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チュートリアル / CharacterArpeggio~3ds Max 2017 キャラクター作成術~
第1回:キャラクターモデリング ~まずは顔のモデルから~

2016.05.20

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※今回の使用ツール:3ds Max 2017(2016), Vray3.2, HairFarm2

ごあいさつ

みなさんこんにちは。今月より全6回に分けて、3ds Max 2017を使ったキャラクター作成のコラムを書かせて頂くことになりました、ジェットスタジオの雑用ディレクター赤崎と申します。

モデリングに始まりリグを組んでアニメーションを付けるまで、キャラクター制作の一連の工程を紹介していこうと思います。既に完成しているものを後紹介するのではなく実際に作りながら執筆していきますので、多少まとまりのない部分が出てくるかもしれませんが、、、適度に生っぽさが出たらいいなぁと祈りながら進めてまいります。

3ds Max はプラグインでも何でも詰め込んで手っ取り早くいいかんじのものを作るのが得意なツールとして有名(?)です。

このコラムでは基本は3ds Max での制作となりますが、所々でZBrushやHairFarm、V-Ray等のプラグインも使用していく予定です。初心者~中級者向けな内容になる気がします。

キャラクターデザイン

まずは、これから作っていくキャラクターのデザインです。

今回のデザインはアニメルックでも写実でもない3Dならではの表現を狙ったキャラクターになります。
顔やリグはデフォルメ色を強めに作成し、質感や立体感は3Dを活かし少しリアルめに作成していきます。 本来現実にはあり得ないようなデフォルメキャラクターでも実際にそこにいるような存在感が出るといいですね。

3Dイメージを確認する

最初はデザイン画だけの3D情報が全く無い状態ですので、とにかく全体を3Dに起こしてしまいます。 簡単なモデルから始め、 頭身バランスやシルエット、そもそものデザインまで、3D上のあらゆる角度から確認し調整していきます。

今回はいちから作っていきますが、すでに何らかのキャラクターモデルデータを持っているならそのモデルを変形するところから始めてもいいでしょう。毎度毎度ボックスの細分化から作っていたら序盤に時間がかかって仕方ありません。出来るだけ早めに序盤の3Dイメージを固めることはスピードアップに繋がります。

後に細かい作りこみに移る際、顔や手足はこのベースモデルを使って細分化していきますが、スカルプトやシミュレーションによって作成する(かもしれない)服や、プラグインを使用する髪については現状のモデルはアタリとしてのみ使いますので、トポロジはかなり適当です。ある程度今後の作成方法を想定した上でメッシュを構成していきましょう。

長めの動画ですが全て見る必要はありません。ポイントになる部分は時間を記載していますので、飛ばしながら確認してみてください。

さて、やっていることは「プリミティブ作成 ⇒ 分割 ⇒ 変形」の繰り返しになります。
僕はモデリングのベースプリミティブには立方体か円柱を使うことがほとんどです。これらはトポロジに癖がなく四角形による無駄のない綺麗な構成をしていくのに特に有用です。

3ds Max でのモデリングは「編集可能ポリゴン」で行います。「編集可能メッシュ」という紛らわしいものもありますが、これは安定性と引き換えに編集機能が乏しいのでモデリングでは使いません。

ポリゴン編集の各種機能は全てコマンドパネルかグラファイトモデリングツールにあります。それぞれ機能の重複はありますが、ブラシ系の充実しているグラファイトモデリングツールのほうをベースに使うと良いでしょう。

細分化には「スウィフトループ」[動画 00:05:40~] や「カット」[動画 00:07:15~] 「押し出し」[動画 00:11:00~] を活用し 、形状調整には「シフト」ブラシをメインに行っていきます。[動画 00:04:48~]
いくつかあるブラシ系の中でも特にシフトブラシは扱いやすく、この手のモデリングにおいては移動ツールに取って代わるほど強力と言えます。

頭部のモデリング

頭部のモデリング

キャラクターのキモである顔から作り込んでいきます。
ポリゴン数も制作時間も多くを費やすとても重要な部分です。後にフェイシャルリグを仕込み様々な表情による変形をする部分でもありますので、トポロジも特に気を使う箇所です。とはいえ、ごく普通の人の顔の形であればある程度テンプレは決まっています。「face topology」で画像検索すると大量に出てくるあの感じです。

変形の多い目や口の周りを中心にエッジループになるように分割し、フェイシャル変形の際何かと厄介な「大」の字のエッジが必要以上に作られないよう意識します。今回のキャラでは下の画像のようなトポロジを想定しました。よく見るやつですね。

