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第10回:ポリゴンモデリング効率アップ術(1/4)

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最近Windows7のPCを使いはじめました。徐々にMaya 2011に移行中です。というわけで今回からは図がMaya 2011の画面になります。

今のMayaはあらゆるデザイン製作分野で使用されるツールとなっています。が、その昔Mayaが主に映画製作向けのハイエンド3DCG環境を提供していたころ、モデリングといえばNURBSモデリングのことでした。なのでどうしてもポリゴンモデリング機能に弱いところがありました。

そんな中Mayaでポリゴンを効率よくモデリングする方法も編み出されるもので、今も十分使える方法が多々あります。それらはNURBSモデリングの知識の発展であったりします。古今変わらず適用できるモデリングの考え方ですので、知っておくと今後ポリゴン以外のモデリング方法が主流になってきても対応できると思います。例えばMudboxの様なスカルプトでのモデリングにも応用できます。

まあ、厳密に何パーセント早く正確になるかと言われると分かりませんが、経験則として早い気がします…。という感じですので、やってみて「これはいいかも!」と思えるものがあったらぜひ実践してみてください。

ポリゴンを作る時はある程度頂点を作ってから形を決める!

Create Polygon Tool(Mesh > Create Polygon Tool)でポリゴンを作るのに、作りながら形を整えようとすると時間がかかってしまいます。これには二つの理由があります。

一つは頂点を作って中マウスボタンクリックで逐一移動すると作業がとぎれとぎれになり効率が悪くなる点です。効率を上げる基本は「同じ様な作業をまとめてやる」です!

まず頂点を必要なだけ作る、それから移動して形を整えると、トータルでは作業が早く、正確になります。

この方法は新人研修でも有効です。慣れない作業を一度にいくつも行うと一体何をしているかよくわからなくなりがちです。頂点を作る、それから位置を整えるという手順はとてもわかりやすく、理解力が上がる様に思えます。

二つ目の理由は図を見ていただきたいのですが、perspビューでポリゴンを作っていて、

polygonModeling1_01.gif

途中で頂点を移動します。

polygonModeling1_02.gif

で、残りの頂点を作り、ポリゴンを完成させます。

polygonModeling1_03.gif

一見上手くいっている風ですが、よくよく見てみると意図したところへ頂点が移動していないのが分かります。

polygonModeling1_04.gif

後で結局位置を調整しなおすことになりがちです。

(途中で頂点を動かすと、カメラを平面として移動することになるのでこの様なことがおきます。Topビューから見ながら移動すればXZ平面で移動できるので問題ありませんが、画面を切り替える手間があります)

ほとんどの場合、作りながら位置を決めても後で結局いじってしまうのではないでしょうか?頂点を作るとき多少位置がずれても一気にポリゴンを完成させ、それから位置を合わせる方が結果的にモデリングをスピードアップさせることになるようです。

あまり頂点近づけすぎない方が操作性があがる?!

先ほどの話の「作りながら位置を決めても結局後でいじる」というのに関連する話です。

あらかじめ後からスナップさせることが分かっている頂点は、ちょっとだけ最終的な位置から離して作ったほうが効率的な場合があります。

頂点がスナップ先に近いとスナップしたのかどうか分からないので、何度かスナップさせて効き具合を確認したりすることありませんか?

頂点がスナップ先から離れていればスナップした瞬間が分かるので正確に編集できるというわけです。

スナップは一発で効くものなので、頂点同士が近くでも遠くでも変わりませんし、オススメです。

例えば"E"をポリゴンで作ってみます。

polygonModeling1_05.gif

Eの右下の頂点と右上の頂点の横位置をそろえたいのですが、目測ではまず一致しません。つまりスナップが必要です。

ところがスナップさせようとしても、

polygonModeling1_06.gif

これでは頂点スナップで移動しても、見た目にほとんど動きがないため本当にスナップできたかどうかいまいちわかりません。

代わりに、頂点を離して作ります。

polygonModeling1_07.gif

これなら頂点スナップで移動した時にスナップした瞬間がよくわかります。

polygonModeling1_08.gif

結果としてさくさくとモデリングが出来るわけです。

まとめ

モデリングの方法は千差万別、個人の慣れや好みもあります。また、作業は他の人から見ることが出来ないわけで、なかなか普段より良い方法というのを考える機会がないことでしょう。

いろいろ作り方を考えるにあたって、一昨年のSIGGRAPH ASIA2009で発表した「クローンモニタリング」が役に立っているということにも触れておきたいと思います。

詳細はネットで検索していただければ分かりやすくまとまった記事が色々と出てきますので、ぜひそちらを参照してみてください。

モデリング作業を他人から見られる、見せる事で、「変なこと(もたもたした操作とか)をすると、見られてはずかしいなぁ」とか、「難しいところをスマートに処理する方法を見つければ自慢できる!」とか意識しながら作業することが出来、結果として紹介しているようなテクニックの再発見につながりました。

今回は二つの方法にしか触れられませんでしたが、次回以降こまごまとしたテクニックやMayaならではの便利な方法を見て行きたいと思います。

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