チュートリアル / CG:コラムグーニーズ
第5回:SHOW BY ROCK!! THE ORIGIN -飛翔-
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今回は「SHOW BY ROCK!!」のCGパート、バトルシーンとライブシーンの演出について、前回に引き続きCG監督佐々木涼からご紹介させていただきます!
~どんなシーンでも、キャラクターの魅力をしっかりと表現して楽しんでもらえるようなアングルを心がける~
佐々木CG監督(以下、佐々木) バトルシーンの演出にあたっては、初期段階で、ボスキャラが大きい、メインのキャラクター達は小さいという対比を表現していくにあたって、ゲームのイメージ画の中にあったようなMIDIシティのビル街でボスバトルがやりたいというのを提案させてもらったんです。いわゆる怪獣もの映画というのか、対比物のある空間であれば3DCGならではの演出、アングルとかでみせることのできる巨大感・空間の広さ・高さを使った面白い演出ができるんじゃないかと思ったんです。
得丸アニメーションSV(以下、得丸) 随所に特撮っぽい、臨場感のある空間を感じるようなカメラでしたよね。
佐々木 ボスバトルでは、手振れ感を強調したカメラワークを多用して、観ている人がその世界に迷い込んで、キャラクター達と一緒に実際そこにいるような体験をしてもらえるよう心がけました。基本的には池添監督のコンテに沿って作成していくんですが、3DCGだから取り入れられるような演出についてはこちらから積極的に提案させてもらいました。
佐々木 今回“SHOW BY ROCK!!”が、2Dと3Dを融合させた新感覚のアニメとして誕生するにあたって、CGパートは3DCGの魅力を盛り込めるように、とにかく空間を感じさせるような演出を心がけています。特に今回は、この作品でこのルックだったからこそ挑戦できたことがたくさんあって、カメラのレンズひとつとっても実写ベースで選んだりしていました。
得丸 キャラクターの可愛さだけじゃなくて、見せ方も魅力に繋がっていきましたよね。
佐々木 「映画みたい」っていうコメントをよくもらったりするんですが、今回、自分が今まで観てきた映画の演出も、随所にオマージュとして入れさせていただいてます。アングルとかポージングとかについても、もう伝統と言っていいと思うんですが、日本でおなじみの特撮ヒーロー物とかロボット物とかの演出をふんだんに盛り込んでいきました。そういう部分を探すだけでも楽しんでいただけると思います。(笑)
佐々木 ライブシーンの演出にあたっては、レールに乗って動いているような綺麗なカメラワークを心がけました。だからこそボスステージの手振れとかが効いてきて「やばいことが起こった」という印象に繋がります。
得丸 ライブシーンのカメラがある程度落ち着いていることで、細かく動いているアニメーションをしっかりみられるという利点もあります。ライブシーンといえば、カメラのアングルについて佐々木さんと相談しましたよね。
佐々木 1・2話で出てきた男の子のバンドのライブシーンでは、いわゆるバンドのライブ映像っぽくステージの下から撮っているようなあおりのアングルが多かったんですよね。だけど、3話登場のクリクリに関してはアイドルなので、得丸さんのこだわりが強くて(笑)
得丸 男の子のバンドは、あおりのアングルで撮るとパースが効くことでキリっとしてかっこいいんですが最初のプランで3話も、結構あおりのアングルが多かったんですよね。これだとキャラクターの可愛さが今一つ伝わりづらいかな、と思ったので佐々木さんと話をして、柔軟にカメラの演出を変えてもらってすごくよくなりましたよね。余計なこと言ってよかったな、と思いました。(笑)
佐々木 得丸さんのリクエストは、「可愛く見せるには」を追求していて目的がわかりやすかったです。結果、カメラ位置を正面からかフカンからにしたんですよね。可愛さを表現するにあたって上目使いとかは必要だから。
得丸 アイドルの見せ方は、こだわりがあるというより参考映像をたくさん見ている内に気が付いたと言った方が正しいかな~(笑)
佐々木 2話と9話のライブシーンはコンテ無しで構成を任せてもらえたことは大きかったですね。前回のコラムでお話ししたように、演奏している指とか身体の動きを参考動画として撮っているのですが、2話でヤイバがジャンプするシーンは、構想段階で浮かんでいたので、参考動画撮りの段階から指示をして跳んでもらったりもしました。
佐々木 とはいっても、細かい仕草とかは指示していないんですね。クロウが初めてマイクを握るシーンの繊細な指使いとかはアニメーターさん達のセンスがすごく生きているんです。
得丸 ここは僕の方で、事前に佐々木さんと打合せをした時に、ビジュアル系の色気がほしいという話があったので、そういうリクエストは伝えたんですよね。そこからより一層色気を感じさせる部分は、アニメーターさんのキャラがすごく生かされてますよね。(笑)
佐々木 基本的にレイアウトを作って、アニメーターのメンバーに指示をする段階で、実際のアーティストだとしたらこの人みたいな感じ、というビジョンのすりあわせをやって。
得丸 そのビジョンを共有したあとの細かい部分は、アニメーター側で膨らませていきましたね。今回僕が効果的だなって思うのは、映像としてアニメで作るとしたら、ドラムとかって複雑に動くのでなるべくカット数を減らしたいところなんですけど、贅沢にドラムシーンが入っていてよく動いてるから、そういうところでのリアル感っていうのも増しているなぁと思います。
佐々木 9話はアニメーター泣かせな演出だったんですけど、一人だけで映ってるんじゃなくてメンバーが一緒に映っているようなシーンを多めに構成しました。
得丸 物量は多かったですね。
佐々木 複数のキャラクターをつけなきゃいけないのでアニメーターの工数的には高いんですけど。みんなでやっているっていう部分を出したかったので。
得丸 真剣に曲に向き合って演奏しているところなので演出として効果的だったと思います。
佐々木 もちろん大事なところはクローズアップもしています!
得丸 見せ場の多いパートが増えていきますので今後の展開に期待していただきたいと思います!
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今回のコラムでは、「SHOW BY ROCK!!」CGパートのバトルシーンとライブシーンの演出についてご紹介しました。次回は、SHOW BY ROCK!! メイキングの最終回とさせていただきます!
見逃してしまっている方、もう一度見たい方、WEB配信もいろいろありますので、コラムと合わせてぜひTVアニメ「SHOW BY ROCK!!」をお楽しみください!
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