株式会社日本コマーシャルフォト(←wired→) 
広告グラフィックスのノウハウを活かし 3ds Maxの導入後わずか1年でVisualization Contest 最優秀賞を受賞

株式会社日本コマーシャルフォト(←wired→) 広告グラフィックスのノウハウを活かし 3ds Maxの導入後わずか1年でVisualization Contest 最優秀賞を受賞

2011.01.18

  • 3ds Max
  • 建築・製造・広告
西田 知広 氏
←wired→
(株式会社たき工房へ出向中)
3D CG Designer
西田 知広 氏

たとえば3ds Maxで作ってmental rayでレンダリングし、その仕上がりを社内のカメラマンに見てもらうんです。どんな風にライトを当てているか、3ds Maxの中の作業を現実に置き換えて説明すると、「質感を出したければ、もっと角から光をあてるんだよ! 」とか、いろいろアドバイスがもらえます。これをまた3ds Max内の作業に置き換えて応用していくわけで......「ライトの前にトレペを敷け」とか言われたりして難しいんですが、それを3ds Maxでチャレンジするのが楽しいです。

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3D CG Designer
西田 知広 氏

3ds Max歴1年のCGデザイナーがグランプリを受賞

2010年12月、2010年度の「Autodesk Visualization Contest」の結果発表が行われた。3D CGユーザを対象にオートデスクが開催しているこのデザイン・ビジュアライゼーション随一のコンテストは、CGに関わる多くのクリエータの注目を集めている。そして今回、応募総数160点から最優秀賞を受賞したのは、3D CGデザイナー・西田知広氏の『ワイングラス』という作品だった。窓辺に置かれた4つのワイングラスを3ds Maxで描いたこの作品は、高度なフォトリアルを実現しながら同時にファンタジックな雰囲気にあふれ、技術・センスともに審査員から高い評価を得た。しかし、その作品同様に審査員たちを驚かせたのが、グランプリ受賞者のキャリアである。実は西田氏は、3ds Maxを使い始めてわずか1年という新人クリエータだったのだ。

「最優秀賞作品は、実は3ds Maxの勉強の一環として造った作品なんです。3ds Maxを使い始めて1年くらいの頃、ちょうど勉強していたUVマップを使い、何か作りたいと考えたのが出発点。リアルなばかりでは面白くないので、ありえないものにしようと"見えないグラス"を考えました」。

実際、西田氏が3ds Maxに触れたのは、広告制作プロダクションであるwiredに入社した2009年春のこと。それまで同氏は設計事務所でCADや建築系CGソフトを使って図面やパースを作っていたが、デザイン・ビジュアライゼーションの魅力に惹かれて転職を決意。wired への入社試験で、初めて3ds Maxに触れることになったのである。

「腕時計の写真を渡されCGで作ってこいと言われまして(笑)。それまで使っていた建築系のCGでは作り難い形状だったので、3ds Maxの体験版を試してみることにしたんです。......その時3ds Maxを選んだのは、参考書が豊富で分かりやすかったから。敷居が低く感じたんですよ」。

その時作った作品は"とても他人に見せられません"と笑う同氏だが、初めて触れた3ds Maxで厳しい競争を勝ち抜き入社を決めたのは、紛れもない事実だ。しかも、そのわずか1年後にはトップレベルの作品を作りあげるほど長足の進歩を遂げたのである。無論それは西田氏の努力の成果にほかならないが、同時に広告制作現場ならではの独特な業務環境に鍛えられた面も大きいようだ。

――では、同氏が勤務するwiredの業務環境とはどのようなものだったのだろうか。

徹底してこだわり抜いた"一枚の絵"としての完成度

「ワイングラス」のグラス模様のUVマップ作成。3ds Maxのこの機能が使いたかったのが制作動機
西田氏は同時応募の作品「人工衛星」で奨励賞も受賞

「実はwiredは広告写真のプロ集団・日本コマーシャルフォトが創設したデジタル画像処理部門なのです。ですから、私はカメラマンやデザイナー、レタッチャー等のクリエータと机を並べ、日々そうした"眼の鋭い"人たちの仕事に触れられる業務環境なのです」。

そうやって最前線の制作現場から広告グラフィックに関する多彩なノウハウを豊富に吸収し、ビジュアライゼーション作りのセンスを磨いていったのだ。

「たとえば社内のカメラマンからライティングの助言をもらい、それをそのまま3ds Maxのバーチャル空間内に置き換えて使うことができます。つまり、ここなら3ds Maxで熟練したプロのワザを思い通りに活かせるんです」。

同様にレタッチャーから加工のノウハウを、ディレクターから表現のポイントを学んで、多彩なプロの技を3ds Maxの作業へダイレクトに生かし、広告グラフィックとして完成度を限りなく高めていけるのである。

レンダリング1発で仕上げるより、多種多様な合成用マスクや素材を組み合わせて作ることが多い
さまざまな質感を生みだす3ds Maxの機能を駆使して、合成用の特殊な画像素材を制作する

「従来のCG制作会社のメイン業務は既に動画に移りつつあります。今回のコンテストのように徹底して"一枚の絵"の完成度にこだわって作り込むクリエイティヴは広告制作の手法であり、当社のような広告制作プロダクションが担うことになるのかもしれません」。

ただし、広告グラフィックスにおける3D CG導入は始まったばかりであり、解決すべき問題も多い。西田氏に言わせれば、特に制作現場のクリエータの3D CGに関する認識はまだ充分とはいえない。

「昔、広告写真業界で、技術的問題で埋もれていたアイデアをPhotoshopが実現していったように、今3DCGは表現の幅をさらに広げています」。

既にクライアントやディレクターは画像処理技術を当然の前提としてアイデアを練る。3D CGへの認識が業界全体で高まれば、より新しいアイデアが生まれるかもしれない。

「私たち技術者には3D CGを業界に広める役割もあります。受賞作の制作意図はそういう意味もあるんです」。

業界での認識が進めば、撮影するか合成するか、あるいはCGで造るか。最適な作り方をジャッジしてもらえるようになる。そうなって初めて3D CGが実力を発揮できる――と西田氏は考えている。

「写真や合成では表現し難いグラフィックはもちろん、初期提案で使うカンプ制作等にも3D CGは多いに活用できるでしょう。それには私自身、3ds Maxユーザとしてさらにステップアップしなければ......。最近はもうほとんど3ds Max1本で対応するようになりましたし、豊富なプラグインの使い分けも勉強し、表現の幅を広げたいですね。そうすれば、きっと作品1つ1つの"一枚の絵"としてのクオリティも向上できるでしょう! 」



株式会社日本コマーシャルフォト(←wired→)
設立年月日:1966年3月26日
資本金:1,100万円
スタッフ:32名
代表取締役社長:大久保晴視
取締役:根本英則
業務内容:広告写真企画制作、デジタル画像制作業務

導入製品/ソリューション Autodesk 3ds Max
導入目的 ・広告グラフィック制作のツールとして
・3D CG制作部門のメインツールとして
・限られた期間・予算での効率的なCG制作のため
導入ポイント ・豊富な参考書や関連情報による学習しやすさ
・多種多様なプラグインによる幅広い機能拡張
・ユーザの要望に着実に応えるバージョンアップ
導入効果 ・広告グラフィックへの3D CGの多角的な活用
・広告グラフィックにおける表現の幅の拡大
・写真、合成などの表現の補完
今後の課題 ・広告業界における3D CGへの認識の促進
・部門全体への3D CGに関わる正しい知識の普及
・各種プラグイン等の活用による表現の幅の拡大
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