DreamWorks Animation SKG、「モンスターVSエイリアン」の立体視映像制作でAutodesk Maya と Autodesk Lustre を活用

DreamWorks Animation SKG、「モンスターVSエイリアン」の立体視映像制作でAutodesk Maya と Autodesk Lustre を活用
  • Flame
  • Maya
  • 映画・TV

概要

男の子が女の子と出会う。その女の子は有毒な隕石に直撃され、突然49フィート11インチの高さに成長してしまう。妙なモンスター達と出会う。そして力を合わせてエイリアンの侵略から世界を救う。そんなありきたりなストーリで、DreamWorks Animation SKG社(以下ドリームワークス・アニメーション)の最新作「モンスターVSエイリアン」は構成されています。この作品は、ドリームワークスが初めて完全に立体視映像(ステレオスコピック3D)として制作・オーサリングしたものであり、確実に最後ではないでしょう。ドリームワークスのCEOジェフリー・カッツェンバーグ氏は、DreamWorks社(以下ドリームワークス)の今後の作品は全てこの手法で手がけると宣言しています。ステレオスコピック・スーパーバイザーのフィル・「キャプテン3D」・マクナリー氏(彼の運転免許証にそう記載されている!)と、プロダクションデザイナーのデビッド・ジェームス氏は、 Autodesk® Maya® および Autodesk® Lustre® がドリームワークスの制作パイプラインで非常に重要な役割を担っていると話しています。

課題1:3D空間での制作

monster_01.jpg
Monsters vs. Aliens ™ &
© 2009 DreamWorks Animation L.L.C.
All Rights Reserved.
monster_02.jpg
Monsters vs. Aliens ™ &
© 2009 DreamWorks Animation L.L.C.
All Rights Reserved.

「3Dでオーサライズすることは、ポストプロセスで3Dにすることとは全く違います」というのは、マクナリー氏の率直な意見です。「3Dオーサリングがドリームワークスの今後のトップ・プライオリティになるとジェフリー・カッツェンバーグが表明した時は、どのツールが必要か検討しなければならないと思いました」。

ドリームワークス・アニメーションは実際にツールを選択するにあたり、最近携わった作品を振り返ってみました。アカデミー賞にノミネートされた「カンフーパンダ」(2008年)の中からアクション満載のシーケンスを選び出し、ステレオスコピック3Dでオーサライズし直されました。「この作品が3Dでオーサライズされたらどう見えるか等、ドローイングボードに戻ってプランを練り直す必要がありました。完成作と以前のバージョンを比較して、"モンスターVSエイリアン"の制作にどのように取りかかるか検討しました。このように立体視の作品を作るには、3次元の空間における物体の見え方を正確に把握しなければなりません。これはMayaの中でしかできないのです」。

特に「モンスターVSエイリアン」における課題とは、登場する多くの複雑なモンスターを完全に3Dでオーサライズすることでした。「キャラクターがハリボテみたいに、または異常な伸び方をして見えないように3Dで美しく見せたい場合は、観客が不快に感じない範囲内で、キャラクターが行動するための適切な空間を与える必要があります」とマクナリー氏は説明します。「例えば35mmのレンズを使用している場合、キャラクターを立体的に、あるいはリアルに見せるために、奥行きを深くする必要がよくありますが、このような極端な奥行きは人間の目に非常に不快に感じることがあります」。

キラキラ光るゴキブリ、フニャフニャした青い物体、前世人類、巨大な昆虫、そして信じられない程大きい女性等のキャラクターのあらゆるアングルを観客に見せるのは大変な作業であるように思えます。しかし、ステレオスコピック3D(以降「S3D」)はもはや視覚的なトリックではありません。S3Dのオーサリングは、物語の演出(ストーリーテリング)のための本格的なツールになりつつあります。S3Dが物語のためにあると、観客も自然に受け入れるようになります。ビジネスの観点から見ても期待できるものとなるでしょう。

課題2:3次元でのライティング

3Dオーサリングにおける課題は、マクナリー氏とプロダクションデザイナー デビッド・ジェームス氏の間では少し異なりますが、どちらも手ごわい課題です。あらゆる点で新しい作業方法なのですから、様々な課題があるのは当然のことでしょう。

「カメラ、アクション、ライト!という感じです」とジェームス氏は言います。「我々の制作パイプラインでは、ライティングを行う前に効果的に映像を撮影します。自分たちがやりたいことをきちんと理解するために、セットプラニングや他の準備作業をとても丁寧に行います。ライティングの作業は、創造的、技術的かつ反復の多いプロセスに驚くほど関与します。そのため、非常に多くのライティングチームを編成する必要があります。課題をこなすには、弊社のライティングチームは、デジタルライター(照明技師)であると同時に、ハイエンドコンポジター、テクニカルディレクターでなければなりません。大勢のスタッフが関わっているので、カットによってライティングの不一致がでることは頻繁にあります。幸いな事に弊社はAutodesk Lustreを持っていますので、作品全体のライティング、カラーコレクションやS3Dのトランジションを統一することができ、リアルタイムに劇的な変化を施すことができます。今まで使ってきたツールの中で最高のものだと迷わずに言えます」と、ジェームス氏はコメントしています。

〈 次ページへ続く 〉ソリューション1:Autodesk Maya

製品購入に関するお問い合わせ
オートデスク メディア&エンターテインメント 製品のご購入に関してご連絡を希望される場合は、こちらからお問い合わせください。