チュートリアル / CG:コラムグーニーズ
第2回:SHOW BY ROCK!! THE ORIGIN -息吹-
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前回は「SHOW BY ROCK!!」の製作開始にあたっての、アニメーションSV得丸とリギングSV小森の熱い語りとなりましたが、今回からはもう少し掘り下げて、技術の具体的な部分の紹介もさせていただこうと思います。
既に視聴済みの方も、今までの回を見逃してしまった方も、続々WEB配信が始まっていますので、コラムと合わせてぜひTVアニメ「SHOW BY ROCK!!」をお楽しみください!
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GYAO! 4/21 12:00~
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「SHOW BY ROCK!!」のアニメーションにあたっては、第1回のコラムグーニーズで少し触れたように、等身が低く頭が大きい故に起こってしまうアングルやポージング、特有のアニメーションの難易度の高さ等、様々な課題に直面することになりますが、そのお話はまた別の回にさせていただくことにして、今回は、フェイシャルに焦点を当てて紹介していきます。
~絵コンテを見たときの衝撃を届けたい!口や眉がないキャラクターに豊かな感情表現を実現する~
小森リギングSV(以下、小森)
最初、コンセプトとしては、フィギュア感でやっていこうという話だったので、顔については、4~5パターンの表情を切り替えるという方向で準備が進んでいました。
得丸アニメーションSV(以下、得丸)
でも、やっぱりシナリオやコンテを観れば観るほど、感情表現がすごく多くて、監督の池添さんの絵コンテから感じる表情のパワーが半端じゃなかったんです。
小森 コンテみたときの衝撃がでかかったですよね!あのパワーを感じて、フィギュア路線では表現しきれないということを認識せざるをえなかったんです。
得丸 僕もあれを見るまではコンセプトの通り行けばいいのかなぁと思っていたんだけど…この思いを届けるためには「やるしかないな。」と思いました。この作品は「顔が命」、顔の中のすごく細かい表現をしていかないと画面が持たないので、小森さんにはいろいろがんばってもらうことになったんです。このキャラクター達には口や眉毛がないので、目の周りの筋肉表現ができるようにしてもらったり、鼻とか顎とかほっぺたのあたりとか細かい感じで豊かな感情表現を可能にしてもらいました。
小森 さて、ここからはもう少し技術的な話を紹介していこうと思います。 先の話の通り、元々はフェイシャルターゲットを何点か作って、それで終わりにするつもりでいました。 そこから動かしていくウチに得丸さんから追加の要望があって何点かフェイシャルターゲットを追加し、最終的には1キャラ12パターン(左右6パターン×2)程度に収まりました。
今作では主に演技できるパーツが目だけで、その他のパーツのターゲットを作る必要がなかったので、結果的にはかなり少なめになっています。
このベースとなるフェイシャルから、さらにオフセット用にジョイントを使用して表情に変化を付けられるようにする事により、線形ではないアニメーションを付けられるようにしています。
↑左側がフェイシャルターゲットによる表情、右側がそこからジョイントベースのコントローラによって表情に変化を加えたもの。
また、顎にもコントローラが付いていて、こちらも表情の変化にさらにバリエーションを付けられるようになっています。このコントローラははじめは口パクを擬似的に行う目的でつけていたのですが、実際にしゃべりに合わせて顎を動かすと着ぐるみを着た人みたいに見えてしまったので、最終的には表情の味付けに使われる事となりました。
↑顎を動かすことで、大きくシルエットを変えることができ、表情のニュアンスに幅をもたせることを実現した。
小森 上記の機構は、実は以前の別のプロジェクトから引き継いだものなのですが、今回「SHOW BY ROCK!!」をするにあたって新たに追加したのが、通称「ラティスコントローラ」と呼ばれるものです。このコントローラは顔全体を変形させるために搭載しました。
得丸 ラティスを顔全体に入れてもらって、スクワッシュ&ストレッチとかをかけられるようにしてもらったのは大きかったです。ディズニーとかがよくやるような手法を今回も利用したくて、たとえば目をつぶったとき、人間って頭の大きさは絶対変わらないですけど、アニメの場合は「ギュ」って頭をつぶしてあげることで感情が出るんです。逆に驚いたときは、少し伸ばしてあげると目も一緒に伸びてくれるので、本当に「うわ」ってなってくれるんです。本当に入れてもらってよかったなぁというか。。。
小森 結局全キャラ入れちゃいましたからね。やっぱり入ってるか入ってないかで大分違いが出ちゃいますよね。
得丸 結果、全カットで使っていると言ってもいいくらい。驚いたとき、頷いた瞬間、まばたき…クイックな動きをするときに、「少し伸びて戻す」とか、髪の毛を動かさなくても「ほんの少し、顔全体がくっと動く」だけで立体感が出る。そういうひとつひとつが表現の豊かさにつながっています。ただ、あくまでも動きの中で味付けとして使うもので、これをとめで使っちゃうとキャラのイメージが変わってしまうので絶対にやっちゃいけないです。
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今回のコラムでは、「SHOW BY ROCK!!」の豊かな感情表現を、シンガンクリムゾンズの熱きギター&ボーカル・クロウを例にご紹介しました。次回は、本作品の制作になくてはならない ツールの数々をご紹介いたします!
©2012,2015 SANRIO CO.,LTD. SHOWBYROCK!!製作委員会
TVアニメ「SHOW BY ROCK!!」
アニメ公式サイト :http://showbyrock-anime.com/
アニメ公式Twitter:https://twitter.com/SB69A
CG制作: