自動車広告のプロ集団「eg+WW」が取り組む次世代のタスク管理

自動車広告のプロ集団「eg+WW」が取り組む次世代のタスク管理
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自動車広告を中心に革新的なクリエイティブとコンテンツソリューションを提供する「eg+WW」はOmnicom Group E-グラフィックス コミュニケーションズ のプロダクションを担うブランドだ。ワールドワイドに多数の拠点を展開、国内では東京・虎ノ門と横浜にオフィスを構えている。現在では広告代理店としての役割を担っているが、CG黎明期となる20年以上前からいち早く自動車広告へCGを導入した先駆的プロダクションでもある。

そんなeg+WWは現在、新たな事業展開や昨今のリモート化の潮流を踏まえ、マネージメント面の増強を進めている。タスク管理の改善をゴールとしたプロジェクト管理ツール「ShotGrid(旧Shotgun)」の導入プロセスについて話を伺った。


--eg+WWの新たな取り組みについてお話を伺わせて頂きます。まずは、自己紹介をお願いします。

今野:シニアテクニカルスーパーバイザーの今野です。私は新卒でこの会社に入社し、デジタルアーティストからキャリアをスタートしました。

アーティストの経歴を重ねていくうちに、制作方法の不効率さが気になるようになってきました。
そこからアーティストだけでなく、CGのテクニカル分野の研究、ハードウェア等のシステム業務も兼任し、2015年のチームの人員増加と前後してテクニカル専任になり、アーティストがクリエイティブな作業に専念できるよう、新技術の研究、ハードウェア・ソフトウェアの管理、制作の効率化を実現するツール開発などを担当しています。

石川:シニアデジタルアーティストの石川です。ウェブサイト用のコンフィギュレーターの制作及びその進捗、品質管理を主に担当しています。学生時代はアメリカに住んでおり、現地の美術大学でCGアニメーションを専門に学びました。その後、ニューヨークのCGスタジオ勤務を経て、結婚・出産を期に日本へ帰国しました。帰国後には主に遊技機系の会社でディレクション業務等を務めた後にeg+WWへ転職しました。

コンフィギュレーター制作に携わってから6年ほどになります。当初はヨーロッパの拠点と連携して制作していましたが、徐々にグローバルへと規模が拡大し、ピーク時にはチーム人数が20人を超える事もあります。誰が何をやっているのかあまりにも把握が大変だったため、それを解決する方法が急務だと感じていました。

星宮:リードデジタルアーティストの星宮です。私は高校時代から海外へ出ていてイギリスの美術大学でファインアートを学んでいました。空間を使用したアート、インスタレーションへの興味が増していったのですが、場所の確保やそのための資金の問題に直面してしまいました。そんなときに、教授から「そこのPCに3DCGのツールが入っているからやってみない?」という一言がきっかけで 3ds Max を学びはじめました。

その後、イギリスのデザイン事務所に入社し、 イギリスで12年ほど勤めました。主に高級マンションのパンフレット等を総合プロデュースしている事務所で、Mac版のMayaを使用して建築パースの制作を行っていました。そして、イギリスがEUから離脱する・しないといった社会情勢の影響で、業績の傾きもあり帰国したのが4年ほど前です。オフィス専門の設計事務所に一度就職しましたが、もっとクリエイティブにじっくり取り組める仕事がしたいなと考えるようになり、eg+WWに転職しました。

異業種への転職でしたが、クリエイティブな仕事なのに「残業代が全部出る」というのが非常に新鮮でした。(笑) コンフィギュレーターの事業がグローバルになり規模が大きくなる中で人員が必要になり、石川のチームに合流して今に至ります。

eg+WWについて

今野:eg+ world wideは、広告代理店でありつつ制作部門も構えています。自動車だけでなく工業製品・医療メーカーもクライアントで、カタログからウェブ、さらに国内から海外も含めた広告制作を行なっています。

eg+ world wideの制作事例
eg+ world wideの制作事例
eg+ world wideの制作事例
eg+ world wideの制作事例

D-PT/CGクリエイティブ部(以下CG部)が弊社のCG制作全般を担当しています。人員は全体で40名ほどで、そのうちデジタルアーティストが30名、バリデーターという自動車の専門知識を持ったグレード作成やチェックを行うスタッフが10名となっています。

