トレンド&テクノロジー / アニメーションの作り方
第4回:3DCGの出番

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© 2026 内藤泰弘・少年画報社/「TRIGUN STARGAZE」製作委員会
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3DCGは何のために使われている?

さて、3DCG(以下、3DまたはCGと省略することがあります)の話に入っていきますが、こちらの記事では、アニメーション作品のCGがどのように使用されているかにフォーカスを当てて行きます。

そもそも3DCGって何?という疑問を抱いている方は、AREA JAPAN の「3DCGとは」のコラムを一読してみると良いでしょう。3DCGとはなんぞやということや、各工程の詳しい解説などがあります。

  • 3DCGとは
    『3DCGとは』
    あらためて3DCGがどんなものなのか知ってみたくないですか?だまされたと思ってちょっと覗いていってみませんか?では早速、ちょっとその3DCGの扉開いて覗いてみましょうか。
  • では実際に、アニメーション制作ではどんな時にCGが必要とされているのでしょうか?

    この作品にCGを使いましょう!という結論に至るには、「CGならではの映像表現を求める」、あるいは「省力化のため」のいずれかの要望があることが条件となります。

    フル3Dの作品の場合は、世界からキャラクターまで目に映るもの全てをCGで作られています。髪の毛の質感やライティングまでが現実に近い描写がされているが、実写映画では撮影不可能なアクションをこなすキャラクターが居たりなど、アニメーションならではの表現ができることが強みです。例として、Disneyの3D作品を思い浮かべると分かりやすいでしょう。

    作画がメインの作品や作画と3Dのハイブリッド作品の場合は、2Dと3Dの役割分担がなされます。ここでの「CGならではの映像表現のため」は、作画や美術のみで描けないような、3Dなら表現可能な絵作りをしたい、ということがCGを使う主な動機となります。例えば、空間の中をカメラが移動するシーンがあり、その場面の立体感や奥行きを感じさせたい。背景のパース変化をしっかり見せたい。ディテールが多くて作画するのが困難なキャラクターやメカが登場する。リアルな水の流れや煙の表現を入れたい等、様々なケースが挙げられます。

    さて、次に「省力化」を目的とした場合の話です。とても簡単に言ってしまうと、主に作画や仕上げの手間を省くためです。例えば、メインのキャラクターの顔のアップは作画で描きたいが、ロングで映るキャラが多かったり服装のディティールが多かったりすると作画の負担が大きいです。こういった場合は、ロングのキャラは3Dのキャラに置き換えれば、作画の担当は表情や髪の毛などに集中して作業できる。他にも、キャラクターが乗り物やロボット等に乗っていたり、ディティールが多い武器や道具を操作していたり、群衆や動物の大群が出てくる場合なども作画の負担が大きいため、その辺りをCGにすると制作のコストパフォーマンスが上がります。

    近年ではCGのクオリティも大分向上しているため、作品の大半がCGで制作されており、作画は特殊なカットのみで使うという逆転現象も起きています。CGの場合は作画よりアニメーションの修正がしやすかったり、ハイディティールのキャラのアニメーションが可能などと言った利点もあります。

    どのようにCGを使うのか、どのような工程を踏むべきか、どのツールを用いるのかは、最終的にどんな絵作りを求めているのかで変わります。そして、思い描いている通りの絵を作るためには、最も効率の良いやり方と優れたツールを選ぶのが賢明ですが、スケジュールと予算との兼ね合いを考慮もする必要があります。この予算とスケジュール内に、新しい技術を取り入れていく余裕があるかどうか(技術開発やアニメーターが新しいソフトに慣れる時間が必要)。スケジュールが短いので、普段使い慣れているツールで手早く作った方が良いのではないか。予算が求められているクオリティと見合っているのかどうか。協力会社にお手伝いをお願いする金銭的な余裕があるのかどうか。等々。作品のクオリティと予算とスケジュールのバランスを鑑みて、作り方や技術を選択していく必要があるわけです。

