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株式会社スクウェア・エニックス 
Final Fantasy XIII 
リアルタイムカットシーンのワークフロー

株式会社スクウェア・エニックス Final Fantasy XIII リアルタイムカットシーンのワークフロー
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発表から 4 年、シリーズ待望の 「Final Fantasy XIII」 (以下、「FF XIII 」)が、2009 年 12 月ついに発売となった。天空の理想郷コクーンと未開の地パルスを舞台に女性主人公・ライトニングたちを待ち受ける死よりも過酷な運命とは?

瞬時に戦況を切り替えながら戦うアクティブタイムバトル方式のゲームシステムによって緊張感あるバトルが繰り広げられる。国内向け PS3 用ソフトでは初のミリオンヒットを出荷ベースで記録するなど大きな話題を巻き起こしている。

「Final Fantasy」 といえばシリーズを通して最高峰のグラフィック表現が注目の的である。今回の「FF XIII 」ではハイビジョン環境で描かれる緻密な映像美に高い評価が集まっている。そこで、「FF XIII 」のリアルタイムカットシーンが、どのようにして制作されたのかを株式会社スクウェア・エニックス開発スタッフの皆様にお聞きした。

カットシーン制作で掲げられた 2 つの方針

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「FF XIII 」制作は、14 セクションの完全分業で進行。本記事では青文字の項目をカバー
カットシーン制作フローチャート
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カットシーン制作フローチャート

「FF XIII」で、リアルタイムで処理されているイベント映像は、以下の 4 種類に分類される。

A タイプ : モーションキャプチャ収録したデータをもとにカットシーン班がレイアウトを行うイベント
B タイプ : モーションキャプチャ収録したデータをもとに企画班がレイアウトを行うイベント
C タイプ : 専用の手付けモーションデータを使用してモーション班がレイアウトを行うイベント
D タイプ : 汎用モーションデータを使用してフィールド企画班が組上げるイベント

この中でAタイプが『カットシーン』と呼ばれる。今回はこのカットシーンのワークフローに焦点をあてたメイキング記事となっている。リアルタイムカットシーンの映像は、実に 5 時間 44 分にも及ぶボリュームであるという。これに B、C、D タイプのイベントシーン、ビジュアル・ワークスチームが担当したプリレンダリングムービーを合わせると実に合計 9 時間の映像が 「FF XIII 」 では楽しめる。

カットシーンの製作期間であるが、実に 1 年と少しであったという。映画3本分に相当する分量の映像を限られた時間で仕上げること、そして、「Final Fantasy」で求められるクオリティを実現させることの両立はとても挑戦的であったとカットシーン・モーションディレクタの田中氏は語ってくださった。

そこで、限られた製作期間で最大限の結果を引き出すために、ワーフクローの大前提として 2 つの方針が掲げられた。

一つ目が、開発フェイズが進んだ後に、やっぱり...根本的に直そうという「フローの後戻りをしない」こと。そして、二つ目は、他セクションの作業が完全に完了するまで作業が進められない状況を改善する。つまり、「多セクションの並行作業」を実現することであった。

カットシーンモーション内ワークフロー
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平行作業を成功させた秘訣とは?
カットシーン制作フローチャート
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カットシーンの一場面

カットシーン・モーションセクションは、大きく 4 つのグループに分類される。


モーションキャプチャ班
* モーションキャプチャ撮影準備と撮影
* 撮影後のデータの ViconIQ でのポスト処理
* キャラクタライズ

ボディモーション班
* ボディモーションの調整
* キャプチャが不可能なアクションのアニメーション
* モンスターの手付けモーションの作成

フェイシャル班
* キャラクターの表情付け
* リップシンク

シミュレーション班
* キャラクターの髪の毛
* マント、コートなど付属物の動きを作成


カットシーンのアニメーション作業をさらに分業することで、効率性とクオリティの両面をカバーできる体制になっていることが分かる。

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