピンクがかかってるんですね。
このピンクがかってるのを少し彩度を取りたいなと思うので、こちらスレートマテリアルエディタの方でやってみたいと思います。

では3ds Maxの画面に戻りまして、このピンクを取りたいと思います。
彩度の取り方をご紹介します。
こちらノードを出して「マップ」「一般」の中から「Color Correction」というのを選択します。
この「Color Correction」は彩度だけではなく色相やコントラストなども調節することができます。
今回は彩度をちょっと低くしてみました。
そしてこの「環境」と「効果」のところにあるものをする感じです。
上の「Color Correction」にします。
インスタンスで持ってきてください。
この調節をすることによって空の色味を少し抑えることができます。
是非やってみてください。
他にもマテリアルにも使えるのでとってもおすすめです。

では少しぼやっとした影なのでパキッとした影が出るような太陽を置いてみたいと思います。
環境にはHDRが貼られてますので太陽はラからArnoldライトの「ディスタント」というのを選びます。
トップビューで太陽とターゲットを置きます。
ターゲットは建物にして、そして高さ、太陽の高さを上の方に上げますね。
この辺の調節は後からでもできます。
IntensityやExposureなどの数値を変更します。
それではHDRのありも直してレンダリングしてみます。
はい、パキッとした影が出てますね。
よく見るとHDRの影も少しあるので、今回は重なってしまいましたが是非こういった感じで試してみてください。
HDRIは光の強さだけではなく色の情報も持ってます。
その辺を踏まえて探してみるといいかもしれないですね。

たのしい3ds Max -わくわく建築CG-をご覧いただきありがとうございました。

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高畑 真澄

高畑 真澄

CGデザイナー、VisualCreator。パース会社での勤務を経て独立。2017年建築ビジュアライゼーション業界への貢献を目的に教育活動をスタート。「世界で一番やさしい3ds Max建築CGパースの教科書」執筆。

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