日本電子株式会社 
「世界初」を創るワールドブランドの製品開発の全てを変革し、進化させるオートデスクの3Dソリューション

日本電子株式会社 「世界初」を創るワールドブランドの製品開発の全てを変革し、進化させるオートデスクの3Dソリューション
  • 3ds Max
  • 建築・製造・広告
近藤 隆史 氏
電子光学機器本部
第1設計グループ 第3チーム リーダー
近藤 隆史 氏

Inventorによる3次元設計をベースに、そこからどれだけ幅広く3次元データを活用していけるか、それがますます重要になっています。3ds Maxによる3D CGのマーケティングへの活用をさらに進めるのは当然として、今後はShowcaseを中心に、モノづくりの上流工程でいかに活用していくかに力を入れたいと考えています。たとえば営業やサービス担当のスタッフにも、設計が終わってから見せるのではなく、もっと前段階で見せて、どんどん意見をもらっていくようにしていきたいですね。

日本電子株式会社
電子光学機器本部 第1設計グループ 第3チーム リーダー
近藤 隆史 氏

実写では不可能なアングル・照明・デフォルメを可能に

佐藤 美和子 氏
財務本部
技術システ厶部
第1開発グループ
佐藤 美和子 氏
川中 士郎 氏
日本電子株式会社
医用機器ソリューション
営業本部 部長
川中 士郎 氏

日本電子(JEOL)は、電子顕微鏡を始め電子光学機器や分析機器など精密理科学機器で知られるワールドブランド。世界を舞台に次々「世界初」を生み出しているが、そこでは質の高いマーケティングも重要だ。特に電子顕微鏡などは受注生産となるものも多く、広報活動も実機がないまま機能をアピールする難しさがあった。その意味で昨年の「JEM-ARM200F」の展開は重要な転機だった。この時初めて同社はAutodesk® 3ds Max®の3DCGを全面に使いプロモーションを展開。大きな成功を収めたのである。

「電子顕微鏡をアピールできる機会は多くありません。展示会が3つあった2008年はチャンスの年でしたが、開発が遅れ、資料制作に支障を来したのです」(近藤氏)。

従来電子顕微鏡の広報画像は試作機を撮影していたが、製作が遅れ、急遽3DCGを使うことになった。2001年にAutodesk® Inventor®を導入し設計3次元化を始めていた同社では、3ds MaxによるCG研究も進めていたのだ。そして、CG制作が始まった。当初営業が求めたのは写真代わりの画像だったが、要求は急速にエスカレートする。そこに秘められた可能性に営業が気付いたのだ。

「試作品撮影には制限がありました。完成まで撮れず、完成後は大きすぎてスタジオに入らない。照明は凝れないしアングルも限られていました。その点CGは全く自由でした」(近藤氏)。

不可能だった凝った画面が作れるようになったことから、営業担当はこの分野であまり前例のない広告手法を試したのである。

「まず製品の一部にスポットをあて、次に少し広い範囲を見せ、最後に装置全体を見せる。しかも実写では不可能なアングルにデフォルメを加え、インパクトの強い画面を作り出しました。3ds Maxの作業はスムーズでしたが、色やアングルなどギリギリまで議論しました」(佐藤氏)。

こうしてアメリカ、ヨーロッパ、韓国で展開された「JEM-ARM200F」キャンペーンは製品と共にかつてない大きな注目を集めたのである。――だが別の製品にはまた異なる課題がある。たとえば「動き」だ。

世界市場の「次」を勝ち抜くカギは オートデスク3Dソリューションの活用

Inventorによる「JCA-BM6070」の設計データ。このデータを基に、用途に応じて3ds MaxやShowcaseなどに展開していく
ShowcaseでInventorのアセンブリファイルを読み込み、shot機能でカメラアングルを検討。背景画像の差替えやアニメーションのアングル変更も直感的に行える
韓国の展示会で使った「JEM-ARM200F」の3D CG。実写では困難な高い位置からのカメラアングルで全体を俯瞰
実写では困難なアングルも3ds Maxによる3D CGなら容易に設定できる(JEM-ARM200F)

