BAYONETTA - ベヨネッタ
SEGA ×プラチナゲームズが贈る渾身の大作アクションゲーム
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キャラクター性重視のフェイシャル表現とクライマックス感を演出する背景
続いて、高島氏にベヨネッタのフェイシャル表現についてお聞きした。『BAYONETTA』に登場するのは個性際立つキャラクターばかりである。なかでも主人公のベヨネッタには、"女性らしい上品な色気"が求められたという。そこで、キャラクター性を重視したフェイシャル表現を優先させるためにフェイシャルキャプチャやリップシンクは採用せずには音声収録時の動画を参考に全て手付けにこだわって制作する方針が固められた。
まず、52 本のボーンでフェイシャル制御を行うベースリグが組まれた。そして、多用する「あいうえお」の表情は、Animation Mixer のクリップとして表情を登録してウェイトのブレンド値がカスタムプロパティに登録されている。唇が真ん中からプクッと開く際の粘着感や発生時の滑らかな唇の動きを表現するための多数の仕組みがリンクパラメータを用いて構築された。
しかし、これらの 52 本のボーンを直接アニメーションさせたり、大量のカスタムパラメータを調整させたりするのでは直感的な作業が困難である。そこで、高島氏は Null オブジェクトの集合体を顔の形に見立てたフェイシャルコントローラを作成したのである。これにより、操作性と効率化を実現したフェイシャルアニメーション作業が実現出来たため、アクションゲームとしてメリハリのきいた気持ちよい表情を作り上げていくことに成功できたという。
背景モデリングを担当の鷲阪氏によると『BAYONETTA』の世界観を生み出すうえの参考とするためにイタリアでの取材が行われたという。イタリア北部、シエナ、フィレンツェなどでヨーロッパの町並みを中心にテクスチャ素材収集・動画撮影を行ったそうだ。素材を集めるだけでなく、やはり現地の空気感を肌で感じとれたことは後の制作に大いに参考になったという。
各背景シーンデータは、目安として約 50 万ポリゴン程度で構成されている。ゲーム中には破壊の表現も必要であったため、背景としてのデータと壊れる部分を分けて管理が行われた。レイヤで必要な要素を切り分けた状態で Softimage の OpenGL 表示で作業は進められた。実機に近い結果を確認できたため作業ははかどったという
また、背景制作では、一つのシーンデータのなかでレンダマップ焼付け用のパスと表示確認のパスを管理できる Softimage のレンダパス機能が重宝したという。レンダパスのおかけで、マップ生成とプレビュー調整の環境を切り替えて作業を進められ、クオリティの向上を効率よく図ることが可能であったのである。
神谷ディレクターが求めたクライマックス感を演出する大きなポイントとして『BAYONETTA』では、ゲームプレイ中に背景や地形が動的に変化する要素が多く盛り込まれている。落下し続ける時計塔の上での戦いや起伏変形が発生する地形で繰り広げられる激しい戦闘シーンは手に汗握る緊張感をもたらす。
*上記価格は年間契約の場合の1ヶ月あたりのオートデスク希望小売価格(税込)です。