トレンド&テクノロジー / AREAギャラリーアーティスト
第44回:w Burgess
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今月のAREAアーティスト特集は3DアーティストのWray Burgess(レイ・バージェス)氏の作品をご紹介します。
ゲーム開発や建築ビジュアライゼーションの分野での長年の経験に加え、彼の個人プロジェクトは、彼ならではの独自のビジュアルセンスを発揮しています。
スケートボードと『攻殻機動隊』のようなサイバーパンク作品への愛情が等しく反映された彼の作品に、私たちは出会いました。
彼がハイオクタンなアニメーション「Skatedroid」をコミュニティにシェアしたのがきっかけです。
今回はWray氏に、彼のインスピレーションの源、3ds Maxへの愛情、最近のAIツール導入によるワークフローの効率化、そして今後の目標についてお話を伺いました。 以下をご覧ください。
こんにちは、皆さん!僕はWray Ayrton Burgess(レイ・エアトン・バージェス)です!
29歳のアーティストで、3Dアートを始めて16年になります。
13歳のときに祖母のパソコンで3ds Maxの体験版を試してみたところ、すぐに夢中になりました。
それから学生版を使い続け、2017年ごろに建築ビジュアライゼーションの分野でプロとして働き始めました。
それ以降、3ds MaxやMayaを使って様々なプロジェクトに関わってきました。
たとえば、Easy Day Studiosのゲーム『Skater XL』の制作にも携わりました。
あなたのスタイルはとてもユニークですね。オーガニックな動きと風変わりなメカデザインがうまく融合しています。インスピレーションはどこから来ているのでしょうか?
ありがとうございます!
僕の主なインスピレーションは、人間が生み出す壮大な建築物と、人間の身体が見せる美しい動きです。
僕は昔からサイバーパンク作品が大好きで、特に『攻殻機動隊』や90年代の香港・東京的な未来建築の描写に惹かれてきました。
そこに僕のエクストリームスポーツへの愛情が加われば、こういった作品を作るのは時間の問題でした。
これまではサイバーパンクとスケートボードの世界を分けて考えていましたが、今は両方を使って自分を表現できるようになりました。
アニメーション専用アカウント@3dsk8でエクストリームスポーツを、無料エピソード形式のFPSゲームシリーズ『NEOTOKYO° Kshatriya』でサイバーパンクを表現しています。
3ds Maxはあなたのワークフローでどのような役割を果たしていますか?
3ds Maxは僕にとってすべてです!
昔から、そしてこれからもたぶんずっと、お気に入りの3Dソフトだと思います。
人それぞれ好みはありますが、僕の場合、3ds Maxがあれば自分の作りたいものはだいたい簡単に作れると思っていて、これまでそれが裏切られたことはありません。
テクスチャリングは他のツールを使うこともありますが、モデリング、アニメーション、レンダリングはすべて3ds Maxでやっています。
他のソフトを使いたいと思ったことがありません。
アニメーションのワークフローにAIツールをどのように取り入れていますか?
最近はAIツールがすごく気に入っています!
「Skatedroid」も、実はmeshy.AIの新バージョンを使って「クールなものが作れるかどうか」のテストとして始めました。
AIに「古いNikeのCMに出てきそうな、アスリートっぽいロボットを作って」と頼んで、気に入ったものを最終的なロボットデザインのコンセプトとして使いました。
また、壁や床、遠くにあるビルなどのディフューズテクスチャも、かなり頻繁にAIで作っています。
最初はDALL·E 2を使っていたのですが、今ではStable DiffusionやDALL·E 3が登場したことで、僕の制作工程に欠かせない存在になりました。
LUMAの3Dオブジェクト生成機能も、衣服や衣装をすばやく作ってカスタマイズ可能なキャラクターに使うのに重宝しています。
さらに、僕のInstagramを見てもらえれば分かりますが、Video2Video AIを使ってアニメーションを超リアルに見せる実験もしています。
また、Skatedroidの元の720×450のレンダリングを1080pにアップスケールするために、ESRganのようなAIモデルを使って、レンダリング時間を50時間も節約しました!
他の3Dアーティストやコミュニティとはどのように交流していますか?
主にDiscordで交流しています。
ArtStationのアカウントも持っていますが、特に有名だったり、大きなコミュニティに所属していたりはしません。
ジョージア州サバンナのアートスクールの近くに住んでいますが、街中で3Dアーティストと出会うことはあまりなく、他分野のアーティストと交流することが多いですね。
でも、たとえばサウンドデザイナーが僕のアニメーション用に音楽やフォーリー(効果音)を作ってくれたり、分野をまたいだコラボが生まれるのはすごく楽しいです!
今後のアーティストとしての目標を教えてください。
将来的には、3D制作だけで生活が成り立つようになりたいです。
ピザの配達やレストランのウェイターをもう一度やるようなことにはなりたくありませんから(笑)。
より具体的には、「本物みたいにリアル」もしくは「とにかくカッコいい」アニメーションスケーターを作って、実在するスケートボード会社にスポンサーされて、彼らのプロモーション映像に僕の作品が使われることを夢見ています。
本社AREAのギャラリーでは、3ds Max、Maya、Maya Creative、Mudboxなどのオートデスクのソフトウェアを使用したCGアーティストの最高の作品を展示しています。このコラムでは、その中の優秀な作品と作家を日本語にてご紹介します。あなたの作品もアップロードして、AREAコミュニティで共有しませんか?
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