チュートリアル / もしもMotionBuilderでプリビズをしたら
第1回:プリビズの話をはじめましょう

更新日 2011.06.14

はじめまして、株式会社IMAGICAの山口と申します。
この度、縁あって、MotionBuilderのコラムを書かせていただくことになりました。よろしくお願い致します。

しかし、考えてみると、私は、このAREA JAPANをお読みになっている皆様ほどに、MotionBuilderを使いこなしているわけではありません。MotionBuilderに触れるようになったのはこの1年ほどであり、通常はMayaを使って仕事をしています。そのMayaにしても、細密なモデリングをし、mental rayなどでレンダリングして、映画やCMなどに使われるようなCG画像を作り出しているわけでもありません。じゃあ、何やっているのかというと ・・・ 「プリビズ」です。

そう、私はMayaやMotionBuilderを使い、プリビズの仕事をしているのです。

これからしばらくの間、「もしもMotionBuilderでプリビズをしたら」という、どっかで聞いたことがあるようなタイトルでお話をしていきたいと思います。作業実例やハリウッドでの使用例なども混ぜつつ書いていく予定ですが、決して、MotionBuilderのチュートリアルのようなものにはなりませんので、そのような過度のご期待はされませんように。映画館のゆったりとしたリクライニングシートでコメディ映画を見るような、楽な気持ちでお付き合い頂ければ幸いです。

では、「もしビズ」、はじめましょう。

motion_01.jpg

そもそもプリビズってなに?

プリビズって言葉、最近よく耳にしますね。日本ではプレビズと言われることもあります。皆様の中には業務の中で見たとか、実際の作業で作成されたという方もいらっしゃるのではないでしょうか?

まずはじめに、言葉の意味から説明していきましょう。「そんな事は知っている」という方も、ここはおさらいとしてお付き合い下さい。

プリビズを英語表記するとPreVis、元はPre-Visualization、映像業界の造語です。Preは「あらかじめ」とか「~以前の」という意味を持つ接頭語、Visualizationは「目に見えるようにすること」とか「視覚化」という意味を持つ名詞、つまり、PreVisualizationとは「あらかじめ目に見えるようにすること」という意味となります。
映像制作において、本格的な制作に入る前に、「あらかじめ」どういう映像をつくるか「目に見えるように」しておこうという作業、それがPreVisualization、略してPreVisと呼ばれているのです。

何のために?

映像制作はどういう工程があるのか、ここでまとめておきましょう。
まず、企画です。どういう内容にするか、どういう絵柄にするか、予算はどれくらいか、監督は誰にするか、スタッフ構成はどうするか、どうやって制作を進めていくかなど、映像制作に必要な様々な事項を決めていきます。続いて撮影。監督の意向に沿って、映像の元となる素材をつくっていきます。実写であればフィルムやビデオなどで撮影するのですが、アニメーションであれば作画しますし、CGであればモデリング、レンダリングして映像素材をつくっていきます。素材が揃ったら、編集です。素材を内容に沿って並べ、つなぎ合わせていきます。必要であれば、合成などの特殊効果作業も行ないます。これでほぼ完成ですが、最後に行う作業が仕上げです。映画館やテレビ放送、インターネット配信など発表する環境に合わせて、映像を最終調整していきます。このような工程を通って、映像は世に出て行くわけですね。

では、プリビズは、映像制作の工程の中のどこで行うのでしょう?「あらかじめ、どういう映像を作るか目に見えるようにしておく」のですから、企画の段階で内容が決まり始めた後から撮影に入るまでの間となります。つまり、企画で決まった内容を、画像や映像を使って目に見えるようにし、その後の全ての制作工程を円滑に行なえるようにすることがプリビズの持つ本来の役目なのです。

motion_02.jpg ここまでで、プリビズの概要をお話しました。
次回の「もしビズ」は、MotionBuilderを使ってどうやってこのプリビズ作業を行うか、具体的に説明をしていきたいと思います。

当コラムを執筆しているIMAGICA 山口氏がAUJ2011にて登壇いたします。セッション詳細・お申込はこちら

更新日 2011.06.14
著者プロフィール
山口 聡
山口 聡
プリビズスーパーバイザー
90年代、日立系企業にて業務用フライトシミュレータを開発しながら、CG技術のイロハを学ぶ。その後、97年に(株)IMAGICAに入社。モーションコントロールカメラシステムMILOを担当し、映画、CMなどの実写とCGとの合成に携わる。2000年にMILO用プリビズシステムMILOBOTを開発。2005年よりMILOBOTを汎用プリビズシステムに改良し、リアルタイムプリビズとして運用。映画やCMでプリビズ作業を担当する。2012年よりフリー。米国Previs Society会員。米国Visual Effect Society会員。座右の銘は「為せば成る 為さねば成らぬ何事も 成らぬは人の為さぬなりけり」。

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