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第9回:Chaos Coronaとは?

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皆さんこんにちは。オートデスクの吉田です。
ビジュアライゼーション コラム久々の更新でございます!

今回は、日本の建築ビジュアライゼーション業界においても最近注目が集まってきたChaos Coronaについて解説させていただきます。

Chaos Coronaの特徴、V-Rayとの違いに関する説明や、基本的な作業フローの動画なども用意しておりますので、是非最後までご覧いただければと思います。

第9回:Chaos Coronaとは?

Chaos Coronaとは

Chaos Coronaとは、V-RayでおなじみのChaos社が提供しているレンダラーです。
簡単な操作、手ごろな価格、高品質なフォトリアル レンダリングが実現できるといった点で多くの3Dアーティストに愛用されています。
3ds Max、Cinema 4Dで使用することができて、先日(2022年10月)最新バージョンのChaos Corona 9がリリースされました。

元々はチェコ工科大学の学生プロジェクトとして開発がスタートして、2017年にChaos社の傘下に入り、現在はChaos社の一部であるChaos Czech a.s.,によって開発が進められています。

建築CGの情報メディア「CGarchitect」の集計結果によると、Chaos Coronaの導入数はV-Rayの次に多い数値になっており、このことからもChaos Coronaは建築ビジュアライゼーション業界で広く使用されていることが分かります。
cgarchitect.comの“2021 Architectural Visualization Rendering Engine Survey Results”の記事を参照:2022年10月時点)

3ds Maxユーザーの皆様とお話している限りでは、日本のビジュアライゼーション業界において、Chaos Coronaはまだ海外ほど普及していないように感じられます。
しかし、Youtube、SNSなどでChaos Coronaを使用して制作された海外事例を目にする機会が増えてきている影響か、最近は「Chaos Coronaってどうなんですか?」「綺麗ですか?」「使っている人多いんですか?」「V-Rayと何が違うんですか?」などといったご質問をいただくことも多くなってきました。

このようなご質問にお答えすべく、今回このコラムを通じて私なりにChaos Coronaの特徴、使用例などをお伝えできればと思っております。

Chaos Coronaの特徴

公式ホームページを見ると、Chaos Coronaの特徴としては以下のような点が挙げられています。

・高品質な物理ベースのレンダリング
・簡単な操作
・手ごろな価格
・Chaos社のエコシステムを利用した拡張性
…などなど

「高品質な物理ベースのレンダリング」という点で言うと、Chaos Coronaでのレンダリングのデフォルトは(ほぼ)アンバイアスなので、細かい設定をしなくてもリアルなレンダリングが可能だったり、豊富なポストエフェクト機能で柔軟な画像の編集が可能だったりという特徴があります。

次に、「簡単な操作」という点についてですが、Chaos Coronaではレンダリング設定項目が厳選されていて、非常にシンプルに設定作業を行うことができるという特徴があります。
状況によっては、レンダリング設定を編集しなくてもいいという場合もあるかもしれません。

シンプルかつ多彩な機能で素早く簡単に高品質な作品制作を実現
シンプルかつ多彩な機能で素早く簡単に高品質な作品制作を実現

価格面に関しては、価格設定に関する目標として「Chaos Coronaをできるだけ多くのユーザーにとって手頃な価格にする」「Chaos Corona の改善を続けるための開発資金を確保する」という2点が掲げられており、多くのユーザーにとって使いやすい環境を構築しようとしているように感じられます。
価格は時と場合に応じて変動するとは思いますが、V-Rayの6~7割程度の年間価格でPremium版を購入することができるようです。
Chaos Corona及びV-RayホームページのPricingページを参照:2022年10月時点)

また、Premium版を利用することにより、Chaos社のエコシステムを利用した拡張性を体感することができます。
Premium版では、火、水、煙などのリアルなシミュレーションを行うことのできる「Chaos Phoenix」や、豊富なマテリアルを有しているライブラリの「Chaos Scan」、素早くアニメーションを確認、編集することのできる「Chaos Player」を利用することができ、より幅広い3D制作に臨むことができます。
ちなみに、みんな大好き「Chaos Cosmos」はSolo版でも使用できるようです。
Chaos CoronaホームページのPricingページを参照:2022年10月時点)

