「LabsDots Studio」をオープン　
Linux版 Flame 2016導入／中目黒から徒歩5分の明るいスタジオ
オンライン予約やFlameセルフトレーニングプランも

Flameアーティスト・石河氏

2016.03.23

Flame
映画・TV

フリーランスのFlameアーティスト・石河慎一氏による個人事務所であるMotion Worksはこのほど、東京・中目黒にポストプロダクションルーム「LabsDots Studio」をオープンした。同スタジオはLinux版のAutodesk Flame 2016 Ext2 SP1を導入し、編集からVFXまで一貫して作業できる編集室として、CM・映画・ドラマ・VP・ミュージッククリップ・Webなど様々なジャンルに対応する。これまでターンキーのみの導入だったFlameについて、ユーザーが自由にハードウェアを選択でき、ソフトウェア契約となったことを機に、石河氏が自らシステムデザインを行い、オープンしたもの。なお、ソフトウェア販売は（株）エヌジーシーが行った。「LabsDots Studio」は石河氏自らの受注業務のほか、広くアーティストに開放していくことを目的に、オンライン予約やセルフトレーニングプランといった新機軸も展開していく。

期間ライセンスのサブスクリプションで導入コスト削減

石河氏は、読売映画社でフィルム撮影助手〜デジタルエッグ〜神宮前スタジオを経て、2000年からフリーランス。個人事務所の「Motion Works」を設立するとともに、CM・PV・TVグラフィックなど中心にFlame/Smoke等による映像合成・編集のほか、Final Cut Pro/AfterEffects/Cinema4D/DaVinci Resolveによる制作も行ってきた。編集・合成作業・特殊効果など撮影技術に関してのサポート、システム構築に関するアドバイスなども実施しており、2014年3月には城西大学東京紀尾井町キャンパス2号館B1Fにオープンした「城西／日活ポストプロダクションセンター」のオンライン編集室の立ち上げに協力した。

「LabsDots Studio」のオープンについて石河氏は〈Flameをソフトウェア単体で入手できるようになったことがスタジオ開設の大きな要因です。これまでターンキーでしか入手できなかったFlameがソフトウェア契約できることで、作業ボリュームに最適化したシステムを自ら構築できるようになりました。さらに、ファイルベースワークフローの拡大で、導入コストやメンテナンス費用の削減だけでなく、クリエイティブにより多くの時間をかけるこが可能で、コストを抑えながら高いパフォーマンスを引き出せる体制が整ってきてきます〉とする。

Flame 2016はLinuxシステムで運用。ライセンスサーバーで構築し、Macおよびサブマシンと10Gbでネットワーク接続している。メインマシンはHP Z800 Xeon X5690（3.46GHz）×2にEIZO CG277/NVIDIA Quadro K4200/NVIDIA Geforce 980/AJA-Kona 3G/DeckLink SDI 4Kを装備し、Flame専用のディスク容量は14.5TBを有する（ディスク容量は随時変更）。デュアルブートでWindowsに変更も可能で、Avid MediaComposer/Abobe Premiere/DaVinci Resolve/Fusion 8 Studio/Cinema 4D R17等と切り替えて使用することもできる。サブマシンはHP Z800 Xeon X5570（2.93GHz）×2でGPUを使用、Burnによるバックグラウンドレンダリングも可能となっている。また、ATEM Production Studio 4K/HyperDeck Studioのほか、クライアントモニターには4K対応のPanasonic VIERA CX800も導入している。

編集卓方向から見た編集室全景（左）とクライアントスペース方向から見た室内。南北方向から外光が入る

「Labs Dots Studios」は中目黒駅から徒歩5分のワンルームマンションの一室にオープン。編集室の両サイドはガラス張りで外光の入る明るいスタジオとなっており、編集卓前方にクライアントスペースを設けている。

「LabsDots Studio」の室内＝1室構成のプライベートな空間ながら、立ち会いも可能なスペースも設けている

LabsDots＝点が繋がり線になり、やがて大きな波に

石河氏は自らFlame/SmokeやDaVinci Resolveのユーザーグループを創設し、Motion Worksとして情報発信を展開。現在、「Autodesk Flame Smoke User Group JAPAN」は232人、「DaVinci Resolve User Group JAPAN」は788人のクリエイターが参集し、合成、VFX、撮影技術、システム構築といったアドバイス・サポートを行っている。

LabsDots Studioとは〈ドットの研究室といった意味合いです。点は繋がり（多くの方々が参集し）線になり、やがて大きな波になるという願いを込めています。今後はアーティスト／クリエイターのサポートというカタチで、同様のスタイルの編集室構築を支援していきたいと考えています〉（石河氏）。

編集室はオンラインで仮予約できるほか、クレジット決済も採用。手軽にFlameを試すことができる「Flameセルフトレーニングプラン」も用意した。

石河氏は〈期間ライセンスのサブスクリプションにより、小さなプロダクションや個人でもFlameを導入する機会ができました。それによりクリエイティブや技術といった"人"が、ますます差別化のポイントになってきました。Labs Dots Studioを多くのアーティストに開放していくことで、新しいポストプロダクションのカタチが創成されていけばと考えています〉としている。

LabsDots Studio
東京都目黒区上目黒2-7-4 コートモデリア中目黒403
TEL03-3714-2871
https://labsdots.com