Ubisoft　
アサシンクリード　
オートデスク3Dパイプラインで、12世紀の物語が現代に蘇る

Ubisoftの制作工程は、デザイナー、アーティスト、プログラマー間の会話から始まります。システムを打破し、与えられたシーケンスで物語を進めるには、どんなアニメーションが具体的に必要になるのかを考えます。この時点で、キャラクターは3ds MaxとMotionBuilderで作成、リグされています。ここから、アニメーターは、ビデオ映像をキャプチャーして、求めている見た目のイメージを取得します。デザイナーとアニメーターで共通の理解が得られると、チームはモーションキャプチャスタジオに行き、データのレコーディングを開始します。データはMotionBuilderで編集、仕上げられ、3ds Maxへ持ち込まれます。3ds Maxでは、フレームをカット、ポーズの始点・終点を挿入、アニメーションをパーツに分けて機能するシステムを作ります。ゲームエンジンにシーケンスが渡され、そこからの工程は、アニメーターとプログラマーの共同作業が増えます。

"HumanIKでの作業は、大部分がアニメーターには見えません"とLevesque氏は説明します。"アーティストは、Bipedのスクリプトしたインターフェイスへアクセスして、チェックボックスから手や足にキーフレームを付けることができます。クライミングのアニメーションでは、キャラクターが移動している時には、手があがって何かを掴むまで、移動する数フレームの間、IKの影響を受けないようにし、何かを掴んだら合図を出して、IKの制御が開始するようにすることができます。また、指、足首、足の指は、別のIK制御が適用されます。クライミングシステムには、全部で8種類のIK制御が組み込まれました。そのおかげで、3ds Maxで基本アニメーションが仕上げられ、プログラマーへ渡される時点で、プログラマーはIKシステムを始動、停止するタイミングを正確に把握しています。"

HumanIKの統合により、このゲームにおけるアニメーションクオリティに関するアニメーターの責任が、重くなりました。また、アニメーターとプログラマー間での情報の流れがスムーズになり、ゲームエンジンと3ds Max間での情報の行き来も非常に容易になりました。

3ds Maxの中でアニメーターの仕事を容易にする機能について問われると、Levenqueは、すぐさまSkinWrapとMultiResをあげました。

"私は、MultiResとSkinWrapを非常に良く使います。SkinWrapは、面倒なスキン作成の工程をスピードアップする実に簡単な方法です。私はキャラクタの頭部の作成にも使っています。基本的に、1つの頭部のLODキャラクタのファーストパスをマニュアルですると、全ての頭部は同じトポロジを基本としているので、後はその頭部をモーフィングして、違うキャラクタの頭部を作成しながら、手で作業したようにみえるほど完璧にアンラップした皮膚を作成することができます"とLevesque氏は加えました。

"MultiResでは、ボディLODも行いました。これは、自動的にポリゴン数を削減して、シーケンスをリアルに再現できる最小サイズまでモデルを縮小し、作業時間を大幅に短縮してくれます。テクスチャレンダリングも好きです。全てのキャラクタは最初、かなりの高解像度で作成されて、レンダリングして法線マップやディフーズマップを生成します。その工程を効率化できるテクスチャレンダリングは、非常に便利です"とLevesque氏は結びました。

クライミングシステムこそ、このゲームが他と一線を画す大きなポイントであることは、アサシンクリードチームが認めるところです。ゲーム中のかつてないほど複雑なキャラクタナビゲーションを実現するだけではなく、プレーヤーを中世のアサシンの世界に浸らせるには、欠かすことのできないものだと言えます。"HumanIKのおかげで、リアルな見た目を作ることができました。また、メインキャラクタがゲーム環境の中で自由に動くことを可能にするという目標も、HumanIKによって達成することができました"とTory氏は結びました。

アサシンクリードは、PLAYSTATION^®3およびXbox 360™に対応します。PC版のリリースも予定されています。Ubisoft では、これまで既存作品や映画・テレビライセンスを基本にした作品を開発してきましたが、このゲームは、Ubisoftが全ての著作権を有するUbisoft初の完全オリジナル作品です。