    世の中にはたくさんのCGのアプリケーションがあり、制作を補助するツールも色々ありますが、Autodeskの製品のラインアップは様々なニーズをカバーしております。そのため、多くのCGスタジオは Autodesk Maya や Autodesk 3ds Max といった Autodesk製品をメインツールとして使用しています。

    進化する3DCGのワークフロー

    3DCGのワークフローは作品と制作プロダクションの規模によって内容が変わってきますが、ここでは大まかな流れについてお話します。

    ひと昔前は、3Dは「プロダクション」の段階から全体のアニメーション制作のワークフローに合流するのが一般的でした。つまり、キャラや背景の設定類がある程度揃っており、イメージボードも有り、絵コンテも完成している状態から、3Dが必要とされるカットのコンテンツ(主にメカや立体的な構造物、群衆など)のみを作成するという流れでした。

    近年では「プロプロ」の段階から3Dが稼働していることが多いです。理由はいくつかありますが、一番大きいのは3Dのキャラクターの表現力が高まったため、3D主体の作品が多くなってきたからです。3Dで制作するキャラクターや場面が多くなる傾向があるため、プリプロの段階からアセット制作を作り始める必要も出てきます(プロダクションが始まってからでは遅い)。

    また、作品全体が目指す絵の方向性をプリプロ段階で決めておくべきなので、2Dや3Dの素材を合成した撮影のテストが行われ、最終的な見た目の指標となる「ファイナルルック」というものが準備されます。この「ファイナルルック」と「イメージボード」の違いは、「イメージボード」は世界観の雰囲気(即ち、イメージ)を表したもので、「ファイナルルックは」本番のものに近い素材が全て揃ったカットを撮影まで作り上げた、作品の最終的な見た目を示すものになります。

    3Dの出番が多くなってきたことにより、制作のワークフローも複雑化はしてきていますが、新しいことにチャレンジしながらも無駄を省いていくという洗礼されたワークフローにどんどん進化して行っています。

    3DCGの作業

    進化しつつあるワークフローを持つ3DCGですが、基本的にはどの作品でも変わらず踏んでいく工程がありますので、それについて簡単に説明していきます(より詳しい内容を知りたい方は『3DCGとは』の記事をご覧ください)。

    CGの作業は大きく二つのパートに分かれています。

    ① アセット開発/制作アセットとは、カットを作るために必要なCG素材のことです。キャラクター、背景のモデルデータ、キャラが手に持ったりする小道具(プロップ)、乗り物、等、3Dで作る必要があるもの全てを含みます。演劇に例えると、役者と小道具や大道具などを揃えるのがアセット制作の担当です。

    ② カット作業あるカットを3Dの空間上の中で再現するために、そのカットに必要なアセットを読み込んでしかるべき場所に配置し、カメラワークなどを付けたりして、舞台を整えます。そして、その中でキャラクターを演技させ、必要に応じて小道具を持たせたりして、実際に画面に映る映像を作っていきます。

    もちろん、この二つのパートには色んな細かい工程や役割分担があります。スタジオの規模によって、それぞれのスタッフがあるタスクを専属で受け持っている「分業型」と、一人のスタッフが複数の役割を幅広く手掛けている「ジェネラリスト型」がありますが、CGのワークフローとしては共通する部分がありますので、それを今から説明していきます。

    では、CGの各工程が受け持っている仕事はどんなものなのかを見ていきましょう。

    モデリング

    ©2014-2019 Happy Elements K.K
    ©2014-2019 Happy Elements K.K

    3Dソフトの3D空間内で立体の物体(オブジェクト)を作ることをモデリングと言います。3Dのキャラクター、小物、乗り物、建物、地形、etc. 、作品内で3Dにする必要があるもの全てを作っていきます。

