チュートリアル / Chara@Maya~Maya 2016で気軽にはじめるキャラクター制作~
第6回:アニメーション ~キャラクターに命を吹き込む!~
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いよいよ今回が最終回です。前回作成したリグを使って簡単なアニメーションをつけてみます。
動きや表情が付くと一気にキャラクターの特徴や性格が現れてきます。ただ単にうまいこと動かすだけではなく、「このキャラだったら動きは大げさかなぁ」とか「こんなときこんな反応するだろうなぁ」とかイメージしながら設計をしていきます。
今回は絵コンテも何もないまっさらな状態ですので、ざっと落書き程度に構想を練ります。
まぁ実際のところ途中でいろいろ考えが変わって描いた通りにはなっていないのですが・・・
伝わりやすいシルエットで
まずはベースとなるキーポーズをざっくりと付けていきます。[動画 00:00~]
動きのストーリーを伝える最も演出に近い重要な部分ですので、単純な作業よりも考えることに時間がかかる工程でもあります。
今回はポーズごとにキーを打ちやすいようキャラクターセットを作成しておきました。
キャラクターセットを作成しておくと、カスタムリグの数多くあるコントローラをひとまとめにして扱いやすくすることが出来ます。
“ポーズ”で管理していく手法で特に有用な機能です。
ポーズをつける際はモデリングの時と同様にシルエットが大切です。
ぱっと見でどんなポーズなのかどんなことをしようとしてるのか伝わりやすいよう意識しましょう。
分かりやすい例だと、下の画像のように動きの中心となる手や足が重なって見にくくないようにするとかそんなかんじです。
とりあえずタイミングを気にせずざくざくポーズを付けていったので、ある程度のところで調整を行います。[動画 19:06~]
まとめてステップ補間に変えてしまいましょう。現状まったく調整されていないポーズとポーズの間はいったん無視します。
キャラクターセットを活用して全身にキーを打っていますのでキャラクターセットにステップ補間を適用すれば一発でポーズのみの確認ができます。
キーポーズの補間
前項で作成したキーポーズを補間するように間にポーズを追加していきます。いわゆる中割りの作業です。[動画 00:00~]
もちろんCGではある程度は自動で補間されますが、それだけでは直線的かつぬるぬるした動きにしかなりません。
必要なポーズを追加しつつタメツメを意識して調整していきます。
滑らかな補間を行うには、各アトリビュートの流れを視覚的に確認できるカーブも利用します。[動画 02:00~]
しかし現段階では、カーブのハンドルを手動で調整することは控えておきます。ちょっとしたタイミングやポーズの調整でズレが出やすいハンドル調整は最後までとっておくのが無難です。
細かな髪の動きや表情はここでは詰める必要はありませんが、全体のタイミングに大きく関わりそうな箇所に関してはある程度キーをつけてしまいましょう。
また、今回のアニメーションでは蛇(特に右上)も重要な要素ですので、半年前こんなめんどうなキャラを考えた奴に若干の恨みを覚えつつ本体と同時にポーズ補間をしていきます。
セカンダリと最終調整
髪や布の揺れ、細かい+αの動きを付け足していきましょう。[動画 00:00~]
揺れ物においてもシミュレーションではなく手付けで行います。シミュレーションはリアルな動きを作ることが出来ますが、デフォルメのキャラ、デフォルメされた動きに対してリアルすぎるシミュレーションの動きは馴染まないこともしばしばあります。
物理法則にのっとった動きを意識しつつ、適度に簡略化をしていきます。
最後に細かい動きの調整をしましょう。[動画 05:42~]
小さなズレやガタついてる部分を取って綺麗にしていきましょう。
最終的には毎フレキーを打つような箇所も出てくる可能性もあります。ちょっと力技な感じが否めませんがシンプルでわかりやすい方法です。
そんなこんなで完成!
いかがでしたでしょうか。
そもそも連載が初めての経験で当初は内容にも締切りにも不安を感じながら進めてまいりましたが、終わってみればあっという間だったと感じております。
初歩的な内容ではありましたが、全6回を通して単純な機能と手法の解説だけに留まらずよりリアルに制作過程にをお見せできるよう心がけてきました。
それぞれの工程に集中しスペシャリストとして腕を磨くのも勿論アリですが、あらゆる工程を自分で経験し理解を深めると、各工程での注意すべきこと気遣うべきことが分かるようになり、より精度が増すのではないかと考えております。
僕のようなジェネラリスト志向の方にも、スペシャリスト志向の方にも、またMayaを始めたばかりで手探り状態の方にも、このコラムが少しでも役に立っていれば幸いです。
また機会があればコラムに限らずとも何らかの形でアウトプットしていきたいです。
では!
まとめ
・アニメーションもシルエットが大切。
・キャラクターセットを活用。ポーズでアニメーション!
・物理法則(リアル)と嘘(デフォルメ)のバランス。