「JCA-BM6070」は最新の生化学自動分析装置。1時間最大1,800テストを処理するこの装置のポイントは、薬液注入や分注用ノズル、ターンテーブルなど稼働部の安定した精緻な動作にある。

「販促でも動きを見せたいので実機をビデオ撮影していましたが、問題があったんです」(川中氏)。

動作を完璧にするための調整が最後まで続き、ビデオ撮影はその後。結果編集が間に合わず、プロモーションでは最大の特徴を見せられないのだ。

「だからAutodesk Showcaseでムービーが作れる、と聞いた時は飛びつきました」(川中氏)。

Autodesk® Showcase® はInventorなどの3D設計データをインポートし、リアルなビジュアライゼーションが作れるデザインレビュー用ツール。3ds Maxと同じくInventorデータの活用のため導入された。

「ムービー制作では私も多数要望を出しましたよ。作業が進むほどやりたいことが増えて......おかげで単に動きを見せるだけではない、理想的なPRムービーになりました」(川中氏)。

実機の撮影では、ユーザに見せたくない部分も映り込むし他のパーツが「見せたい動き」を邪魔することもある。CGはそれらを整理し、見せたいものだけ見せたいアングルで映像化できる。カメラの入らない背面や内部の映像化も容易だ。川中氏の要望が増えたのも当然だ。

――このようにInventorと3ds Max、Showcaseなどの3Dソリューションにより、JEOLはいまマーケティング分野で飛躍的な品質向上と効率化を実現しつつある。だが3Dソリューションの本格的展開はこれからだ。

「市場ではいまや性能以上にユーザビリティへの細かな配慮が重視され、設計リードタイムの短縮や後工程の手戻削減もさらなる追求が必要です。オートデスクの3Dソリューションは、これら課題の決定的な解答となるでしょう」(近藤氏)。

たとえばユーザビリティに配慮した開発で期待されているのがShowcaseの活用だ。こうした開発では、営業やサービスの意見を設計に反映させることが重要になるが、従来初期段階では営業に理解しにくい図面などしかなく、設計完了後に意見をもらうしかなかった。結果、意見に対応できず、変更・修正など後工程を増やしていたのだ。

「Showcaseなら、早い段階で分かりやすくレビューできる。多くの意見を取り入れていち早く設計を決め込み、手戻りも減らせるでしょう」(近藤氏)。まさに今、モノづくりに関わるあらゆる部門で、オートデスクの3Dソリューションを核としたイノベーションが始まっている。世界市場の「次」を勝ち抜くJEOLの新たな挑戦に注目したい。


JEOL


日本電子株式会社
本社:東京都昭島市武蔵野3-1-2
設立:1949年5月30日
代表者:代表取締役会長 原田 嘉晏
代表取締役社長 栗原 権右衛門
資本金:67億4,000万円(2008年3月末現在)
従業員数(連結):3,047名(2008年3月末現在)
事業概要:高級精密理科学機器(電子光学機器・分析機器)、計測検査機器、半導体関連機器、産業機器、医用機器の製造・販売・開発研究ほか
http://www.jeol.co.jp/

導入製品/ソリューション ・Autodesk Inventor
Autodesk 3ds Max
Autodesk Showcase
導入目的 ・総体的な設計品質の向上
・3次元設計データの幅広い活用
・設計開発工程のトータルな効率化
導入ポイント ・大規模アセンブリを容易に扱え汎用性が高い3次元CADとして(Inventor)
・Inventorとデータ連携し、直感的操作性を備えた高機能3次元CGとして(3ds Max)
・Inventorとデータ連携し、設計初期段階から使えるデザインレビューツールとして(Showcase)
導入効果 ・製品画像制作のリードタイム短縮、制作効率化、表現手法の拡大
・「製品の見せ方」に関わる広告手法の高度化&多角化
・新製品のマーケティング活動全般の活性化
今後の課題 ・初期段階から営業・サービスの意見を設計に反映させる
・設計リードタイムの短縮、後工程における手戻りの削減
・他社とのコラボレーションなど、新しい営業手法の開発
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