チュートリアル / ゼロから始めるMAYAアニメーション
第2回:ペアレント化とコンストレイントを理解する!
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今回の目標は、キャラクターがボールを掴んで他の場所に置くというモーションを作れるようになることです。
ボールを掴んだ際に、手の動きに合うようボールを移動させてキーを細かく打つのはかなり大変です。
このような何かを追従させるモーションを作るときに必要になってくるのがペアレント化とコンストレイントです。
①グループ化とペアレント化
グループ化…複数オブジェクトの上の階層にグループを作り、グループを操作することで複数オブジェクトをまとめて操作する。
ペアレント化…一つのオブジェクトを親、複数のオブジェクトを子にして、親を操作することで子を追従させる。
使用するシーンデータは、Group_Parent.mbです。
(チュートリアルで使用するシーンデータはこちらからダウンロードできます。)
②ペアレント化を使ってターンテーブルを作ってみよう
上のgif動画のようなモーションは、親子階層を使うと簡単に作れます。実際に作成しながらペアレント化の特徴を理解しましょう。
使用するシーンデータは、TurnTable.mbです。
(チュートリアルで使用するシーンデータはこちらからダウンロードできます。)
③コンストレイントの種類と特徴について理解しましょう
コンストレイントは、一つのオブジェクトを基準にして他のオブジェクトを追従させる機能の一つです。
ペアレント化とは異なり、移動や回転などのアトリビュートを限定して追従させたり、XYZ軸に制限を加えることが可能です。
今回はコンストレイントの中でもよく使うペアレントコンストレイント、ポイントコンストレイント、方向コンストレイントについて説明します。
使用するシーンデータは、Constraint_Cone.mbです。
(チュートリアルで使用するシーンデータはこちらからダウンロードできます。)
④ペアレント化とペアレントコンストレイントの違いを理解しよう
どちらも親に子が追従する点では同じですが、それぞれにメリットとデメリットがあります。
それぞれの特徴を理解し、状況に応じて使い分けができるようになりましょう。
ペアレント化
メリット…ペアレント化した後、子にアニメーションキーを打つことができる。
デメリット…一度ペアレント化した後に、子にアニメーションキーを打つとペアレント化の解除はできない。
ペアレントコンストレイント
メリット…親子関係のスイッチをON/OFF切り替えが可能。移動や回転などの軸を制限することも可能。
デメリット…コンストレイントした後に、子にキーを打つとコンストレイントが切れてしまう。
下の動画は実際に二つのオブジェクトをペアレント化したりペアレントコンストレイントしたものです。これらを比較してみることで、その違いを理解しましょう。
使用するシーンデータは、Constraint_Sphere.mbです。
(チュートリアルで使用するシーンデータはこちらからダウンロードできます。)
⑤ペアレント化とコンストレイントの組み合わせによるアニメーション
ペアレント化とコンストレイントにはそれぞれメリットとデメリットがありますが、両者を組み合わせる事によってそれぞれの長所を生かす事が可能になります。複数のオブジェクトが干渉するようなモーションを作成する際に、大変役に立つので下の動画と同じ操作をしながら組み合わせ方を理解しましょう。
使用するシーンデータは、Constraint_Cube.mbです。
(チュートリアルで使用するシーンデータはこちらからダウンロードできます。)
⑥キャラクターがボールを掴んで別の場所に置く
それでは、最後にキャラが物を持って別の場所に置くモーションを作ってみましょう。
使用するシーンデータは、Kano_const.maです。
(チュートリアルで使用するシーンデータはこちらからダウンロードできます。)
今回は同じモーションを作る動画を2つ用意してあります。
まずはコンストレイントの仕様に慣れるために、敢えて躓きながら解説をしていきます。
スイッチのON,OFFやコンストレイントを設定したときの状態に戻ってしまう特徴を理解している人は、躓く前に先を読んで簡単に同じモーションを作り上げることができます。
次の動画を見てコンストレイントをしっかり理解できている人が、どのように考えてどのような順番で設定をしているのかを体験してみましょう。
ボールを持ったり置いたりするモーションはうまく作れましたでしょうか。
コンストレイントの切り替えは、慣れるまでは難しいかもしれません。しかし、コツさえつかんでしまえば色々な場面で応用が利くようになるので絶対に使えるようにしておきましょう。
ちなみに、コンストレイントした子には基本的にはキーを打ちませんが、一度ベイクしてしまえばコンストレイントが切れても動きは維持されます。これを利用すれば、また更に操作の幅が広がりますので試してみてください。
次回はただ動かすだけでなく、説得力のある(現実味のある)モーションを作るために知っておくと良いポイントを教えていきたいと思います。