現在9割がリモート体制となっていて、社内には数人出社しているぐらいです。リモート用PCを貸与して自宅から社内のワークステーションに接続しているほか、場合によっては自宅にワークステーションを移設しているケースもあります。リモートへの本格移行は2020年5月の連休明け頃です。

当初はメンバーの顔が見えない中での業務を不安視する声もありましたが、次第に慣れていき、今では皆順応しています。生産効率も以前と変わりません。作業マシンのスペックも効率が上がるようハイエンドの製品(CPU:48coreXeonデュアルで、メモリ:128GB、GPU:Quadro RTX5000)を選択しており、1台150万ぐらいかけています。ハードの性能で仕事が遅くなるという言い訳はできないようにしています(笑)、それくらいアーティストが作業しやすい制作環境の整備を心掛けていますね。

CG制作のメインツールはMaya

CG制作のメインツールはMayaで、コンポジットにNuke、2D作業にPhotoshopを使用しています。また、最近ではメーカーの要望でリアルタイムコンテンツとしてのコンフィギュレーターも求められているため、Unity、Unreal Engineなどの検証も進めています。カタログなどのより高精度の描画を求められる業務ではUnreal Engine、ウェブコンフィグなどのインタラクティブなコンテンツにはUnityをと棲み分けています。

より多彩なコンテンツや表現に対応できるよう技術的なトレンドはできるだけ試してみて、有用なものは取り入れようというスタンスです。

今野 亮成 (こんの あきなり) 氏

自動車広告のCG制作の工程は大きく2工程に別れていて、前半工程のチームはメーカーからの提供データを受け取り、3DCGツールで扱いやすいように軽量化しモデリングや質感設定を行なって、後半工程のレンダリングチームへデータを渡します。

前半工程 3DCGツールで扱いやすいように軽量化しモデリングや質感設定を行う

後半は車両のグレード仕様・仕分けという工程から始まります。これは自動車広告独自の工程ではあるのですが、カタログのページ毎に、どのグレードが必要かというのを間違わないように、Maya内にてワンクリックで仕様を切り替えられるように設定を行います。

後半工程

それからカメラをつけて、ライティング・レンダリング・コンポジット。静止画の場合はPhotoshopを用いますが、ウェブコンフィグなど大量の画像を扱う場合はNukeを使用しています。

完成したイメージ
完成したイメージ

マネージメント面を強化する動き

今野:タスクや作業時間の管理に関してですが、改善の必要性は2013年ごろから感じていました。当時はGoogleスプレッドシートやExcelなどでの管理も浸透しておらず、言ってみれば各チームリーダーの「記憶」ベースで仕事を振ったり納期を指定したりしている状態でした。

そんな中で、2016年以降からグローバルに展開し制作の物量も増えたウェブコンフィギュレーターのチームが20人ほどになり、CGチームが数年の間に2~3倍の規模に一気に拡大しました。これだけ情報量が増えたらマネージャーも今の体制では管理できないという声が上がってきていました。

そこでJira、Trelloなどタスク管理に絞ったサービスも検証してみたのですが、結局は定着せず、簡易な検証にとどまりました。そこで、Shotgunのような統合型のマネージメントツールの導入へ向けて、本格的に動き出すことになります。

Shotgunの導入検証では、海外制作拠点との協業を視野に、自社グループ内だけでなく外部との連携も含めて進めました。比較的新しいチャレンジに積極的なウェブコンフィギュレーションのチームをはじめ、いくつかの大き目のチームに検証してもらいました。

ただ、「ExcelやGoogleスプレッドシートで十分じゃないか」となかなか受け入れてくれないアーティストもいたりして、新しい仕組みに取り組むメリットを感じないという層はどうしても存在します。こうした提案や変革はShotgunに限らず入念な準備が必要だと感じていました。

Shotgun導入までの道のり

--Shotgunの導入については、検証期間2ヶ月ほどで実プロジェクトでの運用に入ったとのことで、かなりのハイペースだと思います。

今野:2020年に入ってからは会社としても早急に業務改善を実行するという方針が定まり、実践的な検証へ向けて予算も使えるようになりました。そこで、改めて様々なプロジェクト管理ツールをチェックしようということでとShotgunと別の競合製品の比較検討を行いました。

