DreamWorks Animation SKG、「モンスターVSエイリアン」の立体視映像制作でAutodesk Maya と Autodesk Lustre を活用
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ソリューション1:Autodesk Maya
マクナリー氏とジェームス氏はオートデスク製品を気に入っていますが、さらに自分たちの作業に実際に必要な機能を正確に理解するために、それぞれMayaとLustreを使ってみました。マクナリー氏はこう語ります:
「シーン内で距離を計り、その距離をピクセルセパレーションに変換してくれるツールをAutodesk Maya内で開発しました。これは映画館における立体視効果(ステレオエフェクト)の作り方と同じです。マルチリグシステムを使用して、各ショットでのメインキャラクターがリアルなボリュームとルックを持つことができるよう、フルの立体視効果を与えます。そしてこのステレオ情報をカット内の他のキャラクターに読み込みます」。
「メインキャラクターのために、1つのステレオリグを設定します。その他のキャラクターやエレメント用にもう1つのリグを用意します。場合によっては、フォアグランドに出て来るエレメントのために3つ目のリグを作ります。そしてこれらを全てコンポジットして、リアルで、人間の目で処理可能なカットが出来上がっていくのです」と、マクナリー氏は言います。「繰り返しますが、そのようなセットアップを行うためには、3D空間上で今何をしているかを正確に知る必要があります。これは、車を運転するなら、窓の外がちゃんと見えないと運転できないのと同じです。この情報は、実際にレンダリングする前に知っておく必要があります。これができるのは、Autodesk Maya の3Dビューアー内でのみです。この中でリアルタイムに調節を行い、エレメントにアニメーションを付けることができます」。
もうすぐ人気者になるであろう「モンスターVSエイリアン」のキャラクター達の絶対的な大きさの違いは、そのままマクナリー氏のチームにおける「遠近感」という課題になりました:
「この作品で乗り越えなければいけない問題はスケール感でした」とマクナリー氏は話します。「メインキャラクターの中には49フィート11インチの巨大な女性ギノルミカがいます。それに350フィートの昆虫もいます。他のキャラクター達はごく普通のサイズだと考えると、背後に巨大なキャラクターがあるカットではコンポジット作業はとても大変です。しかし、最終的に3Dでちょうど良い感じに新しい次元が加わったショットになりました。例えば、ギノルミカと普通サイズのボーイフレンドが出てくるシーンでは、彼女を奥の方で見せて、ボーイフレンドを観客のすぐ手前まで出すような効果をステレオスコピーの技術を使うことで得られました。3Dがシーン中の出来事を増幅して表現できる良い例だと思います」。
ソリューション2:Autodesk Lustre
ジェームス氏と彼のプロダクションチームも、何かを際立たせるために各エレメントを切り離すことの重要性を強調しています。気が滅入るようなスケジュールの中で、多くのライティングチームが反復作業を続けていることもあり、シーンやキャラクターによってライティングがバラバラになることは避けられません。「光物理の集まり」とジェームス氏に呼ばれているティールブルーカラーのスライムみたいなB.O.B.(Bicarbonate Ostylezene Benzoate、重炭酸塩Ostylezene安息香酸塩) は、そのプニョプニョした形状とクオリティを出すために、7つか8つの独立したレンダリングレイヤーが必要です。
「Autodesk Lustre の4つのチャンネルを利用して、キャラクター、背景、マットペイントとビジュアルエフェクトを分けることができます」と、ジェームス氏が言います。「シャドウを追加したり、カラーコレクションを行ったり、奥行きや空気感を足したりすることが簡単に行えます。ルミナンスやカラーのキーをちょっと操作するだけではないのです。全てを1つのマットの中で作業することもできます。1つのアニメーションの全シーケンスを一度に、リアルタイムに作業することもできますし、シーケンスに沿ってショット毎に背景やキャラクターの不一致を修正することもできます。Lustreでは、この不一致をみつけると同時に、瞬時に修正できるのです。特にステレオスコピック作品の制作では、これは信じられないくらい重要です」。
また、ジェームス氏はステレオスコピックにおけるゴーストを取り除くためにLustreを使用しています。この現象は、立体視的に極端な奥行きと、高いコントラスト、そして左右のビューポートがお互いの領域に光を漏らしてしまうようなショットで起こります。Lustreを使用すればゴーストが発生しやすい箇所の後ろ側に補助的なマットを追加して問題を軽減することができます。
結果
「モンスターVSエイリアン」が公開された今、「キャプテン3D」マクナリーと「Dr.カラー」ジェームスは、しばらくの間ヒーロースーツをしまい込んでしまうと思われるかも知れません。しかし、こんな不況の中でも、才能ある人々には休憩はないようです。ドリームワークスCEO カッツェンバーグ氏によると、今後のアニメーション作品は全て3Dでオーサリングするとのこと。これはマクナリー氏やジェームス氏みたいな人にとってたくさんの仕事が待っているという意味でもあります。ドリームワークス・アニメーションは現在「ハウ・トゥ・トレイン・ユア・ドラゴン」(原題)と「シュレック フォーエヴァー・アフター」(ともに2010年公開予定)を制作中です。この2つの作品は、今まで以上の感動を映画館で体験させてくれるに違いありません。そして、その制作の道のりにどんなことがあったとしても、きっとAutodesk MayaとAutodesk Lustreが手助けしているでしょう。
「Autodesk Lustre のおかげで、作品全体のライティング、カラーコレクションやS3Dのトランジションを統一することができ、リアルタイムに劇的な変化を施すことができます。今まで使ってきたツールの中で最高のものだと迷わずに言えます」 - デビッド・ジェームス氏、プロダクションデザイナー DreamWorks Animation SKG
導入製品/ソリューション | ・Autodesk Maya ・Autodesk Lustre |
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*上記価格は年間契約の場合の1ヶ月あたりのオートデスク希望小売価格(税込)です。
*上記価格は年間契約の場合の1ヶ月あたりのオートデスク希望小売価格(税込)です。