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第7回:何の変哲もない「一軒家の外観」その③ ライティングとレンダリング設定

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皆さんこんにちは。オートデスクの吉田です。
先日、健康診断の結果が返ってきたのですが肝臓の数値が悪く禁酒を余儀なくされてしまいました。
という事で、2021年もよろしくお願いいたします。

「一軒家の外観」もこの回で最後になります。

今回は、ライティングとレンダリング設定のお話です。
また、本作品制作では使用していない機能ではありますが、V-Ray 5の新機能「Light Mix」のお話もさせていただこうと思います。

色々なV-Rayのライト

V-Rayでは複数種類のライト オブジェクトが用意されています。
「VRayLight」「VRayIES」「VRayAmbientLight」「VRaySun」といったライトです。

今回ライティングで使用するのは「VRaySun」ライトと環境光ですが、お仕事の内容によっては色々なライトを使う可能性があるかと思います。簡単にそれぞれ解説させていただきます。

「VRayLight」のプレーンライトは、内観作品の際に窓の外に配置し外から入り込む光の量を補助してあげたり、カメラの手前に配置してレフ版的な用途で使用することがあります。

「VRayIES」ライトは、IESファイルを使用して照明器具ごとの配光を再現するために使用します。
多くは照明メーカーがwebなどで配布しているIESファイルを使用します。

IESライト

「VRayAmbientLight」は、GI(グローバル イルミネーション)などを補助するときに使用します。

VRayAmbientLight

外観作品のライティング

今回は、自然光のみを利用したライティングを行っていきます。
具体的には「太陽光(VRaySun)」と「環境光(VRaySkyやHDRI)」を使用していきます。

作品によっては屋内・屋外照明を配置する場合もあるでしょう。あるいは、屋内を見せる必要が無い作品や、周囲に街灯が無いシーンなどでは人工的な照明を使用しないという場合ももちろんあります。

しかし、いずれにしても太陽や周囲の環境は必要不可欠な要素です。このため、「太陽光」と「環境光」を使用したライティングは外観作品においてかなり使用頻度が高いライティングと言えるかと思います。

まずは、「VRaySun」と「VRaySky」について簡単に解説します。

太陽の向きに関してですが、晴天の作品であれば「順光」「逆光」のどちらかを選択することになります。
どちらかが絶対的正解というのはありませんが、ベーシックな作品の場合は斜めからの「順光」が採用される場合が多い印象があります。

順行

順光にすることにより影の落ち具合で建築物のディティールがわかりやすくなります。

最終的に環境光は「VRaySky」ではなく、HDRIを使用したいと思います。
HDRIの向きは違和感が出ないよう、太陽の向きに合わせるのがいいかと思います。

V-Rayレンダリング設定の概要

V-Ray 5ではレンダリング設定自体の新機能というよりも、レンダーエレメントやフレームバッファのアップデートが目立っておりました。

例えば、フレームバッファはUIが一新され、かなりわかりやすいものとなっておりますし、レンダーエレメントではLight Mixというライティングの調整に最適なエレメントが追加されております。

まずは、まだV-Rayを触ったことが無い方向けにレンダリング設定項目の内容をかいつまんでご説明いたします。

今回は大きく2種類の設定方法をご紹介できればと思います。
一つ目が「時間をかけて正確にレンダリングする」方法、二つ目が「素早くできるだけ綺麗にレンダリングする」方法です。

動画でも触れていますが、Denoiserを使用する場合は元のレンダリングがある程度綺麗であるほうが良い結果を得ることができます。

「素早く」と「できるだけ綺麗に」を両立するには、今回の場合は元のレンダリングに10分程度時間をかけてあげるのがいいかなといった印象でした。

Denoiser

もちろん、品質を優先するのであればDenoiserは使わずに時間をかけてレンダリングするべきです。しかし、時間が無い時、かつ多少ディティールを犠牲にしてもよい時はDenoiserを使用することも選択肢として持っておくと便利かと思います。

おまけ

V-Ray 5ではフレームバッファのUIが一新され、レイヤーを利用した簡単なレタッチ作業も非常にやりやすくなりました。

また、新しい機能のLight Mixは、フレームバッファ内で操作できる機能です。後工程でライティングの調整が可能なため非常に便利に使うことができます。

Light Mix

今回の作品にはあまり関係のない部分ではありますが、ライトの数が多くなるシーンなどでは武器になる機能です。

おまけ程度ではありますが、それぞれ簡単に解説させていただきます。

以上で一軒家の外観に関する解説は終了です。
今回制作した作品は以下のようになりました。

完成した作品

次回からは新しい内容をお届けいたします。
それでは、またお会いしましょう!

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