弊社が解決したかった課題は主に次のとおりです。

・複数のプロジェクトのスケジュールを「ガントチャート」で表示
・人的リソースの把握
・アーティストの作業時間の入力と集計作業の緩和
・スプレッドシート管理からの脱却
・従来は実現が出来なかった業務の効率化(レビュー機能、協力会社との連携等)

従来のスプレッドシートを用いた管理では、いろいろな目的別にシートが量産されていました。プロジェクト単位のシート、人を管理するためのシート、時間集計のシート......等々。複数のシートにまたがる情報に更新があった場合のメンテナンスが大変でした。それでなくてもどこにどの情報が載っているか把握するのも一苦労な状況でした。

スプレッドシート

乱立するスプレッドシートを全て置き換えられること、ガントチャートの機能が優れていることなどを主眼にツールの選定を進めました。また、外部との連携で活用が出来るのかもポイントでした。

SHOTGUN

そんななかマネージャー層からは、経営層との打ち合わせのためスタッフの稼働率を正しく把握したいという要望がありました。稼働率を算出するための集計には別のツールを使っているのですが、APIを活用することでShotgunとも連携できます。こういったカスタマイズにも対応できるAPIがしっかりと整備されているのがShotgunの強みだったので、総合的な機能とカスタマイズ性の高さで導入の判断はスムーズに行えました。

その後、リモートワークへの対応が完了した、昨年の2020年5月からShotgunの本格的な検証が始まりました。

検証は3つのフェイズに分けて実行しております。

フェイズ1:期間:2020年5月~12月

・検証チームにてタスク管理・タイムログの運用検証を実施
・12月末中にその他のチームでもテスト運用を開始

今野:マネージャー陣からは2020年中にできるだけ早く導入したいという声もあり、6月末には必要な人員を割り出して「やるなら最初から全員分」と45ライセンスを契約しました。アーティストだけでなく、自動車の仕様をチェックするメンバーや営業などの人員も考慮しながらライセンス数を決定しています。テスト期間から仮運用していたチームにはそのまま運用を継続してもらい、さらに7月からは新たなチームも運用を開始しました。

SHOTGUN

以前から別のシステムを使って作業時間の入力と集計を行なっていました。今回から作業者にはShotgunだけに情報を入力してもらい、その情報を管理者がCSVファイルとして書き出したデータを従来の集計システムに読み込ませる方式に変更しました。こういったShotgunと既存の社内システムとの連携を確立するための作業を行いました。

石川:既存の集計システムは、「まず、関わっているプロジェクトを探しその後に、どの作業を何時間やって」というプルダウンをたどっていくUIになっていました。やった仕事の種類ごと、プロジェクトごとに選ぶため、同じ選択をする作業を頻繁に繰り返す必要がありました。そこの部分がShotgunに置き換わったことで、自分に割り当てられたタスクに時間を単純に入力するだけとなり、入力する側にとってもグッと手間が削減されましたね。

既存の集計システム
SHOTGUNでの集計

今野:9月までに実務テストを開始し、それにあわせてプロジェクトの立て方やタスクの構造などについて社内向け資料を用意してレクチャーを重ねました。

また、毎週一時間ほど「Shotgun定例会」を開き、使用状況を確認しつつ各チームならではの運用ルールを考案していっています。この定例会は現在も続いており、そこで吸い上げた問題に適宜対応しつつ、不明点があれば代理店のサポートを活用するなどして技術的な解決を重ねています。

フェイズ2:期間:2021年1月~

・全チームで本格的な運用を開始
・レビュー機能のワークフローを確立

2020年中にはほとんどのチームでテストを終了し、2021年からは実プロジェクトでの本格的な運用に移行しました。現在は皆Shotgunを使って案件を動かしています。

Shotgunのベースになるデータベースの考え方に慣れる必要がありますが、一旦そこを乗り越えてしまえばShotgunのカスタマイズ性の高さは魅力です。望んだデータを抽出するということがとてもやりやすい。「こうしたい」と考えたデータの取り出し方が思った通りにできるということがわかってきて、改めてデータベースの威力を認識しつつ、さらにShotgunを活用して環境整備を進めていこうという方針になっています。

レビュー機能の検証についても進めています。CG部で作成した画像は、カタログのデザインを行なう部署へ送られ、自動車画像の品質チェックが行なわれています。その作業は、紙に印刷してから赤入れを行ったデータをPDFにスキャンするというアナログな部分が残っているワークフローがとられています。

