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第26回:カラーマネジメント機能 3ds Max と Maya の違い

2011.08.01

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こんにちは、パーチ長尾です。

今回はがらっと内容を変えて、「カラーマネジメント」についてお話しします。「ガンマ設定」という言葉のほうがなじみがある方もいるかもしれませんね。
以前にもこのコラムで、カラーマネジメントのメリットと概念について書かせていただきました。そして CG WORLD.jp(http://cgworld.jp/regular/cg-cms/)というサイトでは、カラーマネジメントの具体的な導入手順について連載をしています。

このコラムでは、広告業界のノウハウや3DCG活用の現状をお伝えするのが1つのテーマなので、広告業界では15年ほど前から導入が始まったカラーマネジメントについてお伝えしています。

Maya は2011から、3ds Max はもう少し前からカラーマネジメント機能が搭載されていますが、それぞれ違った管理方法を採用しています。そこにどんな違いがあるのか知りたい、両方を使用しているので同じになるように管理したい、といったニーズもあるかと思います。
そこで今回は、管理方法の違い、管理上の注意点などについてお話ししたいと思います。カラマネは、初めはわかりづらく感じられるものですが、導入してしまうと空気のように意識せずに作業効率を上げられる魔法のようなものです。ここではなるべくわかりやすく、ポイントを絞って解説するので楽しみながら読んでみてください。


3ds Maxはガンマ、Mayaはカラープロファイル

2つのソフトはそれぞれ違った管理方法を採用していますが、どちらも目的は同じで、色をきちんと管理して制作効率を上げることです。そして、きちんと管理することで同じ品質で色を管理することができます。

ところで、色を管理するためにはガンマのほかに、「色温度」「再現できる色の範囲(RGB各色の三刺激値)」が必要になります(三刺激値とは、色を3次元空間で再現したときの座標と考えてください)。これら3つが記述されているのがカラープロファイルです。その中身を見てみましょう。


図1「カラープロファイルに記述されている要素」
どのプロファイルにも色再現に不可欠な3つの要素が記述されている。これは代表的なカラープロファイルの1つ AdobeRGB の記述。



図2「3つの要素が色に与える影響」
濃度、色の範囲、色温度、の3つが決まると色は正確に表現することができる。1つでも欠けると狂ってしまう。


「ガンマ」は、中間色の濃度を管理するもので、画像全体の明るさが極端に変化します。
「再現できる色の範囲」は、RGBそれぞれの発色を表していて、色の彩度に影響します。AdobeRGBは色の再現性が広いとか、大きいとか聞いたことがあるかもしれません。AdobeRGBはsRGB等に比べRGB三刺激値の値が大きいので、より多くの色や彩度の激しい色を再現するからです。
「色温度」は、全体の色味に影響し、特に《白の青さー黄色さ》が変わります。色温度が高くなるほど青白くなります。AdobeRGB, sRGB, Rec709 などの主要なカラープロファイルは6500ケルビンを採用していて、私たちが普通に「白」と感じる程度の色温度です(ケルビンは色温度を示すのに利用される単位)。

このように3つの要素はそれぞれ違う特性を管理していて、3つ集まることで特定の発色を再現することができるんですね。

「じゃあ 3ds Max のガンマ管理だけではだめじゃないか」という声が聞こえてきそうですが、その通りです!
「じゃあ、Maya の方が優れているじゃないか」という声も聞こえてきそうですが、こちらは違います。3ds Max はガンマのほかの2つの要素をモニタで管理してあげることで同じ管理品質を実現できます。
それと、Maya もどうやらカラープロファイルの中のガンマしか管理してないような挙動を示すので、モニタによる管理は不可欠になります。


3ds Max で色管理

3ds Max のガンマ設定を行うことで、入出力画像が正しいものになります。これを行わないと間違った色で作業して、間違った色でアウトプットを出すことになります。
入力はテクスチャ等に利用するビットマップ画像を適切に変換してくれます。出力はレンダリング画像を適切に変換してくれます。


図3「3ds Maxの《ガンマ設定》画面」
【レンダリング/ガンマ設定】を開いて、4つの箇所を設定してください。


では、他の2つの要素、「色温度」「再現できる色の範囲(RGB各色の三刺激値)」をモニタで管理する仕組みですが、まずは仕事の流れ(パイプライン/ワークフロー)にあったプロファイルにモニタを調整します。これで、終わり。実はこれだけで2つの要素を管 理したことになるんです、簡単でしょ。

仕組みとしては、3ds Maxはガンマ以外をコントロールしていません。つまり、RGB データは何の加工もされていない「生」の状態です。
そこで、たとえばモニタを AdobeRGB に設定すると、3ds Maxから出力されたデータ (作業画面、レンダリングウィンドウ)は、AdobeRGB で表示されることになります。 では、モニタをほかのカラープロファイルに設定するとどうなるかというと、sRGB なら sRGB に、Rec709 なら Rec709 になります。


図4「モニタ設定の影響」
3ds Max にはカラープロファイルを活用した色のシミュレーション機能はないので、モニタの設定で色管理やシミュレーションを行う。


わかりやすくこう覚えましょう!
「3ds Max は、ガンマ設定をしてあれば、モニタに設定しているカラープロファイルできちんと表示される、色管理できる」

少しモニタの調整方法についても触れておきましょう。

モニタは使っているうちに色が変わります、これを経年劣化と呼びます。具体的には、RGBの出力がばらばらに低下するので、カラーバランスが変わるのと、輝度が低下します。
それと、sRGB対応モニタとか、AdobeRGB対応モニタとか、ありますね。これは製造時の目標を表しています。ただし厳密にあっているわけではないのと、カラーマネジメント モニタといった製品でない限り、発色特性がゆがんでいます。
この2つの現象を調整しないといけませんね。
そこで、測色機と呼ばれるセンサを使って、定期的にモニタの測定を行います。測色機を購入すれば簡単にモニタを調整できるので、是非やってみてください。最近は測色機を内蔵した便利な製品も出ているので新規で購入する際にはお勧めです、精度も高く、管理の手間も激減します。

モニタ調整に関して1点だけ注意があります。それは、「元々のモニタ特性が悪い場合は補正しきれない」ということです。ですので、なるべくカラーマネジメントモニタと呼ばれる高精度なモニタを使うようにしてください。
特に、3ds MaxやMayaのようにガンマ以外の2つの特性を管理できないソフトには、モ ニタの精度が大きな影響を与えるからです。

〈 次ページへ続く 〉Maya で色管理

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