株式会社カラー
ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破
3ds Max のパワーが可能にした無数のトライアル&エラーから生まれたまったく新しいエヴァンゲリオンの世界
- 3ds Max
- アニメ
- 映画・TV
作画の魅力を最大限生かすため CG が 2 倍に
CGI 監督
鬼塚大輔 氏
「エヴァ」の勢いが止まらない――興行収入 20 億円のヒット作「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」(2007年)の後を受け、今年 6 月に公開された「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」は、17 日間で前作の興行記録を突破。10 月上旬時点で興行収入 38 億円を超え、前作の記録を塗替える大ヒットとなった。この新シリーズは 4 部作が予定されており(公開は 3 回を予定)、前作「序」は TV 版の序盤 6 話をベースにしていた。だが「破」は違う。新しい登場人物に新しいエヴァンゲリオン、使徒も登場し、TV 版とは異なるストーリィが展開されるのだ。
「序・破・Q(急)......と続く流れの中で"破"では TV 版と付かず離れずだった物語が大きく舵を切り、新しいエヴァの世界へ向います」。前作に続き CGI 監督を務めた鬼塚大輔氏は語る。いわば「破」は新シリーズのターニングポイントなのだ。同時にそれは、CG 制作スタッフに、より高度な表現と品質、ボリュームを要求する挑戦的な作品でもあった。
小林浩康 氏
「ツールは前作と同じ Autodesk 3ds Max で制作期間もほぼ同じ。ですが、CG カットのボリュームは 2 倍に増えました。しかも前回は背景主体でしたが今回はエヴァや使徒も CG の利用が拡大し、本番用カットが増えてより多彩な表現と品質が求められたのです。3ds Max でなければ対応は難しかったかも知れません」。そう語るのは、鬼塚氏と共に CGI 監督を引き受けた小林浩康氏だ。
「エヴァンゲリオンは作画が基本の作品ですが、その作画の魅力を最大限生かしたいからこそ CG パートが増えたのです」。高度な要求に応えられる優れた作画スタッフは数が限られ、期間内に作れるカット数にも限界がある。ならばそれはクライマックスに集中すべきだ――そんな判断から、レベルの高い作画スタッフはラストバトルに集中され、CG パートが増えたのである。
「手間がかかる、地味に大変なモノは基本 CG。モブシーンはほとんど CG です。作画と比較した上で、内容や動画精度の面から CG が選ばれたケースも多いですね」。それはまさに CG の表現力が前作から大きく向上したことの証明だが、それゆえに、鬼塚氏、小林氏ら CG 制作部隊と 3ds Max は、さらに大きな課題を次々と与えられることになったのである。
- 1
- 2
*上記価格は年間契約の場合の1ヶ月あたりのオートデスク希望小売価格(税込)です。