    どれだけリアルにするか、原作ものの場合はその原作にどこまで似せるか等は、作品の方向性によって変わりますが、基本的には設定資料を基にモデリングしていきますが、写真参考からモデリングすることもあります。

    登場人物の作品内での位置づけなどで、ディティールが高く精工なモデルにするか等が変わってきます。例えば、メインキャラクターの場合は、登場回数も多いですし、全身が映る場合もあれば顔や手のアップが映ることもありますので、全体的に細部まで作りこむ必要があります。逆に、遠くにしか映らないキャラなどはあまり作り込む必要はありません。
    背景のモデルも同じく、精巧なモデルが必要とする場合もあれば、何となくソレらしい形状があればOKという場合もありますので、作品にどれだけの量でどの程度でモデリングする必要があるのかを事前に洗い出す必要があります。

    また、レイアウト作業では細部のディティールまでがあるモデルデータではなく、サイズはきちんと合っているけれどディティールが作り込まれていないモデルを使ったりします。理由としては、レイアウトを取る際は簡易なモデルの方が作業スピードが速いのと、レイアウト作業が進められている間にモデラーさんがディティールを詰めていき、アニメーションの工程に入る前にモデルデータを完成させるとう段取りが取れるからです。

    3Dのモデルが出来上がれば、リギング工程に受け渡して、アニメーションが可能になるための仕組みを付けて貰います。実は、モデリングをする際には、見た目の良し悪しだけではなく、実際にアニメーションをつけた際に形状が破綻したりしないように、リグの仕組みを理解しながら形状を整える必要があります。場合によっては、リグが設定されてからモデリングの修正が行われることもあります。

    モデラー
    3Dモデルを作成する人。モデリングするものは、キャラクターから、小道具や大道具、乗り物やメカニックな構造物、建物や地形、等々。創造主になったつもりで、形あるものなら何でも作れちゃいます。オブジェクトをぐるりと回した際に、どの方向から見てもバランスが良いものになるように作るのが大事です。アニメーションを付けるオブジェクトを作成する場合は、どの部分が可動するのか、どんな動き方をするのかなどを考えながら形状を整えていく必要があります。

    こんなツールが使用されています→ Maya, 3ds Max

    また、他社のモデリング専用のソフトで作成された3Dモデルを Maya, Motion Builder や 3ds Max に読み込み、これらのソフト内でアニメーションできるようにモデルデータの再調節を行うことがあります。

    Mayaで作成したキャラクターモデル
    Start@Maya〜Maya で 3DCG をはじめよう〜
    『名探偵プリキュア!』衣装のモデル
    スカートに厚みをつけて立体感を強調するなど、キャラクターモデルに込められた工夫。©ABC-A・東映アニメーション
    ユーザー事例
    『名探偵プリキュア!』エンディング制作の舞台裏 ―絵コンテ作りの基本的な思考法からCGアニメーションを磨くヒントの探し方

    リギング

    アニメーターがキャラクターやメカを動かせるために必要な仕組みのことを「リグ」と呼びます。キャラクターのリグの場合は、人間の骨格や関節の可動域などを念頭に置いてリグを作成しますが、そのキャラクターがどんな動きをするのか(時々人間離れした動きを要求されるキャラも居たりします)によって、リグの仕組みを変えていく必要があります。
    また、表情の変化をコントロールする仕組みや、衣装が揺れ動いたり脱着できるための仕組みも用意することもあります。

    キャラクターの場合は、体だけを動かすプライマリリグ(第一段階)と、表情や衣装などの揺れものなどの細かいパーツまでを動かせるセカンダリリグ(第二段階)があります。
    レイアウトの作業の際は、細かい表情付けなどまでは行わいため、第一段階のプライマリリグだけで十分ですが、アニメーション作業に入ると細部までコントロールできるセカンダリリグが揃っている必要があります。

    キャラクター以外でも、キャラクターがプロップ(小道具)操作した際に可動するパーツが合ったり、ギミックがある乗り物や動物など、動く要素があるオブジェクトにはそれぞれのリグを設定してあげる必要があります。