頭部のモデリング

こちらもやっていることは単純です。
上の画像で記したようなエッジループと大の字を意識しつつ十分な造形ができるくらいまで細分化し、ここでもシフトブラシを中心に形状を調整 、ある程度整ってきたところで「スマッジ」や“Alt”を押しながらの「リラックス/ソフト」でトポロジに無理がないよう滑らかに均一化していきます。[動画 00:34:50~]

Alt+リラックス/ソフトは起伏を維持したまま表面をスライドさせるようにトポロジが最適化されるので、頬などの頂点レベルで調整するのが大変な広い部分には特に効果を発揮します。

さて、ある程度モデルが形になってきたところで目の周りのメッシュを調整します。
後に目を閉じた際、テクスチャの伸び 、分割数の不足や上下まぶたの噛み合わせに必ず問題が出てくるので今のうちにきれいにしておきましょう。今回のキャラクターはボーンでまぶたを制御する予定ですので実際のリグを想定し調整を行います。

今回想定しているリグは以下の画像のようなものになります。この構造にするには上下のスキンウェイトを一致させなければいけないとか、そうすると今度はデフォルトの開いた目の形状が変ってきてしまうとか、開/閉どちらをデフォにするのか、見た目を優先するのかリグの柔軟性を優先するのかどっちも取ってさらに追加制御をするのか・・・等、考えることが増えてくるのですが、現状は開/閉の2つの状態のみに重点を置いた調整だけしておきます。細かいことはリグ回にまわしましょう。

今回想定しているリグ

そしてその調整作業の動画がこちら

 ①上下が噛み合うよう分割数を合わせておき、分かりやすいように色分け。
 ②球体と平面を使って回転軸を決定。[動画 00:01:39~]
 ③スキンモディファイヤを入れて目を閉じる。無駄なく一軸回転+ウェイトのみで。[動画 00:04:30~]
 ④開いた状態と閉じた状態、双方を確認しながらポリゴン編集モディファイヤで調整。[動画 00:16:57~]

同様に、腕や脚も作成してしまいます。

目ヂカラが大事!

ある程度頭部のモデリングが出来たところで眼球のモデルはしっかり作ってしまいます。顔はキャラクターの中でも重要な要素ですが、その中でも目は重要度9割以上を占めていると言っても過言ではないと思います。メイクだけで別人のようになってしまう動画は皆さんもよく目にすると思いますが、瞳の大きさ一つとっても受ける印象が大きく変わるものです。後になって眼球を入れたとたん想定外の別人が出来上がって焦らないよう、今のうちに目的の印象に近づけておきましょう。

眼球モデルは二重構造で作っています。マテリアルは特になんの工夫も無いV-Rayマテリアルです。テクスチャはPhotoshopとAfterEffectsの標準エフェクトを使って作成してみました。

頭部のモデリング

同時にまつ毛もざっくり作ってしまいましょう。プラグイン「HairFarm」を使用して形状を作りポリゴンに変換します。あえてポリゴン化している理由は、プラグインそのままよりもリグ制御がしやすいのと、ライティング・レンダリングに特別なことを考えなくても良いためです。(結局髪の毛はプラグイン全開になるんですけどね・・・)

顔のメッシュからまつ毛部分を分離しHairMeshEditモディファイヤで形状を作ります。髪の毛ほど複雑ではないのでスタイリング用モディファイヤはHairStyeKinkで少しランダム感を出すくらいです。ここまでは通常の使い方ですが、最後にHairToPolyモディファイヤを入れてポリゴン化し、全て集約してしまえば編集可能ポリゴンになります。(※ここでは形状が作りやすいのでHairFarmを使用していますが、標準搭載の「ヘアーとファー」モディファイヤでも同じような手順で作成することが出来ます。)

こんなかんじになりました!僕のキャラは何故かいつも釣り目気味です。

頭部のモデリング

※執筆時は「V-Ray for 3ds Max 2017」がリリース前でしたので眼球マテリアルやレンダリング作業は2016で行っています。

半分以上のモデリング作業を残して第一回は以上となります。既にペース配分を間違えたか?と変な汗をかき始めているのはさておき、いかがでしたでしょうか。

今回のモデリングでは単純に形状を作ることだけでなくその後のリグを考慮したメッシュワークにも触れてきました。個人制作はともかく会社等の組織には様々な仕様やワークフローがあります。作業順序も考慮すべき点も様々かと思いますが、他の工程のことを少しだけでも頭の隅に置きながら制作することで結果的に全体がスムーズに進められると考えています。

次回は髪や服を作ります。プラグイン祭りになりそうです。

ではまた!

まとめ

・簡単なベースモデルを作成し、 早めに3Dイメージを確認。
・スウィフトループやカット、押し出しで分割 ⇒ シフトブラシで変形。
・顔のトポロジはフェイシャルリグを想定して調整。
・最初のマテリアル&テクスチャ作業は目!