• Home
  • >
  • ユーザー事例
  • >
  • 映画・テレビ
  • >
  • スティーブン・スピルバーグの「インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国」で新たなテクノロジーを最大限活用した Industrial Light & Magic

スティーブン・スピルバーグの「インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国」で新たなテクノロジーを最大限活用した Industrial Light & Magic

スティーブン・スピルバーグの「インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国」で新たなテクノロジーを最大限活用した Industrial Light & Magic
  • Maya
  • 映画・TV

「Autodesk Maya を使って素早くアセットを構築しプロトタイプを作成できたことは、この映画にとって大きなメリットでした。モデラーは Maya によって優れたモデルを、テクスチャリングを付加してから、スティーブン・スピルバーグに見せてコンセプトを確認しました。アニメーターは Maya を使って日に数回、反復処理ができましたが、これはタイトなスケジュールにおいてとても重要なことです。 Maya は使いやすい素晴らしいツールです。」
--Industrial Light & Magic
  アソシエイト・ビジュアルエフェクト・スーパーバイザー
  Jeff White 氏

概要

65 歳の俳優ハリソン・フォードは約 20 年ぶりに当たり役の冒険好きな考古学者ヘンリー・インディ・ジョーンズ博士を演じ、スクリーンの中で顔をしかめてつぶやきました。「昔ほど楽じゃないな。」

映画界の巨匠ジョージ・ルーカスとスティーブン・スピルバーグの待望のコラボレーションであるこの映画で、自分の年齢やこれから闘うロシア軍兵士の数の多さを受け入れざるを得なかったインディ・ジョーンズならば、ビジュアルエフェクト作業の大変さについてもわかっていることでしょう。Industrial Light & Magic( ILM) のビジュアルエフェクト・スーパーバイザー Pablo Helman 氏と、アソシエイト・ビジュアルエフェクト・スーパーバイザー Jeff White 氏が巨匠達の高度な技術知識や今回の作品の意欲的なシーンについて語ります。昔からのファンだけでなく新世代の熱狂的な観客の前にインディ・ジョーンズを甦らせるために、Autodesk® Inferno® と Autodesk® Maya® がどのように活用されたのかも明かしてくれました

挑戦

Pablo Helman 氏の過去 10 年間の履歴はまるで映画史年表のようです。「インディペンデンス・デイ」(1996) から「ターミネーター 3」(2003) まで、「ロスト・ワールド/ ジュラシック・パーク」(1997) から「スター・ウォーズ エピソード 2/クローンの攻撃」(2002) まで、「プライベート・ライアン」(1998) から「ミュンヘン」(2005) まで、「メン・イン・ブラック」(1997) から「スパイダーウィックの謎」(2008)まで、Helman 氏はこの 10 年間、数々の超大作映画でエフェクトアーティストやエフェクトスーパーバイザーを務めてきました。しかし、その豊富な経験をもってしても、ILM のエフェクトチームが今回直面した課題への備えは十分ではなかったのです。

Helman 氏と彼のチームは約 18 カ月間、 Autodesk Inferno と Autodesk® Burn® をベースとする ILM の SABRE システムに頼り切りで、全上映時間のうち 48 分を占める 540 ショットを作成しました。異星人のミイラ、核爆発、ジャングルでのカーチェイス、激しく流れ落ちる滝、古代の寺院、空飛ぶ円盤などのシーンです。

「今回のようなプロジェクトは他にはありませんでした。」と Helman 氏は話します。「スティーブン・スピルバーグともジョージ・ルーカスとも仕事をしたことはありましたが、同時に両氏と仕事するのは初めてでした。このようなヒット作に参加し、伝説的な 2 人と一緒に働けるのは素晴らしく光栄なことですが、非常に手強い仕事でもあります。過去の 3 部作"レイダース失われたアーク《聖櫃》"、"インディ・ジョーンズ魔宮の伝説"、"インディ・ジョーンズ 最後の聖戦"のイメージを保つ必要がありましたが、その一方で、脚本には 20 年前では実現できなかったシーンも登場します。過去の印象と今回の未来的なエフェクトショットを融合するために、スタントシーンとビジュアルエフェクトやその他の映画的要素を完全にシームレスに組み合わせる必要がありました。もちろん、デジタルテクノロジーに関しては、スティーブンとジョージ以上に最先端の知識を持つ映画制作者はいません。彼らのビジョンを実現するよう要求されたら、逃げも隠れもできないのです。ベストを尽くし、そのツールで可能な限り効率的な仕事をしなければ、2 人から見抜かれてしまいます。」

ILM のアソシエイト・ビジュアルエフェクトスーパーバイザーで今作のデジタルプロダクション・スーパーバイザーを務めた Jeff White 氏は次のように語ります。「最大の課題は作成すべきエフェクトが膨大な量で、内容もバラエティに富んでいたことです。通常の映画プロジェクトでは解決すべき大きな課題はせいぜい 1 つか 2 つですが、今回の作品では、群衆シミュレーション、壮大な水のシミュレーション、二足動物、四肢動物、多種多様の乗り物、ジャングルの再現、複雑なデジタル環境など、あらゆる課題が含まれていました。しかもその上、インディが生き残ったあの巨大で信憑性のある核爆発のシーンまで作る必要があったのです。どう考えても普通のプロジェクトではありませんでした。」

すべての作業は Autodesk® Maya® で開始されました。 Maya はプロジェクトの至るところで活用されています。

「Autodesk Maya は ILM のパイプライン全体に統合されています」と White 氏は説明します。「ほぼすべてのキャラクターモデルとハードサーフェスモデルを最初に Maya で作成してから、当社の blockParty システムに転送してキャラクター設定を行います。blockParty は Maya に搭載されている MEL や Python のスクリプト機能を使って独自に開発したボリュームベースのプロシージャル・リギングシステムです。Maya にはキャラクターの設定や変形に必要な幅広いツールライブラリの他に、こうしたプロセスの多くを自動化できる統合された API やスクリプト言語も搭載されています。」

この映画のヒーローと同様に、果敢な ILM チームは手に入るあらゆる利点を必要としました。次章では緻密なプレビジュアライゼーションの例をご紹介します。その大部分は Maya で作成されたものです。

製品購入に関するお問い合わせ
オートデスク メディア&エンターテインメント 製品のご購入に関してご連絡を希望される場合は、こちらからお問い合わせください。