トレンド&テクノロジー / PERCH長尾の知っ得!デザインビズ必読ポイント!
第8回:AU Japan 2009予告 セッションの一部をご紹介!

更新日 2009.10.27

こんにちは、パーチ長尾です。

11/12(木)に開催される Autodesk University Japan 2009(http://www.myautodesk.jp/auj09/) で、【カメラ(実写撮影のノウハウを取り込んで3DCGの品質を上げる)】と【プレゼンテーション(人生を変えるスキル)】について講座を行うことになりました。
これは【クリエイティブ力向上】と【クリエイターとして生きていくために重要な要素】だと思うんです。
このコラムを読んでくれている方にぜひ知ってもらいたいので、今回のコラムでその一部を紹介しますね。


「僕らはこの100年実写を見続けてきた」

変なタイトルですね。カメラが生まれて100年以上経ちました。その間、写真、映画、テレビなどで僕らは【実写撮影された物】を見続けてきました。だから僕らの目は【実写撮影】に慣れていて、それを【自然だ】と感じるようになっているんです。

たとえばこんな面白いことができるんですよ。デッサンや絵を見て、それが写真をもとに描かれた物か、本物を観察しながら描かれた物か判断できるようになるんです。その秘密は、実写撮影された時のレンズの変形や歪み/明るさの圧縮(カメラは人間の目よりも狭い範囲でしか光をとらえることができません、このことをラチテュードと呼びます)があるので、それを見分ければいいんです。

3DCGの利用法の多くは、【実写の置き換え】です。
映画では実写との合成、デザインビジュアライゼーションでは製品撮影の代わりに利用されています。
よく「フォトリアル」という言葉が使われますが、これを実現するには、マテリアルの設定/レンダラーの設定だけではなく、【カメラ特性を理解して実写カメラマンと同様に使いこなす】ことが必要になるんです。
昔からプロが使うカメラを購入することはできました、しかしプロ並みの映像は作り出せません。これは3DCGという道具を使いこなすことはできても、表現ノウハウを身につけるのは別であることに似ていますね。そして実写撮影技法はこの100年間を通じて練りに練られてきました。その技法は、ゲームでも映画でもデザインビジュアライゼーションでも、活用することができます。

実は、海外のアートスクールでは【実写撮影技法】を学んでいます。一方日本の3DCGのスクールでこれを学んでいると聞くことはほとんどありません。もちろんこれだけではありませんが、表現面で差がつく要因の一つであると言えると思います。


【レンズは最も重要な要素】

今回のセミナーで取り上げる1つの理論に、【レンズは画角がもたらす心理状態で選ぶ】というのがあります。実写撮影の準備で一番はじめに行われるのは【レンズ選び】です。最も大きな影響を及ぼすのがレンズだからです。レンズって大事なんですよねえ、映画で使われるレンズは【単焦点レンズ】がほとんどで、特殊な効果を出す時にだけズームレンズが利用されます。その中でも最高峰に位置するのが Carl Zeiss、1本3000万円もするものもあります、Maya 60ライセンス分、うーん高い(ちょっと余談でした)。

レンズの種類は画角から3つに分けて考えられます。【広角】【標準】【望遠】です。
それぞれの物理的な現象は、
【広角】広い範囲をとらえることができるため、像が歪む
【標準】人間の見た目に近い
【望遠】狭い範囲をとらえ、像の歪みが少ない

しかしこれらの画像を見た時の人間の心理状態は、
【広角】力強さ(外に出る)、ダイナミックさ
【標準】日常の見た目に似ているので、リラックス、感情の変化がない
【望遠】力強さ(内側からの)、意識の集中
となります。

そこでレンズ選びは、まず仕事のコンセプト(映画ならその1シーン)を考え、上記の心理状態のどれに適合するか? で選びます。
これを行うのは実写撮影の世界では常識ですので、自然で、人の心を動かすシーンを作るなら、3DCGでもこの考え方を取り入れ使いこなさなければいけません。

