• Home
  • >
  • ユーザー事例
  • >
  • 映画・テレビ
  • >
  • プロダクション I.G ホッタラケの島~遥と魔法の鏡~ 1 日本の"Maya 使い"のノウハウとパワーを総結集して創りあげた世界に通じるフル CG 長編の「王道」

プロダクション I.G 
ホッタラケの島~遥と魔法の鏡~ 1 
日本の"Maya 使い"のノウハウとパワーを総結集して創りあげた世界に通じるフル CG 長編の「王道」

プロダクション I.G ホッタラケの島~遥と魔法の鏡~ 1 日本の
  • Maya
  • アニメ
  • 映画・TV

大型プロジェクトに最適な Maya の柔軟性と普及率の高さ

hottarake1_03.jpg
Maya の特性を生かし、 独自のツールも複数 開発されたが、リグは 既存のツールセットが利用された

高木氏が言う"新しい絵"とは、2D の背景美術に 3D のキャラクタを乗せた、『ホッタラケの島』独特のルックを指している。既存のアニメーションではあまり類例のない、この新しいルックを作りだすにはやはり相当の試行錯誤があったという。

「新しい絵を創るのはとても大変なんですが、そこで Maya の柔軟性が威力を発揮しました。他の CG の作業は既存の手法に当てはめる形になりがちですが、Maya の場合、自分たちでツールを開発することで全く新しい表現を作り出せるんです」(高木氏)。もちろん Production I.G 側もチームにプログラマーを配置したが、ここでは外注各社の協力も大きかった。必要に応じ各社が分担して Maya ツールを作り、全体で共有していったのである。 「モデル共有やその同期を図るもの、レンダリング効率化など、純粋なツールをいくつか作りました。リグはポリゴン・ピクチュアズ出身の方が開発した既存のツールセットです」(高木氏)。

hottarake1_04.jpg
豊かな感情表現のため、 モーションはモーション キャプチャーを使わず、 全て手付けで行われた

このようにして動き始めたプロジェクトは、会社の枠を超え、最終的に 200 名余の CG クリエイターが参加することになった。特に終盤の追込み時期など、日本の"Maya 使い"の大半が『ホッタラケの島』を作っていたような状態だった。だがこれだけの大人数が作業を進める上で課題となるのがスタッフ間のコミュニケーションだ。もちろん XOOPS などネットワークメディアも多いに活用されたが、それ以上に重視されたのは「出来るだけ 1 箇所に集まって」作業することだ。

hottarake1_05.jpg
モブシーンのセカンダリー アニメーション。揺れモノなど 副次的な動きを作る

「制作中枢である IGFX スタジオは、いわばこの作品を作るために改築されたスペース。総勢で 40 人近く入りましたが、それでも全然足りなくて。モデリング終了後はモデリング部隊は麻布のポリゴン・ピクチュアズへ移動。空いた所へ、ポリゴンピクチュアズの人も含めアニメータを入れるという荒技で対応しました」(安芸氏)。もちろんパソコン等も先を読んで早めに手配し、協力会社のレンダリングパワーが不足すれば、これもサポートしていった。また、アニメーション制作のパイプライン等も、例えば主要な動きを作るプライマリーアニメーションと揺れモノなど副次的な動きを作るセカンダリーアニメーションとで、工程を完全に分けて分担させるなど、徹底した効率化を図ったのである。

hottarake1_06.jpg
主要な動きのプライマリー アニメーションと工程を 完全に分け、効率化を図った

「それでも最後は押せ押せで、ライティング、コンポジット、エフェクトは厳しいスケジュールの中作業しました。さすがに終了時は皆大拍手でした。とにかく各社が協力し、Maya の特性を生かしきった今回のプロジェクトで、CG における大作作りのノウハウは蓄積できました。これは今後の大きな財産ですね」(高木氏)。

導入製品/ソリューション ・Autodesk Maya
導入目的 ・フル 3DCG 長編作品制作の主力ツールとして
・同製品を主力とする CG スタジオ各社の協力確保
・多数のスタジオによるプロジェクトの共通基盤として
導入ポイント ・ユーザの多さ/多数の CG スタジオに普及
・全く新しい技術・表現を可能にする柔軟性の高さ
・Maya 採用を望む制作現場の声の多さ
導入効果 ・2D+3D の全く新しい「ルック」開発
・多数の CG スタジオのノウハウの共有&結集
・最適化された制作環境のスムーズな構築
今後の課題 ・Maya を主体とするコラボレーション環境の充実
・2D+3D の「ルック」のさらなる洗練
・さらに効率的な制作パイプラインの開発
作品概要 ホッタラケの島 遥と魔法の鏡
監督:佐藤信介
脚本:安達寛高 佐藤信介
音楽:上田禎
企画設定協力:JINCO
製作:フジテレビ プロダクション I.G
配給:東宝
©2009 フジテレビジョン/Production I.G/電通/ポニーキャニオン
http://www.hottarake.jp/
PDF
hottarake1_web.pdf
製品購入に関するお問い合わせ
オートデスク メディア&エンターテインメント 製品のご購入に関してご連絡を希望される場合は、こちらからお問い合わせください。