V-Rayとの違い

「Chaos CoronaとV-Rayとの違い」に関しては、よくご質問をいただきます。
確かにどちらもChaos社傘下のレンダラーですから、どのような違いがあるのかは気になるポイントかもしれませんね。

先に記したように、価格面で多少違いがあったり、細かい機能で出来ること、出来ないことがお互いにあったりはしますが、個人的な印象としては「レンダリング設定の複雑度」と「画作りのアプローチ方法」に大きな違いがあるように感じます。

まず「レンダリング設定の複雑度」についてですが、先述の通りChaos Coronaのレンダリング設定は非常にシンプルで、対してV-RayはChaos Coronaに比べると多くの設定項目が準備されています。
このことから、それぞれ「Chaos Coronaはより簡単に使用することができる。」「V-Rayはより詳細な設定ができて出力結果をコントロールできる。」といった利点をあげることができるかと思います。

「画作りのアプローチ方法」に関しては、人によって違いが大きい部分かとは思いますが、YouTubeなどで色々なアーティストの制作風景を見ている限りでは、それぞれのユーザーでアプローチ方法に違った傾向がみられるように感じられます。
例えば、V-Rayユーザーはライティングやカメラ設定をできるだけ現実世界に近づけるよう詳細に設定を行い、レンダーエレメントを大量に書き出し、ポストエフェクトでは画像編集ソフトを使用して画を作りこんでいくような傾向があります。

それに比べ、Chaos Coronaユーザーはライティング、カメラ設定はそこそこにレンダリングを回し始め、レンダリング フレームバッファのUI上に用意されているポストエフェクト機能を使ってサクサクと画を作りこんでいくような傾向があるようです。
Chaos Coronaの特徴として、デフォルト設定でも物理的に正しいリアルな画をレンダリングしてくれるという点や、豊富なポストエフェクト機能を搭載しているといった点があるため、このような違いが出ているのかもしれません。

3ds Maxにとって、V-Ray、Chaos Coronaはどちらも非常に強力なプラグインといえます
3ds Maxにとって、V-Ray、Chaos Coronaはどちらも非常に強力なプラグインといえます

これらに関しては、単に違いがあるだけであって、優劣があるとかいう話ではありません。
それぞれ利点がありますので、それを加味したうえで自分に合ったレンダラーを選択していただければと思います。
こんな素敵なレンダラーが、どちらも3ds Maxに対応してくれているというのは、3ds Maxの担当者として、またいちユーザーとしてもありがたい限りです。

Chaos Coronaを使ってみよう!

ここからは実際にChaos Coronaを使いながら、ここまで解説してきた特徴などを確認していきたいと思います。
まずは、モデリング以降の作業をレンダリングまで一通り行いたいと思います。
以下の動画からご確認ください。

3ds Maxはver2023.2を、Chaos Coronaはver.9を使用しています。

ご覧いただいた通り、使い方によっては非常にシンプルかつ素早くフィニッシュまでたどり着くことができます。
上記の動画ではレンダリング設定はほぼ変更していませんが、先述の通り、Chaos Coronaはデフォルト設定の状態で高品質な画が書き出せるので、このような素早いフローをとることができますし、設定項目自体が厳選されているので、編集をしたとしても少ない手数で設定を完了することができます。

では、Chaos Coronaにはどのような設定項目があるのか。
もっとも一般的なレンダリング設定項目のGeneral Settings項目についての解説を次の動画からご覧いただければと思います。

General Settings項目を見てみると、本当に必要な情報が厳選されているというのが分かるかと思います。

まだまだ他の機能なども気になるところかと思いますが、あまり話しすぎると長くなってしまいますので、今回はこのくらいにさせていただければと思います。
もう少し詳細な使用方法などは、具体例を交えながらまた別の機会にご紹介できればと思いますので、定期的にAREA JAPANの情報をチェックしていただければ幸いです。

また、ビジュアライゼーション コラムで取り上げてほしいテーマなどのご要望がございましたら、私のtwitterアカウント(https://twitter.com/YoshidaADSK)のほうまでお気軽にご連絡ください!

それではまた次回お会いしましょう!
ありがとうございました!

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