紙に印刷してから赤入れを行ったデータをPDFにスキャンするやり方
紙に印刷してから赤入れを行ったデータをPDFにスキャンするやり方

Shotgunのレビュー機能を用いれば、これらをより効率化できるはずなので検証を進めています。

Shotgunのレビュー機能

フェイズ3:期間:2021年3月~

・従来システムとの連携におけるAPI開発
・機材情報の管理
・協力会社・クライアントなど外部との連携利用
・アセットライブラリー機能の活用

中長期的には強力なカスタマイズ機能をどんどん活用していこうと考えています。既存の時間集計システムとの同期については完了しています。他にも、実績集計(制作画像のアウトプット数集計)、ユーザーリソースやプロジェクトスケジュールページの準備、機材情報の管理なども実装済みです。
今後は、協力会社等との外部連携、アセットライブラリーとしての運用などを実現したいですね。最終的には全ての情報がShotgunに集まる一元管理を目指しています。

SHOTGUN
SHOTGUN
SHOTGUN
SHOTGUN

Shotgun導入時のポイント

今野:初めて触る人たちのハードルを下げようと考え、検証チームと協力しながら社内向けの資料を作っていきました。

とにかくシンプルにスタートしてもらうために、Shotgunの構造を「プロジェクト」「アセット」「タスク」と最小限の要素に絞りました。プロジェクトにアセットが属していて、そこにタスクがぶら下がっている、そのタスクが実際の工程のことですよ、と紹介し、「ユーザーは自分に割り当てられたタスク=やることがわかるようになっているので、それだけやってください」と。シンプルさを全面に押し出しました。

シンプルな構成からスタート

シンプルさに徹したので、アーティストへお願いするのは「タスクを確認する」「時間を入力する」この二つしかありません。また、それに併せた6ぺージのマニュアルも用意したので、操作を覚えるコスト・ハードルも下げています。

作業状況が細かく把握されるのが嫌だという意見もあったので、「個人の評価には使わない」ということもしっかりと伝えました。デメリットを感じると使用するためのハードルが上がってしまうためです。
作業の数字が取れるようになったので、「当初の見込み」と「実際どうだったか」の精度を、運用を継続していく事で、より高めて、制作スケジュールのズレを改善し、アーティストへの負担を下げる目的というメリットをとにかく伝えて、触ってもらうように説得しました。

SHOTGUN
SHOTGUN

--実際に試してみて、チーム側の感想はいかがでしょうか?

石川:チームメンバーも増加する中で、今、誰がどの工程の作業をしているのかをリアルタイムに把握するのに役立っています。

以前は自動車のライティングの進捗状況を確認するのに、Excelにライティングのタブを追加して追っかけていました。ところが、複数車種が同時進行で動いている為に、どこかひとつでも記入・反映を忘れてしまうと、途端に「現状本当に正しいステータスはどっちなの?」と混乱してしまう事がありました。そういったことが頻繁にあり、本気で追いかけるとそれだけで半日費やしてしまうということもありました。

石川 修 (いしかわ おさむ) 氏

Shotgunでのデータベースがベースとなった一元管理が浸透することで、プロジェクトベースでも担当者ベースでもタスクをソートやフィルタをかけて確認できるので、劇的に現在の状況が把握しやすくなりました。作業の割り振りの効率化が進み、タスクの振り忘れなどもなくなってきたと感じています。

SHOTGUN

星宮:メリットが大きかったのは、「誰が何をしているのかわかりやすくなった」というところですね。リモート作業でお互い顔が見えない状態での進行の把握に貢献しました。

また、チームのコミュニケーションにSlackも併用していますが、どうしてもログが流れていってしまうのでチームの状況を俯瞰するのには不向きです。「これからやるって言っていたあのタスク、なんだったっけ?」というのを確認するのもShotgunだと即座に行えます。

導入後の印象

今野:当初の計画通りに2021年から本格導入が行えており、よかったなと思っています。タスクベースの業務進行、時間入力の手間の緩和も実際に実現できました。

今後はレビュー機能や海外、社外との連携などをワークフローに取り入れたいと考えています。レビューについては、社内にもそういったシステムはあるのですが、特定チームに特化しているため、より汎用性のあるShotgunのレビューツールを全チーム横断的に導入できたらと検討中です。

