トレンド&テクノロジー / PERCH長尾の知っ得!デザインビズ必読ポイント!
第12回:「デザインビズの業務効率を上げる!カラーマネジメント(基礎編)」
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こんにちは、パーチ長尾です。
ようやく暖かくなってきましたが、私は去年から発症した花粉症でつらい毎日を送っています。
春は何かにつけ新しいことにトライしたくなる季節ですし、設備入れ替えの時期ですので、これから数回にわたってカラーマネジメントについてお話ししたいと思います。カラーマネジメントは業務効率を上げる仕組みで、私たちのセミナーに参加された方のアンケートでも半数以上の方が「次に参加したいセミナー」に希望してくれるほど関心の高いテーマです。
私は以前、広告写真の制作会社に勤めていたときにカラーマネジメントの普及活動を行っていたんですが、そのときの知識と3DCGの知識を生かして、デザインビズ特有の問題を解決する「3DCGのためのカラーマネジメント」の仕組みを作りあげました。
デザインビズにカラーマネジメントを導入すると、無駄な作業が無くなって業務効率が上がり、色に関する問題が無くなり、品質アップとグループワークの質が上がります。たとえばマテリアル制作では作業効率が200%程度、レンダリング後の合成処理では150%程度など、色に関する作業が効率化できます。業務効率が上がれば、その分だけ多く業務がこなせる、そんな経済的なメリットを考えると費用対効果が高いシステムです。
まずは、カラーマネジメントとはどんな仕組みなのかをわかりやすくまとめました。
図1「カラーマネジメントの仕組みと効果」
3DCG制作者が一番長く接するのは「モニター」ですよね。そのモニターの色が「合っていない、信頼できない」というのは一番の問題ですし、業務効率を大幅に下げることになります。
じゃあ、「どうしたらモニターの色を正確にできるのか?」
それには正確な色再現をする【ハードウェアキャリブレーション機能付きのモニター】(たとえば、色に厳しい印刷業界では、EIZO ColorEdge シリーズが定評があります)を使って、定期的に色の狂いを補正するために【測色機で測定】すれば大丈夫です。
しかしこれだけでは解決になりません。なぜなら、モニターがデータを忠実に表現していても、「他の入出力機と色を合わせる」ことができなければ何の意味もないからです。モニターだけで作業は成り立ちませんし、表現したい製品の色や、プレゼン用のプリントや、印刷物と色が合わなければカラーマネジメントにはならないのです。
そこでカラーマネジメント導入では、次の2つの課題を解決することが必要になります。
図2「カラーマネジメント導入の2つの課題」
2の「ワークフローを作る」という作業を正確に行うには、カラーマネジメントや色について詳しく知らないといけないのと、関係者への教育など、難しい点が多いんですが、それをしない(ワークフローを整備しない)で起こる、よくある失敗例をお話ししますね。
モニターとプリンターをそれぞれ調整して、きちんとセットアップしました。しかしプリントしてみるとモニターと色が合いません。するとカラーマネジメントの効果が得られないので、調整の苦労が水の泡ですし、せっかくの専用機材も宝の持ち腐れです。しかも、「どちらが正しいのか?」「もしかしたらデータがおかしいのか?」と制作者が色に対して確証が持てなくなるので、カラーマネジメント自体を疑ってかかるようになります。そして最後は導入をあきらめて以前の不効率な制作体制に戻ってしまう……。
このような失敗例が多いんですが、本当にもったいない話ですよね。カラーマネジメントは業務を効率化してくれるので、コスト削減、競合他社との競争に勝つ、ためには必須の仕組みです。ぜひ、必要な知識を身に付けて、正しい機材選び、正しいルール作り、正しい教育、を行って導入を成功させてください!
