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第5回:CADから広報宣伝用ビジュアルが作られていくー3DCGビジュアル制作の流れー

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01.jpegこんにちは、パーチ長尾です。

7月1、7、10日に名古屋/大阪/東京で開催された『印刷、写真、広告業界向けデザインビズ セミナー』※には、印刷業界の方、制作会社の方、カメラマンの方、CGクリエイターの方、製造メーカーの方など、併せて約400名もの方にご参加いただきました。加速する3DCGビジネスの現状を知りたい、業界の変化について情報が欲しい、という目的で受講され、今やっている仕事とデザインビジュアライゼーションがどう繋がっていくのか、これからどのように仕事を進めていくのか、を考えるきっかけになった方も多いようです。
またセミナープログラムにはMax 2010のデモや、JAGATさんによる『印刷業におけるCGの重要性』の講義もあって、皆さん興味を持って聴講されていました。

さて、私も『デザインビズ業界の現状、ビジネスに必要なこと』などについてお話ししましたが、今回は初めてデザインビズセミナーを受講されている、3DCGビジネスの導入をご検討中の方(まだ3DCGビジュアル制作をされていない方)も多いような印象でした。

そこで今回のコラムでは、「CADから広報宣伝用ビジュアルが作られていく ー3DCGビジュアル制作の流れー」について詳しくお話ししたいと思います。

これを読んでいただくと、
・どうやったら『CAD』から『魅力的な広報宣伝用ビジュアル』ができるのか
・3DCGによる広報宣伝用ビジュアルの事例が増えている理由
が分かります。

※ご好評につき、このセミナーは9月9日(水)に仙台メディアテークで、9月15日(火)にアクア博多でも開催されます!お近くの方は是非ご参加ください。
詳細/お申込みはこちらからこのイベントは終了いたしました。


CADデータを活用した広報宣伝活動の始まり

デザインビジュアライゼーションには、「CADデータを2次活用する」という特徴があります。製品を正確に3DCG化するには、製造用に作られたCADデータを基にする必要があるからです。
CADはもともと製造設計の効率化のためにあらゆる製造メーカーに導入されました。早いところでは20年前から導入が始まりましたが、現在はほぼ導入を終え、次は「せっかくあるこのデジタル資産を有効活用することが出来ないか?」といったことが考えられています。

CADデータを3DCGで利用できるように変換して、広報宣伝活動に流用することはすでに10年以上前から始まっています。しかし、それらは企業内部や一部の制作会社で行われていたため、今までそれが見えてくる機会はなかなかありませんでした。そして、現在は広く普及する段階になりました。

では、具体的にはどのような工程を得て、CADが広報宣伝活動に使える品質のビジュアルになっていくのでしょうか。

今回は【製品基本カット】の3DCG制作の一般的な制作の流れをお伝えします。

CADデータを3DCGソフトに変換

1. まずは「CADデータを3DCGソフトにデータ変換」します。

CADデータには製品の形状の情報しか入っていませんので、製品に使われている素材の色や質感は別途広告主(製造メーカー)からお預かりした素材を見ながら3DCG上で制作していきます。この質感等の設定が次の「マテリアル設定」です。

03.jpeg マテリアルの設定

2. マテリアル設定

「本物」と同じ質感と色を再現できないと、広告はクレームにつながります。3DCGソフトを使ってマテリアルを設定、形状データに割り当てます。 ここまでの作業が、従来の撮影でいうと、撮影製品(撮影用モックアップ)をお預かりした状態になります。 この2つの工程で製品のオリジナルデータができあがりましたので、ここから先は従来の撮影と同じ工程に移ります。

04.jpeg カメラの配置

3. 撮影と同様に3DCG上で「カメラの設定を行い、ライティング」を行います。

この行程は作業する場所が3DCGソフト内になっただけで、スタジオで行うのと全く同じようにカメラやライトの設定を行いますので、カメラマンのノウハウが生きてくるところです。今はソフトが進化し、従来の商品写真と比べてもほとんど差のない品質で製品ビジュアルを作ることができます。

05.jpeg ライトの配置
*この『3DCGソフト内で行われるライティング』については、第1回コラム「魅力的な広告写真を、3DCGで作るために必要なものとは?」をご覧ください。カメラマンのライティング技術を生かして3DCGソフトで魅力的な画を製作するためのポイント、またその学習方法についてまとめてあります。

06.jpeg レンダリング

4. 「仮レンダリング(低解像度でレンダリングすること)」をして、「本番レンダリング」を行います。

「レンダリング」は最終的なビジュアルを作るのに行う計算作業で、具体的にはどのように光が反射したり屈折したりするのかを計算して、現実世界をシミュレーションしています。この作業を行うことでより高品質で高解像度な画像を作り出します。「仮レンダリング」をするのはお客様に中間チェックをしていただくためです。その修正指示を反映させたものを「本番レンダリング」します。

07.jpeg

5.画像処理

最後にPhotoshop等を利用して画像処理で仕上げます。3DCGだけで作りこんでいくより、組み合わせる方が効率的な作業ができます。 これで作業は終了です。

3DCGによるビジュアル制作は、いくつかの行程をこなす大変な作業に見えますが、マテリアルやライティングの設定をデータベース化したりすることで効率的な作業にしていくことができます。

ここではベーシックな製品写真の制作工程を例に見ましたが、イメージ写真やイメージムービー、テクニカルムービー作りなどは少し違う制作工程になります。しかし『CADデータの変換とマテリアル設定』といった基本的な作業は同じですので、このようなオリジナルデータは静止画だけでなく動画にも流用され、お客様の総合的なコストを削減することができます。

今回ご紹介した「3DCG広告写真ー制作の流れー」について、「製造メーカー側の業務」/「制作会社側の業務」をより詳しく説明し、スケジュールまで分かるようにまとめた資料(A3サイズに出力可能)をデータで差し上げています。ご希望される方は弊社HPからご要望ください。
http://www.perch-up.jp/design-viz/dvizinfo_06.html

次回はこの続きで、「3DCGビジネスの導入の流れ」についてお話しします。
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