    リガー
    リグを組む人、リギングをする人のこと。リグの制限ゆえにアニメーターが思い描いた動きができなかったり、演出的に求めらている表情が付けれないとなると、あまり良いリグだとは言えません。その反面、リグがあらゆる動きや調節に対応できる仕組みになっているけれど、操作する側からしてみれば複雑すぎて何をどう操作したらいいか分からない、というのも考えものです。
    操作性がよく、且つ作品の要求を満たせるようなリグを作れるようになるには、経験だけではなく、想像力と気遣いというものも必要なのかも知れませんね。

    こんなツールが使用されています→ Maya, 3ds Max

    Mayaのボーン設定(基本的には、リグはアニメーションを付ける時と同じソフトで作成します)
    Mayaのボーン設定(基本的には、リグはアニメーションを付ける時と同じソフトで作成します)

    レイアウト

    レイアウト」は『プロダクション』の章で解説していますので、そちらも一読ください。

    3DCGのレイアウト作業では、3D空間の中にカメラとキャラクターや背景などのモデルを配置していきます。3Dカメラの位置やアングルを調整し、適切なレンズや焦点距離を選択し、構図を決めていきます。カメラワークがある場合は、この段階でカメラに動きを付けて行きますが、キャラ等のアクションの範囲を考慮しつつ、カメラが動く最中に何を捉えるべきかをしっかり見極めることが大事です。

    レイアウトは、アニメーションを付けるためのベースになりますが、「誰でもできる」「地味な作業」と思われがちですが、実はこのレイアウトこそ全体の絵作りの良し悪しに大きく影響してくるのです。
    アクションが格好よくてもレイアウトがイマイチだと、どういう場面なのか分かりづらく、キャラの関係性や心情が伝わらなかったりします。カメラワークが悪いと、見せるべき対象物やアクションが良い位置に来ていなかったり、何かとアンバランスで本来の意図が伝わらないことがあります。ですから、絵コンテで意図された絵作りを読み取る能力が必要とします。

    2Dと3Dのレイアウトの関係

    フル3Dの作品の場合は、当たり前かも知れませんですが、レイアウト作業は全て3Dのワークフロー内で作業していきます。ですが、日本のアニメーションでは、作画と3Dの両方を扱う作品がとても多いです。

    作画のレイアウトが存在する場合は、それに3Dのレイアウトを合わせていくということもありますが、逆に3Dのレイアウト作業が先行し、作画のパートはそれに合わせて描いていくというスタイルもあります。どちらにするかは、作業の効率を重視して選択していくものなので、同じ作品の中でもカットによって2D先行と3D先行で分けることがよくあります。

    3D先行のレイアウトを取る利点

    ・様々の角度から確認でき、ベストなアングルを得られやすい。
    ・空間の中にある物(例えば、壁やインテリアの小物類)の位置やサイズ感が確認しやすくなり、キャラクターの立ち位置と周りにある物との距離感の整合性が図れる。
    ・上記の整合性を担保したまま、背景原図として美術班に受け渡せる。
    ・キャラクターのサイズやプロポーションが統一を維持できる。
    ・3Dのカメラワークは可能になる(その修正もしやすい)。

    作画のレイアウトの場合は、カットによってサイズや距離感のバラつきが発生しやすいですが、3Dの舞台ではその中にある物の位置関係やサイズは変わらない。サイズが定まっている3Dの舞台の中でカメラの位置やアングルを決めていく方が効率が良かったりします。

    3Dの作業現場では、3Dレイアウトが作成されたら、演出家と確認を取りながら修正を行い、カメラワークを含めた画面作りをしていきます。デジタルでの作業になってから、レイアウト段階で肝心な絵作りを詰めやすくなったことでしょう。

