冨田和弘が斬る!建築ビジュアライゼーション業界
冨田 和弘
1990から2007年まで大成建設設計本部に所属し、プレゼンテーションGrのプロジェクトリーダーとして建築家原広司氏、伊東豊雄氏との多数のプロジェクトをはじめ、大規模プロジェクト・海外プロジェクト・設計コンペ等にCGディレクター及びデザイナーとして参画。2008年に株式会社未来技術研究所の建築ビジュアライゼーションセンターの所長に就任。2009年より独立し現在に至る。2006~2008年、京都大学建築学科非常勤講師。2012年より法政大学大学院建築学科非常勤講師。建築ビジュアライゼーションの講演、執筆多数。一級建築士。
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最終回:建築ビジュアライゼーションのこれから
読者の皆様ご無沙汰してました。前回のコラムをUPした直後に連載終了が決まったため、何の告知もなく尻切れトンボで終わりになってしまい申し訳ありませんでした。今回M&Eさんのご厚意で最終回を書くことが出来る運びとなりました。という訳で長かった...
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第36回:MentalRayとVrayどっちがいいの?
今回の表題は読者の方にとってちょっと興味を引くものではないでしょうか。過日、本コラムの読者の方より質問がありました。「これから3dsMaxを使ってCG制作を行おうと思うのですが、MantalRayとVrayのどちらのレンダリングエンジン(以...
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第35回:中国、東南アジアを見て思うこと(その2)
今回は前回から引き続きのお題です。前回は中国がメインの話になりましたが、今回は東南アジアの国々についてお話しします。未遂、中途、進行中と色々なタイプで建築ビジュアライゼーションを中心とした事例をお話ししようと思いますが、各プロジェクトに関し...
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第34回:中国、東南アジアを見て思うこと(その1)
ここ最近の気温の変動に体がついて行かず久しぶりに風邪を引きました。歳のせいかなかなか完治しないなと思ってるうちに暖冬と言われてたにも関わらずいきなり厳しい寒さに襲われ治るきっかけがないまま過ごしていると、プロジェクトで関わっている東南アジア...
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第33回:ComputerGraphics温故知新
温故知新とは論語に出てくる孔子の言葉で、簡単に言えば先人の知恵を持って今に生かすという感じでしょうか。正確な意味はWebで検索してもらうとして、今回のコラムは昔はCG制作者として当たり前であったCGの基礎を、今また学ぶ必要が出てきたな〜とい...
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第32回:豚もおだてりゃ木に登る?
このタイトルを見てアニメの「タイムボカン」シリーズを連想された方は多分私と近い年齢ではないかと想像しますが如何ですか? 褒めおだてると豚ですら木に登ってしまうという事ですが、今回のコラムに何の関係があるのかは後ほどに譲るとして、前回はパース...
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第31回:パースにも変化が・・・
ここのところ急に暑くなり、春物の衣服を用意する間も無く半袖に移行してしまいました。私が小さい頃にこんな事は無かったな~と思うと同時に地球環境はどうなっていってるんだろうと仕事を含め心配事の尽きない昨今ですが、そんな変化の波の中で今回のお題「...
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第30回:BIM設計下での営業ネタ
ようやく寒さも緩み、と思ったら随分暖かくなってきましたが、皆さん体調を崩したりされてないでしょうか。私は先日久しぶりに風邪を引いて数日寝込んでしまいました。会社をやってると病気で動けなくなるのは怖いですね〜。 世間話はこの位にして、今回のお...
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第29回:下請けからの脱却!
明けましておめでとうございます。一月遅れではありますが、今年も本コラムを宜しくお願いいたします。2014年を迎え1ヶ月を過ぎようとしていますが、皆さん調子は如何ですが? 私はと言うと、大型案件が何れも伸び伸びになっていて、だらだらした年明け...
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第28回:リスクプレミアムを取っていますか?
2020年、東京オリンピックが決まりましたね~。本コラムが予定より1ヶ月遅れとなっているので、タイムラグが大きすぎて何を今頃とお叱りを受けそうですが、これで暫くは建築・土木業は何とかなるでしょう(少なくともマイナス成長は無いと思っていますが...
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第27回:アジアを視野に入れる
今回はちょっとアジアに目を向けてみましょう。アジアと言っても私が直接関わっているのは中国なので、主たる内容は中国の話と言うことになりますが、見聞きしている範囲では他の東南アジア諸国も近い内容のようなのでアジアという言葉でくくらせて頂いていま...
