アニメ Animation
蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ- ©Ark Performance/少年画報社・アルペジオパートナーズ
蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ- ©Ark Performance/少年画報社・アルペジオパートナーズ

ポスプロ(ポストプロダクション)

Posted: 2017.09.14

このコーナーではポスプロに関してはあまり深く掘り下げていかない予定ですが、プロダクションとポスプロの境目にある「撮影」の工程については触れておきましょう。境目にあると言いつつも、本来「撮影」はポスプロの領域ではありますが、作品やスタジオによって、CGの工程でコンポジットまで含めてやってしまう、というスタイルも健在です。いずれにしても、様々な工程から生み出された素材をまとめる大事な役割があります。
もうひとつ触れておきたいのが「編集」の工程です。これを無くして、アニメーションの作品は完成しません。

撮影(コンポジット)

セル画、背景美術、CG素材など、各工程から上がってきた素材を組み合わせて合成していく工程です。演出的な指示に従って、カメラワークやエフェクトを追加することもあります。作品の見た目を最終的に調節できる段階でもあるので、撮影の良し悪しで
現在では撮影作業はデジタルで行われていますが、カメラがついた撮影台を使用していたアナログ時代の名残りとして「撮影」という呼び方が続いている。

こんなツールが使用されています→ After Effects

編集

撮影から上がってきた各カットを時間軸にならべて、作品全体をひとつながりにします。ここで肝心なのは、ストーリや演出の意図がきちんと伝わるために、カットの長さを変えたり、場合によってはカットの順番を入れ替えたりするなど、カットとカットのつながりをよくするために調節していきます。この編集の作業には必ず監督や演出が立ち会い、最終的な出来上がりを確認します。

ポスプロには、他に音に関わる音響やアフレコ(台詞入れ)などがあり、その音素材を映像素材と合わせるダビングというプロセスもありますが、今回はその辺りは割愛します。

まとめ

ご覧の通りですが、たくさんの工程を経てアニメーション作品が出来上がる訳です。そして、たくさんの人が関わっているということです。それで上手く仕事が回って良い作品を作り上げるためには、スタッフ全員との目標の共有と、きちんとした管理体制が必要ですね。
各工程に関わっているスタッフは、全体の流れを理解した上で、自分のポジションでベストを尽くそうと努力しています。そして、他の工程と連携を取り、同じ目標に向かって作業をしています。

既に気がついているかも知れないけれど、この様なワークフローに大勢の人が関わっている仕事では、成功に繋がる最初のキーワードは『コミュニケーション』です。

人の話をよく聞き、絵コンテや指示書きをよく確認して、何を求められているのかをちゃんと理解しておくことが大事。

不明な点があれば直ぐに聞く:指示に対しての解釈が曖昧でこれであっているかどうか分からない。作業の方向性があっているだろうか。いつまでにこの作業を終わらせればいいのだろうか。次の工程に受け渡す素材は揃っているかどうか、特殊な処理のために必要な素材を出す必要はないだろうか、等々。分からないことを分からないままにしておくと、良い絵が出来上がらないだけではなく、スケジュールに支障が出て放送事故に繋がりかねません。

不明な点があれば直ぐに聞く

小まめに報告する:何を進めていて、どこまで進んでいるのか。どこを手こずっているのか。何に手をつけていないのか。今はどんな状況なのかをきちんと報告をすることが大事。誰に?作品によりますが、まずは自分のチームの上司と制作進行ですね。制作の管理やクオリティをコントロールする人々は、「今どんな状況で何が進んでいる」というのを把握する必要があります。また、報告をすることで、きっと適切なアドバイスを受けることができます。

努力の積み重ね

キーワードその2は『努力の積み重ね』です。
何かを上手になるには、やはり経験を積むことが大事です。神作画と呼ばれる程のダイナミックで超人的な作画でも、ため息が出るほど美しい背景美術でも、ロボットが登場したりエフェクトが満載のカッコイイCGシーンでも、みんな、それを成し遂げるレベルに至るまで、コツコツと練習を繰り返し、時には失敗して、その失敗を乗り越えることで何かを学んできました。
とにかく、繰り返し、繰り返し、やることです。

修正指示が来たら、凹んでいる場合じゃありません。
そりゃあ、ベストを尽くしたつもりなのにダメ出しをされてしまったら、誰だって気が落ちますよね。でも、修正依頼は、あなた個人への評価とは関係なく、この作品をより良いものにしたいという願いが込められている訳ですね。自分が作業している部分がより素晴らしくなる可能性がことを素直に受けとめましょう。
それに、凹んでも凹まなくても締め切りが来ちゃいますので、さっさとメンタルを進行方向に向けた方が良いですね。修正について悩んでいることがあれば、周りの人に確認してみたり、演出の意図や作業の方向性について改めて考えてみて、よしやってやるぞ!という気持ちで作業に挑みましょう。

目的に合った方法とツールを選ぶ

キーワードその3は『目的に合った方法とツールを選ぶ』。
あの機能を活かしたいから、このシェーダーを使ってみたいから、などの断片的な理由で作業の方法とツールを選ぶと大変危険です。担当者自身が満足するかも知れませんですが、肝心なポイントは、その作業方法やツールで出来ることが、この作品に求められていることにマッチしているかどうかです。
幸いなことに、オートデスクの製品にはCG制作でそれぞれのニーズに合ったものが大体一通り揃っているので、選択には困りません。それぞれのソフトウェアで何が出来るのかは、これらの製品に詳しい人に聞いてみるのも良いですが、このAREA JAPANの他のページでも、どんなところでどんなソフトウェアが活躍しているのかが分かりやすくなっていると思います。ぜひご覧になってみてください。

さて、本当に長くなりましたが、最後まで根気よく読んで頂いてありがとうございました。アニメーションを作ってみたいなぁ、と思ったなら、今からスタートしてみてはどうでしょう?
いつかどこかの制作現場で活躍している姿を見るのを楽しみにしています!

菱川パトリシア

菱川パトリシア

株式会社アイケイアイエフプラス(IKIF+)

CGディレクター・グラフィックデザイナー。『少女終末旅行』(TVシリーズ)、『BAYONETTA BLOODY FATE』(劇場作品)などのCG監督を務める。その他に『ゼロから始める魔法の書』、『モンスターハンターストーリーズ RIDE ON』、『うたわれるもの 偽りの仮面』、『映画ドラえもん 新・のび太の宇宙開拓史』、『ドラえもん のび太の新魔界大冒険』、『イノセンス』、『スチームボーイ』などの制作にも携わる。 アニメーション作品の制作と並行で、東京造形大学・東京工芸大学でアニメーションの講師としても務めている。

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