    Vコンテ
    Vコンテ
    絵コンテ
    絵コンテ
    3DCGレイアウト
    3DCGレイアウト
    完成画面
    完成画面

    レイアウトアーティスト(レイアウト担当)

    3Dのソフトウェア内でレイアウトを組む人のことです。アニメーション制作でCGの導入年数がまだ浅かった頃は、作画のレイアウトにCGを合わせるのが主流でしたが、近年、3Dのレイアウトが先行するケースが増えています。演出との確認作業が終わり、レイアウトがOKになったら、CGから作画や美術用のガイドを出力するという作業も含まれています。

    CGのレイアウトを他チームに受け渡す際は、ワークフローによって必要とされるファイル形式やフォーマットが異なりますが、一般的には PNGやPSD形式のファイルを使用することが多いです。

    作品のガイドラインに沿って、カット番号、カメラのフレーム、地面のパース線、キャラクターや背景をレイヤー分けにした状態にするなど、しかるべき情報を入れつつも、作画や美術が描きやすいフォーマットに仕立てる必要があります。

    レイアウトがFIXしたならば、レイアウトのシーンファイルをアニメーション担当者に受け渡して、キャラクターに演技などをつけて貰います。

    こんなツールが使用されています→ Maya, MotionBuilder, 3ds Max

    アニメーション

    © 2026 内藤泰弘・少年画報社/「TRIGUN STARGAZE」製作委員会
    © 2026 内藤泰弘・少年画報社/「TRIGUN STARGAZE」製作委員会

    キャラクターに演技をさせ、メカを動かしたりなど、カット内で動くもの全てにアニメーションをつけていきます。アクションシーンの場合は、アクションに合わせてカメラワークを微調整する作業も含まれています。

    CGのアニメーションはコンピューターが自動的に生成していると思われがちですが、実際はアニメーター達が3Dの空間ないで、キャラクターやオブジェクトをコントロールして、意図した演技をさせています。もちろん、現在ではAIで生成された動画などが話題になるくらい、コンピューターが全部やっているケースもありますが、日本のアニメーション制作ではちゃんと生身の人間がキャラクター達を操作して命を吹き込んでいるんですよ!

    アニメーションの付け方の概念としては作画とほぼ同じで、原画となるポーズを3Dのソフト内で作成していきます。これをキーフレームと呼びます。キーフレームとキーフレームの間にある中間の絵は、ある程度ソフトウェアが自動的に作ってはくれますが、人間がその辺りをしっかりとコントロールして動きのスピード感やニュアンスを表現していく必要があります。

    © 2026 内藤泰弘・少年画報社/「TRIGUN STARGAZE」製作委員会
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    アニメーター
    アニメーションをつける人。キャラクターにどんな演技をさせるべきなのかは、そのキャラクターの性格や身体能力的な条件などを考慮すべきですが、それ以上にそれぞれのカットで求められている演出的な意図を掴むことが大切です。さらに、あるカット単体の内容だけではなく、前後のカットの流れを把握することも大事です。
    もちろん、ある程度キャラクターのことを理解できるための想像力があると良いのですが、自分勝手な解釈ばかりでアニメーションを付けるのはNGです。監督や演出が求めているものは何か、この作品に込められた意図や想いは何なのかをしっかりと理解することがとても大切です。

    プライマリーアニメーション
    キャラクターの体全体の動きを付けていく段階です。表情付けもこの段階でつけていきます。手に道具や武器を持っている場合は、キャラクターがそれらを操作する演技も含まれます。

    セカンダリーアニメーション
    キャラクターの体の動きが決まったら、服や髪の毛をなびかせたり、細かいアクセサリーを揺らしたりなど、主に服装や装飾品の動きをつけていきます。