次回は、すでにカラーマネジメントを導入して業務の効率化を実現している例を、業種業態ごとに紹介していこうと思います。自分たちと同じ職種ではどんなメリットを得ているのか具体的に知ることができると思いますので、楽しみにしていてください。
今度、カラーマネジメントに関する実践的な内容のセミナーを開催します。デザインビズの業務効率を上げるためのノウハウを伝授しますので、ご期待ください。
【3DCGのためのカラーマネジメントセミナー】4/21(水)開催
http://www.perch-up.jp/design-viz/seminar_colorMana2010.html
http://www.perch-up.jp/design-viz/seminar_colorMana2010_2.html
ようやく暖かくなってきましたが、私は去年から発症した花粉症でつらい毎日を送っています。
春は何かにつけ新しいことにトライしたくなる季節ですし、設備入れ替えの時期ですので、これから数回にわたってカラーマネジメントについてお話ししたいと思います。カラーマネジメントは業務効率を上げる仕組みで、私たちのセミナーに参加された方のアンケートでも半数以上の方が「次に参加したいセミナー」に希望してくれるほど関心の高いテーマです。
私は以前、広告写真の制作会社に勤めていたときにカラーマネジメントの普及活動を行っていたんですが、そのときの知識と3DCGの知識を生かして、デザインビズ特有の問題を解決する「3DCGのためのカラーマネジメント」の仕組みを作りあげました。
デザインビズにカラーマネジメントを導入すると、無駄な作業が無くなって業務効率が上がり、色に関する問題が無くなり、品質アップとグループワークの質が上がります。たとえばマテリアル制作では作業効率が200%程度、レンダリング後の合成処理では150%程度など、色に関する作業が効率化できます。業務効率が上がれば、その分だけ多く業務がこなせる、そんな経済的なメリットを考えると費用対効果が高いシステムです。
まずは、カラーマネジメントとはどんな仕組みなのかをわかりやすくまとめました。
図1「カラーマネジメントの仕組みと効果」
3DCG制作者が一番長く接するのは「モニター」ですよね。そのモニターの色が「合っていない、信頼できない」というのは一番の問題ですし、業務効率を大幅に下げることになります。
じゃあ、「どうしたらモニターの色を正確にできるのか?」
それには正確な色再現をする【ハードウェアキャリブレーション機能付きのモニター】(たとえば、色に厳しい印刷業界では、EIZO ColorEdge シリーズが定評があります)を使って、定期的に色の狂いを補正するために【測色機で測定】すれば大丈夫です。
しかしこれだけでは解決になりません。なぜなら、モニターがデータを忠実に表現していても、「他の入出力機と色を合わせる」ことができなければ何の意味もないからです。モニターだけで作業は成り立ちませんし、表現したい製品の色や、プレゼン用のプリントや、印刷物と色が合わなければカラーマネジメントにはならないのです。
そこでカラーマネジメント導入では、次の2つの課題を解決することが必要になります。
図2「カラーマネジメント導入の2つの課題」
2の「ワークフローを作る」という作業を正確に行うには、カラーマネジメントや色について詳しく知らないといけないのと、関係者への教育など、難しい点が多いんですが、それをしない(ワークフローを整備しない)で起こる、よくある失敗例をお話ししますね。
モニターとプリンターをそれぞれ調整して、きちんとセットアップしました。しかしプリントしてみるとモニターと色が合いません。するとカラーマネジメントの効果が得られないので、調整の苦労が水の泡ですし、せっかくの専用機材も宝の持ち腐れです。しかも、「どちらが正しいのか?」「もしかしたらデータがおかしいのか?」と制作者が色に対して確証が持てなくなるので、カラーマネジメント自体を疑ってかかるようになります。そして最後は導入をあきらめて以前の不効率な制作体制に戻ってしまう……。
このような失敗例が多いんですが、本当にもったいない話ですよね。カラーマネジメントは業務を効率化してくれるので、コスト削減、競合他社との競争に勝つ、ためには必須の仕組みです。ぜひ、必要な知識を身に付けて、正しい機材選び、正しいルール作り、正しい教育、を行って導入を成功させてください!
次回は、すでにカラーマネジメントを導入して業務の効率化を実現している例を、業種業態ごとに紹介していこうと思います。自分たちと同じ職種ではどんなメリットを得ているのか具体的に知ることができると思いますので、楽しみにしていてください。
今度、カラーマネジメントに関する実践的な内容のセミナーを開催します。デザインビズの業務効率を上げるためのノウハウを伝授しますので、ご期待ください。
【3DCGのためのカラーマネジメントセミナー】4/21(水)開催
http://www.perch-up.jp/design-viz/seminar_colorMana2010.html
http://www.perch-up.jp/design-viz/seminar_colorMana2010_2.html