チュートリアル / 映像編集と道具としてのSmoke
第1回:Smokeコラム、はじめました
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はじめに・・・・
この度の東北地方太平洋沖地震により被災された皆様に、謹んでお見舞い申し上げます。皆様のご無事と、一日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。
どうも、はじめまして。オートデスクの川船です。
私は、オートデスクでSmoke、Lustreを担当するシニアソリューションスペシャリストという仕事に就いております。
なんだかよく分からない肩書きですが仕事内容はデモンストレーションやトレーニング、技術提案など営業支援をしています。
そんな私ですが故あって、Smokeコラムを書かせていただく事となりました。
このコラムでは、オールインワンクリエイティブツールセットであるSmoke for Mac OS Xを中心にして、映像編集について幾つかの私見を述させていただこうかと思いますので、お付き合いの程よろしくお願いします。
前職でフリーランスエディターをしておりましたので、現場経験をふまえたお話などしていければと考えております。もちろんSmokeに関する最新情報もお伝えしていきます。
映像編集とは?
最近、街角や駅に動画映像があちらこちらに溢れています。いわゆる○○ビジョンのような大型表示ばかりではなく、以前の広告スペースに50~60インチのディスプレーをはめ込んでCFやプロモーション映像を流しています。デジタルサイネージというやつですね。視線を手元に落とせば携帯電話やスマートフォンで当たり前のように録画した映画やドラマ、バラエティー番組などが観る事が出来ます。
一方、同じ携帯電話で動画を撮影してそのまま保存したりWebにアップロードする事もできます。まさにあちらこちらに映像が氾濫して誰しもが発信できる時代です。 そんな溢れかえる映像には見やすいものもあれば見にくいものもあります。この違いはどこにあるのでしょう?
情報を得たい場合は必要な情報が正しく分かりやすく伝える必要があります。ドラマを観る場合は演出者の意図に沿ったストーリーが観る人に伝わらなくてはなりません。そのために必要な作業として編集があります。のんべんだらりと同じような映像を見せられたり、グラフィックスを多用しすぎて分かりずらくなったり、映像に懲りすぎてストーリーが不明になってしまっては編集する意味がありません。
それでは編集とはどんな作業でしょう?
編集作業は要らない要素を切り捨てて制作者の意図に沿った必要な映像を選択し、繋ぎ合わせていく事が基本となります。まずは収録された全ての映像を観て必要なショットを拾い集めていきます。素材整理&粗編集ですね。
それが終わったらフレーム単位で使うカットを追い込んでいきます。カットの順番も重要です。入れ替えたり戻したり削ったり増やしたり、200カットあれば400か所の編集点をチェックしながらシーケンスを作っていきます。適切な映像が正しい順番にそろったら必要に応じて効果、たとえば色調整や合成を施して映像を完成させます。
同じシーンの中で明るさが不自然に変わったり、昼間のはずなのに夕焼けだったりしたらストーリーを邪魔してしまいます。製品説明をより分かりやすくするためには文字情報も必要です。現実にはあり得ないシーンを成立させるために合成を行います。
映像が完成したら音声も調整、加工が必要です。効果音やBGMを追加して素材音とまとめて音量を調整します。音処理に関してはMAスタジオが担当する場合もあります。その際には編集時に必要な音を複数トラックに整理して配置しておかなくてはなりません。もちろんMA作業が無ければ編集時に音調整をします。そして最終OKがでたらテープやファイルに出力してようやく作業完了です。
こうやって書くと物凄く面倒に見えますが・・・本当に面倒です。その面倒な作業をいかにスムーズに行うかで道具の能力が問われます。
素材の選択を簡単にできるか?編集操作はシンプルか?トリミングは素早くできるか?など様々な機能、性能が必要になります。
次回から必要な機能をSmokeを例に説明していきましょう。