外部のスケジュールもShotgunに入力してもらって、データの受け渡しもShotgun上に集約するなど、いままでFTPやメールなどいろいろなソフトを使ってやり取りしていたものをひたすらShotgunに集めてしまおうと計画しています。

最初はとっつきにくい印象がありましたが、構造を理解すると一気にハードルが下がったという実感があります。アーティストへの普及については、入り口をシンプルにして、サポートをいかに手厚くできるかがポイントになるのかなと。

またデータの活用については、入力された情報や数値を引き出して加工するといったことが柔軟に行えるのは大きな可能性を秘めていると感じています。とにかくアーティストに使ってもらっていろいろな情報をいっぱい入れ続けてもらうことで、それを分析し改善するような、さらに制作効率を向上できるメリットが大きくなると思います。

SHOTGUN

リモート環境下でのeg+WWの働き方

--コミュニケーションツールとしてSlackの導入、マネージメントにShotgunの導入とリモートに適した環境を整え、制作効率も低下しなかったということですが、あらためてリモート環境下での働き方はいかがですか?

今野:緊急事態宣言を受けてのリモート体制準備でしたが、その後も引き続きほとんど誰も会社に出社せずという体制は維持できています。海外のプロダクションとのやり取りの経験や、社内のコミュニケーション・制作フローの継続的な改善が功を奏したのか、大きな問題は起きませんでした。
一方で家族持ち、子持ちのスタッフは、家で業務を行う環境を整備することが難しかったという声もありますね。

石川:私もそうで、最初は家で仕事するのは嫌だと言っていたのですが、慣れてしまうとすごく楽でしたね。
今となっては、必要がない限りは、出社しなくて済むといいなと思っています(笑)

星宮:僕と石川は海外とのやりとりが多いので、時差の関係でミーティングの時間が変則的になりがちです。23時からとか、深夜、早朝とか、そういうことは以前からありました。ミーティング開始まで会社で待って、その後終電で帰る、というスケジュールと比べ、在宅であれば夕食とお風呂を間に挟んでミーティングということも可能です。
もちろん、出社しなければいけない業務や、会社の方が、効率が上がる場合もあると思います。そのため、出社するか在宅で仕事をするか選択できるのは嬉しいというのはありますね。

星宮 啓 (ほしみや ひろし) 氏

--リモート環境は具体的にはどのように構築されているのでしょうか?

今野:コミュニケーションはSlack、Web会議はMicrosoft Teams、スケジュールとタスク管理にShotgunという内容で構築しました。リモート接続には特に問題が上がっていないのでVPNとWindows標準のリモートデスクトップ接続を利用しています。ただ、最近の検証でSplashtopやTeradiciが有用という事がわかり、そちらも入れ替える予定です。
コミュニケーションの面では、Slackは「情報が流れる」という問題があり、ログをShotgunへ移すという構想もあります。とはいえSlackのレスポンスの速さや気軽さの恩恵もあるので、そこはテストしながら運用ルールを決めてみようと思っています。

--これからShotgunの整備がさらに進むと、生産性の向上につながりそうですね。

今野:日々の業務は、ライティングやコンポジット等の制作以外にも、進行管理やタスク管理、データ整理なども多々あります。それらをいかに減らして、クリエイティブな時間に割り当てるかというのが、アーティストにとって最も重要で、それを追求するのが理想だと思っています。Shotgunはそれを強力にサポートしてくれると思っていて、日々行う作業時間入力の時間短縮もその一つですが、余計なところは可能な限りこうしたツールに頼って削減した方がいいと思います。

一方で、弊社がGoogle SpreadsheetやExcelで行っていたように、毎日当たり前のように使用していたツールを、Shotgunのような新しいツールに変えるというのは、凄く勇気がある決断と、それに取り組む努力が必要になります。ただ、変化させないと新しい事は得られないのも事実ですので、我々はそれを信じて、未来のためにまずは一歩踏み出してみようと思いました。

インタビューに応じてくださったE-グラフィックス コミュニケーションズ株式会社のみなさま

E-グラフィックス コミュニケーションズ株式会社
星宮 啓 (ほしみや ひろし) 氏 / リードデジタルアーティスト
今野 亮成 (こんの あきなり) 氏 / シニアテクニカルスーパーバイザー
石川 修 (いしかわ おさむ) 氏 / シニアデジタルアーティスト

ライター:岸本ひろゆき

ShotGrid は Flow Production Tracking に製品名が変更されました。
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