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ストリートファイターIV 
「3D で動く、最高級の絵」を実現した株式会社カプコンの挑戦

株式会社カプコン ストリートファイターIV 「3D で動く、最高級の絵」を実現した株式会社カプコンの挑戦
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【3ds Max インタビュー】こだわりぬいた背景グラフィック

「ストリートファイター IV」は、ともするとキャラクタ同士のダイナミックな戦いに目を奪われがちかもしれない。しかし、キャラクタ達のバトルを引き立てる重要な要素がステージグラフィックである。細部までこだわりぬかれた臨場感あふれるステージグラフィックにはデザイナの苦悩と理想が詰め込まれている。本作では 2D ドット画時代のリバイバル感の見事な再現と新演出があいまってバトルシーンを大いに盛り上げている。

今回のプロジェクトに携わったデザイナ自身も、社会現象ともいえる大ブームを巻き起こした「ストリートファイター」を当時夢中でプレイした経験があったという。このため、自らを含む従来からのユーザ、そして新たな世代のユーザにも当時の 2D ドット画の懐かしさを感じてもらいながらも、大きく進化した唯一無二なフル 3D のグラフィックを体感してもらうことが目標であったと開発現場のデザイナ主任である金内氏は語ります。

登場するバトルステージは、キャラクタ達の出生地であるアジア、北米、ヨーロッパなど全世界にまたがった舞台である。例えば、桟橋のバトルステージは、ブラジルを連想させるジャングルが舞台だ。どことなく「ストリートファイター II」の「ブランカ」ステージを思いだす原点回帰の要素も感じられる。しかし、ステージのリバイバル感をプレイヤーへ提供するだけでなく、グラフィックは確実な進化を遂げている。背景には多種多様の動植物やトーテムポールなどオブジェが圧倒的なディテールでレイアウトされている。そして、プレイ中のキャラクタが地面に強い衝撃を加える事で、桟橋の上にいるサルが河に転落するという演出までもプログラムされているのだ。

中国の繁華街を連想させる路上ステージは、ストリートファイターの女性キャラクタである「春麗」のステージが 3D でリバイバルされている。食卓を囲んで食事をする背景キャラクタや、自転車に乗った通行人がバトル中に通り過ぎる等、自然な動作が細部まで配慮され再現されている。ちなみにこのステージでもバトル中に強い衝撃を与えると自転車に乗っている人が横転するなどの楽しい要素がふんだんに取り入れられている。

リアルタイムビューイングの優位性

「ストリートファイター IV」プロジェクトの背景制作パイプラインでは、3ds Max がメインツールとして採用されている。ツール選定のために担当デザイナとプログラマによる様々な検証が行われた。Rendermap作成時のラジオシティのクオリティ、大量マテリアル管理の容易さ、出力データに対するカスタマイズ環境などが 3ds Max を選択する際の決め手であったそうだ。

なかでも、FX ファイルを使用した描画の安定性と速度、つまりリアルタイムビューイング環境の優位性が背景制作の採用を決定付ける大きなポイントとなったそうだ。3ds Max のユーザインターフェイス上で、実機への出力を行わずに約 6 割の再現性で最終出力結果の確認をダイレクトに行えたそうだ。特にテクスチャマップやシェーダ関連は、3ds Max のリアルタイム描画で正確に状態を把握できたため編集も素早く行えた。表示確認のためにデータを出力する時間を大幅に短縮出来たことは作業効率の飛躍的な向上につながったのである。

カスタムツールの利便性

背景制作パイプラインのさらなる作業効率化のために様々なカスタムツールの作成も行われている。カスタムツールには、Softimage と 3ds Max のデータ連携をスムーズに行うためのコンバータはもちろんのこと、作業支援のための自社開発プラグインやスクリプトが多数存在する。

なかでもデザイナの理想のワークフローを実現した例として「Material Map Navigator」というカスタムツールがあげられる。これは、シーンマテリアルをエクスプローラ形式で管理するカスタムツールである。肥大化するマテリアルにセットされたマップを一元管理する事ができることが特長だ。エディタ内ではマップの差し替えや一括コピー、更にマテリアルからのモデル選択、モデルからのマテリアル選択などが素早くかつ容易に行えるため大量のマテリアルを扱う必要があった今回のプロジェクトで大いに活用をした。ほかにも、ビューポートをキャプチャして Cube マップを自動生成してくれるカスタムツールなども用意された。

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「ストリートファイターIV」では、 バトルのさらなる躍動感を演出する 特殊効果の素材作りに 「FumeFX」のサードパーティー製 プラグインも使用された。

ゲーム制作ではデザイナ自身の努力や工夫は当然重要であるが、デザイナが快適に作業できる環境を常に整備してくれるツールプログラマの役割も重要であると金内氏は語ります。

*上記価格は年間契約の場合の1ヶ月あたりのオートデスク希望小売価格(税込)です。

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