チュートリアル / DML~CG制作 いろはにほへと~
第2回:モーション作成のいろはにほへと 後篇 ~アニメーションを楽しむ秘訣!~

2015.09.02

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第2回目となる今回では、ポージングやタイミング、ケレンミといった話を中心にアニメーションが分かりやすく、楽しいものに思える為のポイントをおさえていきましょう!

ポージング

キャラクターの「らしさ」を表現するポージングについて考えてみましょう。

コントラポスト

上半身と下半身の軸はずらすのが立ちポーズの基本です。美術用語ではコントラポストと呼ばれます。
モデルのポーズなど立ちポーズは多くの場合これに則します。

コントラポスト

アクションライン

立ちポーズとは逆に、動きの中でのポーズを作る際には、体の流れをシンプルに表現したラインをイメージしましょう。
キーとなるポーズに、力の流れや軸のひねり感を意識させていくと、緊張感が生まれ良いポージングになってきます。

アクションライン

シルエット

アニメーションは、ぱっと見の「分かりやすさ」が命です。
輪郭部分のみで、どういった動作の途中かどうかが想像できるようにしましょう。

シルエット

!POINT!
分かりやすいシルエットとアクションラインを意識してポーズをつけていきましょう。

!NG!
ひねりやラインを作る際、人体の可動域を超えないように注意。手足のシルエットが被ると分かりづらいポーズになりがちです。

タイミング

タイミングに関しては物理法則に即したタイミングと、映像を見ている人の「気持ちよいタイミング」が何かを理解することが重要です。

スローイン・スローアウト

物理に即した考え方としてスローイン・スローアウトという考え方があります。
スローインはじょじょに遅くなる、スローアウトじょじょに早くなると思えばよいと思います。
下記画像のようなボールが落下するアニメーションをイメージすると分かりやすいでしょう。

スローイン・スローアウト

タイミングとタメツメ

日本ではリミテッド(コマ数が少ない)アニメーションがメインの為、タイミングを取るときに緩急を強める傾向があります。
第一回目の槍投げモーションも、力を溜める部分を7Fぐらい沢山見せて(タメ)、投げる部分3Fで行っています。(ツメ)物を投げたり、殴ったりするようなモーションではこのようなメリハリがあるタイミングを意識するとよいと思います。

タイミングとタメツメ

タイミングを調整する為の技法

①Fカーブ

Fカーブをみてみましょう。MotionBilderではこのようなタンジェントがでているかと思います。
タンジェントの長さを調整する事で、タメツメあるタイミングを作ることができます。

Fカーブ

②キーフレームの管理

タイミングを試行錯誤するためには、キーポーズに全キーを打つことを私は推奨しています。
キーポーズ意外にはなるべくキーを打たず、原画(キーポーズ)と中割(キーを打たないフレーム)を区別してタイミングを後から調整できるようするのが良いと思います。
※連動感(オーバーラッピング)を加えるために腰からキーをずらしたいことがあると思いますが後に3~4Fごとぐらいに全キーを打ち直して整理すると良いでしょう。

キーフレームの管理

!POINT!
物理法則のタイミングをおさえると共に、気持ちのよいタメツメ(緩急)をつけていきましょう。

!NG!
タイミングが後からいじれないようなキーの打ち方はNGです。キーフレームは整理整頓を心がけましょう!

ケレンミとは?

アニメーションの工程ではよく耳にするケレンミ(外連味)という言葉があります。
元は演劇用語で、歌舞伎で早変わりや宙乗りなど、奇抜で大がかりな芸によって観衆に意表をつくような演出を指していました。

アニメーションの工程においては、動きのダイナミックさ・気持ちよさを表す表現だと思います。
今回説明した「ポージング」では動きのダイナミックさを、「タイミング」では動きの気持ちよさを、「ケレンミ」という要素として追加することができるのではないでしょうか。

!POINT!
① ケレンミを出す「ポーズ」の要素
「アクションライン」「シルエット」で力の流れを分かりやすくしていきましょう。

② ケレンミを出す「タイミング」の要素
タメとツメを明確に意識しながらタイミングを取りましょう。見ている人を分かりやすく「誘導」するのも大事です。

桂川くんのケレンミ溢れる?ポーズサンプル!

まとめ -アニメーションを良くする三つの要素-

第一回目では「物理法則」「演技」という要素を説明しました。
見ている人を魅了させるには、下記のような三つの要素が必要なのではないでしょうか。
① 物理  物理法則に即した動き
② 演技  良い演技
③ ケレンミ  ケレンミあふれる気持ち良い動き
※三つの要素は作品のテイストによって重視される割合が変わってきますので、バランスを見極めることも重要です。

アニメーションをケーキで例えると

このように要素に分解していくと、アニメーションが身近で分かりやすいものに思えてきませんか?
アニメーションは最初「難しいもの」と思いがちですが、一つ一つを紐解いていけば、必ず正解に辿りつきます。
正解が見えないまま作り進める事はとても辛いですが、ゴールが見えると途端に楽しくなると思います。
コラムを読んだ皆様も是非アニメーションを楽しんで、良い作品を作ってください。

では締めは桂川くんにしてもらいましょう。

桂川:読んで下さった方、ありがとうございます。
私ももっと勉強して、楽しくアニメーションを作っていきたいと思います。ありがとうございました!

Autodesk MotionBuilder

*上記価格は年間契約の場合の1ヶ月あたりのオートデスク希望小売価格(税込)です(ベーシックサポートでの契約、一括お支払いの場合)。

著者

森脇 琢也

森脇 琢也

株式会社デジタル・メディア・ラボ モーションチームリーダー

桂川 亮太

桂川 亮太

株式会社デジタル・メディア・ラボ モーションチーム

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