    プライマリーとセカンダリーのアニメーションを同じ人が担当することもあれば、別のチームが担当することもあります(制作スタジオの規模によって変わります)。

    こんなツールが使用されています→ Maya, 3ds Max, MotionBuilder

    ルック開発と質感設定

    名前から察することができますが、3Dのオブジェクトの質感をつける工程です。

    ここで「ルック開発」と「質感設定」の違いを説明します。「ルック開発」とは、キャラクターや3Dの背景などの最終的な見た目を開発していく作業のことです。つまり、ルックを開発するためには質感設定を行う必要がありますが、試行錯誤を重ねて、「この作品ではコレで行こう」という指針になるものを作ります。これがないと、それぞれのキャラクターの色味や質感が調和しなかったり、画面によって見た目のバラつきが出てしまったりします。

    ルック開発を持って、作品の中に登場するキャラクターや3Dの舞台の質感設定を行うわけですが、大きな規模のスタジオなどでは、その中のプロセスをさらに細分化されています。

    テクスチャリング
    服の模様やテクスチャによる凹凸、壁や地面の模様、看板、ラベル、等々、テクスチャで表現できるものを全て含みます。3Dのオブジェクトに貼り込んで、テクスチャの解像度の過不足や歪みなどを確認しつつ作業していきます。

    シェーディング
    3Dのソフトウエアのシェーダーによる質感設定を行います。テクスチャを用いるオブジェクトの場合は、テクスチャを貼った上にさらにシェーダーの質感設定を行います。
    キャラクターの肌が透明感のある美しい肌に見せかけたり、ガラスを透けさせたり、車のペイントのテカリを表現したり、アニメ調のトゥーンシェーディングを施したり、等。作品のテイストに合った表現方法で質感設定を詰めていきます。

    ライティング

    3Dのシーン内に照明を炊いて、光と影の方向や強さを制御します。シーンによっては複数のライトを利用して、画面内の明暗に強弱をつけたり、その場面の雰囲気を作り上げていきます。日本ではこの工程が独立して存在していることはあまりないのですが、海外ではライティング専門の部署があったりします。

    レンダリング

    アニメーションの作業は、基本的には最終的な質感設定がされていない軽めのオブジェクトで行います。そのため、アニメーション作業が終わったら、その動きの情報を最終質感がついたものと合体させて行かねばなりません。

    ここでルートが二通りあります。一つ目は、動きの情報(モーションデータ)を質感設定済みのキャラクターに流し込むという方法。もう一つは、アニメーションが付いたキャラクターに質感設定の情報を読み込んであげるという方法。

    ワークフローの都合を鑑みてどちらにするかを選択することがありますが、使用している3Dのソフトウェアの仕様の事情により前者の方法で作業がなされることが多いと思います。

    日本の制作現場では、ライティングとレンダリングは同じ人が担当することが一般的です。アニメーション、質感設定とライティング等の調節が終わったならば、撮影(コンポジット)に必要な素材を出力していきます。

    キャラクターと背景を別々にレンダリングするのは当たりまえですが、さらにそれぞれのキャラクターやオブジェクトの細かい素材を分けて出力することもあります。例えば、カラー情報、線情報、ハイライトの情報、光らせる必要があるパーツのマスク等、撮影の段階で色味の調節やエフェクトをかけるために必要な素材を準備したりします。

    エフェクト

    現在では、After Effects等のソフトウエアで制作できるエフェクトの幅が増えたため、多くのエフェクトは撮影(コンポジット)で行うことが多くなってきましたが、水の流れや地面の這う霧、爆発、煙、炎、花吹雪、など、3Dの立体感を必要とするエフェクト等を制作します。ものによっては、物理演算に特化したアプリケーションを使うことがあります。

    アニメーションの作品では、必ずしも「リアル」なエフェクトばかりが必要とされているわけではなく、作画の調和するような特殊な質感の方が好まれるケースもたくさんあります。そのため、エフェクトを制作する際は、現実世界でのエフェクトの見え方を理解しつつも、作品に合うスタイルに変換していくためのセンスと腕前も必要となります。

    こんなツールが使用されています→ Maya, 3ds Max, After Effects

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