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第26回:3ds Max のポジション
ここ最近CGの世界で様々な新しい技術を適用したソフトやプロジェクトが出てきています。近年これと言って華やかなニュースが少なく停滞気味に映っていた(少なくとも私の目にはそう映っていました)建築ビジュアライゼーションの世界が活況を呈して来たと言...
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第25回:BIMと地方の関係
皆様、約2回分の執筆期間を経過してしまいましたが、お仕事の方は順調でしょうか? 私がコラムをサボっている間に経済は大きく動き出し、アベノミクス効果で株価の上昇と円安が進みました。これを受けて経済が持ち直し、今年が良い年になることを期待してコ...
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第24回:建築CG今昔物語 その2
前回はSiliconGraphicsに代表されるワークステーション時代の終わりまでを綴りました。今回はワークステーションに取って代わったPCの時代の幕開けから現在に至るまでをお話しします。現在も使用しているPCベースの話になるので、前回ほど...
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第23回:建築CG今昔物語
先日、建築CG関係の飲み仲間と今後の業界について話しをしているうちに、ついつい昔話に花が咲きました。あの頃は~が当たり前でとか愚痴とも取れる話をしながら思ったのは、昔は色々大変だったけど、その時の経験やスキルが今の自分を支えているという事実...
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第22回:Realtime Rendering(VR)コンテンツを再考する その2
前回に引き続き「Realtime Rendering(VR)コンテンツを再考する」その2です。今回は引き続きRealtime Renderingコンテンツ(以後RRコンテンツ)のメリットや、建築で求められる機能、ビジネスとしての生かし方など...
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第21回:Realtime Rendering(VR)コンテンツを再考する
会社員や学生の方は新期、新学期がスタートする時期ですね。私はと言うと数年前とは違いそういう生活から隔離した世界に生きているのでただただ同じように日々が過ぎ去っていますが、世間に見習って気分を一新してコラムを書かせて頂きます。という訳でお題...
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第20回:制作ネットワークを構築する その2
読者の皆様、明けましておめでとうございます。本年もこれまで以上に言いたい放題(書きたい放題)やっていく所存ですので、暖かく見守って頂ければ幸いです。新年1発目ではありますがお題は前回に引き続き「制作ネットワークを構築する」です。前回はバーチ...
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第19回:制作ネットワークを構築する
前回まで長々と制作費用について考えてきましたが、今回はネットワークのお話しです。ネットワークと言ってもサーバーやインターネット、昨今はやりのクラウドのお話しではありません。これまでのコラムでもちょこちょこ登場している人的ネットワークの事です...
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第18回:制作費用について考える その4
制作費用について考えるも4回目になりました。少々引っ張り過ぎの感はありますがおつきあい下さい。今回は視野を海外や建築以外の業種に広げたお話です。これまでのコラムでは、これまでの自身の経験を元に私なりの回答をもってお話ししてきましたが、今回は...
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第17回:制作費用について考える その3
前回、前々回に引き続き制作費について考えて見たいと思います。 前回は「真っ向勝負でのアプローチ」についてお話ししました。因みに真っ向勝負とは、成果品のクオリティを上げ、クライアントにクオリティで認められるようになり、その事を元にフィー向上...
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第16回:制作費用について考える その2
前回に引き続き制作費について考えて見たいと思います。前回は制作費はそもそも何を根拠に決定されているのかと言うことから考察を始め、建設業という業種自体が持つCGビジュアライゼーションに対する問題点 (CG予算) にたどり着きました。また、実際...
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第15回:制作費用について考える
先の地震の影響が今なお続いていますが、みなさん如何お過ごしでしょうか。震災で被害に遭われた方謹んでお見舞い申し上げます。あまりの惨状と未だ解決できない諸問題に考えさせられる事が多く、改めて自身の仕事について考えさせられる今日この頃です。 今...
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第14回:Visualizationとは
今回は本コラムのタイトルとなっている「建築ビジュアライゼーション」について考えてみます。 そもそも「ビジュアライゼーション」って何でしょうか? 直訳すると「目に見えるようにする」「可視化」と言った所でしょうか。一頃前には「見える化」などとも...