図版1:レンズ選びは最も大きくイメージを変える
01_visual1.jpeg


【知識のバトンタッチ】

この大事なノウハウが継承されない現象は、【知識の断絶】と呼んでも良いかもしれません。特にデザインビズでは商品撮影が無くなり3DCGに置き換わってきていますが、その課程でカメラマンが職を追われ、そのノウハウも失われていく制作現場があちこちにあります。これはカメラマンにとっても3DCGクリエイターにとっても大きな損失ですよね。せっかくカメラマンが解決してきた問題を、また失敗を繰り返しながら作っていくのはもったいないと思うんです。
長い年月をかけて培ってきた【ノウハウ】を失わないよう、しっかりと吸収して役立てていきたいですよね。

この講座では、『レンズによる心理効果』の他、『アングルとトリミング』『人間が見ている世界とカメラの露出』『シャッタースピードと絞り』についてお話しします。
今回のAUに参加すると、カメラマンのノウハウを利用してCGクリエイターが製品CGを制作することが可能な、「D-Viz トレーニングツール(http://perch-up.jp/design-viz/training.html)」が無料でプレゼントされますので、継続的な学習に便利です。

図版2:PERCH D-Viz トレーニングツール
02_visual2.jpeg


【プレゼンは人生を変える】

もう1つの講座はもっともっと大事なことかもしれません。プレゼンという「自分の仕事」や「自分自身を売り込む」テクニックについて学ぶ講座です。

「クリエイターにプレゼンが必要なの?」と思う方もいると思います。僕も昔はそう思ってました。でも営業マンほどじゃないけど、クリエイターにもかなり多くのプレゼンの現場が待ち構えていました。
社内の地位が上がると、自分の部署が担当する仕事のレビューや、新しい仕事を獲得するためのプレゼン、といった社内プレゼンに始まり、外のお客さんや利害関係者に仕事の説明をする社外プレゼン、が増えてきます。
そして転職時には、【自分という商品を売り込む営業】といってもいいかもしれない【採用面接】というプレゼンが待っています。

アメリカはパワーポイントを作った国だから当然ですが、【プレゼンが下手だと出世しない】国です。日本も徐々にその傾向が出てきたようですので、そろそろ真剣にスキルを身につけるときです。

そう、【プレゼンはスキル】なんです。ただの技術ですから覚えることが可能です。ただクリエイターに向けたプレゼンの書籍が少ないことや、ビジネスマン向けの書籍やセミナーも何かずれている気がします。というのも年間数十本の講演やプレゼンをやっていると、お客さんが何に反応するのか、何が一番大事なのか、が見えてくるんですが、その実感と今の教育はずれていると確信しています。

よく「しゃべるのがうまいですねえ」「プレゼンのコツって何ですか?」と聞かれます。そのときに答えるのが「プレゼンのコツは1つだけ、相手の利益になる内容を話すこと」と伝えています。まさにこれが最大のコツです。ちょっと想像してみてください、”ある時セミナーに参加しました、でも自分の仕事と関係もないし利益にならない内容です、そのときどういう態度を取りますか?” おそらく寝てしまうか退席して しまうかでしょう。一方で、”自分の利益になるセミナーに参加したときの態度はどうですか?” きっと熱中していることでしょう。そのときに相手のしゃべりがたどたどしくても気になりますか? おそらく気にならないと思います。

これは大事なことを示しています、つまり「話し方がうまくなっても、相手の利益にならない内容なら全く意味がない」ということなんです。
だからまずは【相手の利益】を事前に想定する技術が必要になるんです。
目から鱗でしょう?(ちょっと言い過ぎかな?)

この講座では、こんなプレゼンの本質とその実践方法、クリエイターのプレゼン現場での具体的なテクニックなどについて学びます。
プレゼンは人生を変えるスキルです、ぜひ参加してみてください。

図版3:クリエイターのプレゼンシーン【クリエイターはプレゼン次第で人生が変わる】

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更新日 2009.10.27
著者プロフィール
長尾 健作
長尾 健作
株式会社パーチ
大手制作会社での、デジタル化の推進、ビジュアライゼーション事業の起ち上げを担当。ビジュアライゼーション事業の起ち上げでは、営業戦略立案、人材戦略立案/組織作り/人材教育、サービス開発、技術開発、設備計画の立案など事業起ち上げに必要な全て行程の責任者として参画。独立後はビジュアライゼーション事業を起ち上げる、または拡大をされる企業様のサポートを行うコンサルティングサービスを提供。また、これまで経験から問題が起りやすい点や必要となる教育内容を解決するセミナーや、ツールを開発しています。
HP:www.perch-up.jp/

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