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第13回:Solutionという仕事の考え方 その2
明けましておめでとうございます。本コラムも13回目を迎える事が出来ました。これもひとえに読者のみなさんのお陰です。本当にありがとうございます。感謝の意味を込めて、今年も宜しくお願いいたします。 (本来は12月にあげるべきコラムが遅れてしまい...
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第12回:Solutionという仕事の考え方
今回はレンダリングスキルというCG制作業務のミクロな話題から、建築ビジュアライゼーション業務というマクロな話題に戻します。タイトルにある「Solution」という言葉は、以前から良く使われる言葉でテレビCMなどでも良く使われているので耳に馴...
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第11回:レンダリングスキルその2(ライティング)
前回は「3ds Maxは難しいソフトなのか?」という問いに対して、建築パースの制作に必要な分だけ習得するのであれば難しくない事を、「カメラアングルの設定」というスキルにフォーカスを当ててお話ししました。 今回はその2として外観パースにおける...
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第10回:3ds Maxは難しいソフトなのか?
前回まで海外に目を向けた建築ビジュアライゼーションのマクロな話をしてきましたが、今回は建築パースのレンダラーとして「3ds Maxは難しいソフトなのか?」と本質的なミクロな話題に立ち返ります。 本コラムの読者の多くの方はレンダラーとして 3...
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第9回:海外の建築ビジュアライゼーション事情 その2
前回のコラムで海外の建築ビジュアライゼーション事情、とりわけお隣の中国のお話しをしました。圧倒的な人員と価格でせまるアジア諸国のCG事務所に対して私たちが今考えるべき事は何か。私が関わりの深い中国のCGを例として、この辺りを今回の題材にした...
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第8回:海外の建築ビジュアライゼーション事情
年も明け1ヶ月が過ぎてしまいました。遅くなりましたが、皆様、明けましておめでとうございます。 本年も引き続き本コラムを宜しくお願いいたします。 さて本題です。みなさんは海外の建築ビジュアライゼーションの実情をどの程度知ってますか?ネットに掲...
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第7回:これからの建築ビジュアライゼーション(その2)
前回に引き続き、「これからの建築ビジュアライゼーション」のその2として、ビジュアライゼーションに求められる変化についてお話しをしたいと思います。 前回BIMというキーワードを提示しておきましたが、「Change」という言葉でお話しした宿題の...
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第6回:これからの建築ビジュアライゼーション
建築ビジュアライゼーションを生業としている方に質問ですが、1年前と比べて仕事に変化が出てきていませんか。 どの様な答えが頭に巡りましたか?「仕事が少なくなった」「単価が安くなった」等が回答のトップを占めるのではないかと思われますが、もう少し...
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第5回:建築CGパースに求められるもの<その2>
前回は「建築CGパースに求められるもの」として、最初のステップであり大きな山場でもある初回打合せでの留意点をお話ししました。案外簡単に済ませてしまいがちな打合せがその後の制作にいかに影響が大きいかを理解していただけたんじゃないでしょうか。 ...
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第4回:建築CGパースに求められるもの
今回は建築ビジュアライゼーションの成果品の中でも最もポピュラーなパースについてお話ししたいと思います。 皆さんはどういった考えで、どのような表現を、どんな制作手順でパースを描いていますか?また何に一番頭を悩ませますか?一番時間を割いている事...
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第3回:建築ビジュアライゼーション業務に必要な知識
建築ビジュアライゼーション業務に必要な知識というとどんな事を思い浮かべますか? 「モデリングの際に図面が読める」、「建築のディテールを理解している」、または「レンダリングの際に仕上げの表現がわかる」等々、CG制作者にとって色々思いつくものが...
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第2回:建築ビジュアライゼーションとBIM(Building Information Modeling)の関係
ここ数年、建築業界で何かと話題に事欠かないBIM(Building Information Modeling)という考え方(システム)がある。建築ビジュアライゼーションに関わる業務を行っている私とは直接的に関わりがなさそうな印象を持つBI...
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第1回:建築ビジュアライゼーションにおける恒常的な問題点とは?
建築ビジュアライゼーションを生業としている私にとって常に頭を悩ませる問題が1つある。それは、企画・設計に始まり施工を経て建物が竣工するまでの建築ワークフローに於いて、建築ビジュアライゼーションの重要性は建築関係者にどの程度認知されているかと...