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第7回:3ds Maxでレイアウトして tyDiffusionでAI生成をしてみよう!

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3ds Max:プラグイン活用で表現の幅を拡げよう!

こんにちは!
株式会社DEFT、代表取締役の子安と申します。

世の中はAI生成に関して様々なアプローチや手法が行われてますね!
実は3ds Max内でもAI生成出来るのをご存じでしたか!?

私の連載記事の第1回から活用しているtyFlowをインストールするだけで作成することができます!

その名もtyDiffusion!

まずは実験動画を作成したのでご覧ください!

tyDiffusionの活用方法の一部を紹介した動画となります。

Stable Diffusionを3ds Maxに取り込んだツールとなるので、3ds MaxユーザーかつStable Diffusionを得意としている方は特にアドバンテージがあるような気がします。

メリットとしては下記となります。

・無料で何枚でも画像生成できる
・様々なスタイル(ペイント調、実写系など)で生成出来る。
・CGのレイアウトと関連性を持たせて生成出来る。
・動画生成
 ※CGデータのボーンをアニメート出来るという事ではありません。
・ライティング変更生成
などです。

上記メリットの中でも、CG内で作成していた3DデータとレイアウトからAI画像生成が出来る事が最大の利点だと思っております。
今回はその辺を重点にして進めて参ります!

それではyDiffusionで早速AI生成をしていきましょう。

今回使用する3ds Maxのバージョンは記事執筆時の最新バージョン3ds Max 2026.1を使用して参ります。

tyDiffusionに関してはv1.111以降からtyDiffusionが統合されております。

最新はv1.129となります。

tyFlowのインストール方法は第1回をご覧くださいませ。

tyFlowをインストールした上で、tyDiffusionの起動の仕方をざっくりと説明させて頂ければと存じます。

Step1 - tyDiffusionを起動してみよう -

tyDiffusionの起動

ビューポートのメニューからtyDiffusionをクリックします。

tyDiffusionのUIが出現します。

tyDiffusion のSetup

Setupタブ内EngineタブからInstall ComfyUI
One Click Installをクリックします。

プログレスバーが動き始めるのでしばらく待ちます。

Commandline
Install complete!

インストールが終わると画像のようなポップアップが表示されます。

Models タブ

UIのModelsタブを選択すると、様々なAIモデルが表示されダウンロードする事が出来ます。

Base SettingsのModelだけでも下記のリストとなります。

・Stable Diffusion 1.5
・Stable Diffusion 1.5 InPainting
・Stable Diffusion XL
・Stable Diffusion XL InPainting
・Stable Diffusion XL Lighting (2steps)
・Stable Diffusion XL Lighting (4steps)
・Stable Diffusion XL Lighting (8steps)
・Art Universe v8 (1.5)
・Art Universe XL v3
・Dream Shaper v8(1.5)
・Dream Shaper XL Turbo v2
・epiCPhotoGasm (1.5)
・epiCRealism (1.5)
・epiCRealism XL
・Juggernaut Reborn (1.5)
・Juggernaut XL. v10
・Juggernaut XL Lightning
・Pirsus Artstation (1.5)
・Photon (1.5)
・Proteus (XL) v0.4
・Proteus (XL) v0.4 Lightning
・RealVisXL 4.0
・RealVisXL 4.0 Lightning
・TF/XL 3
. ThinkDiffusion XL
・TMND Mix Rainbow (1.5)
・TMND Mix V (1.5)
・Tooneame 2
・ZavyChromaXimuryou

任意のモデルをダウンロードしてください。
※使用するModelによってUIも多少の変化があります。

GenerateタブをクリックするとPromptウィンドウに A fluffy red cat と記述されている

GenerateタブをクリックするとPrompt ウィンドウに
A fluffy red cat
と記述されております。

Generate image ボタンをクリック

下部のGenerate imageボタンをクリックします。
Prompt通りふわふわの赤い猫が表示されました!

Step2 - CGオブジェクトと関連性を持たせる -

CGシーンに配置したオブジェクトに沿ってAIを生成してみよう!

CGシーンビューポート画面

シーンにキューブとスフィアを適当に配置します。

Prompt入力画面

Promptウィンドウには
「A cube object and a sphere are fighting, emitting lightning. The cube has red lightning and the sphere has blue lightning.」
このように入力してみました。

日本語訳
「立方体と球体が稲妻を放ちながら戦っています。立方体には赤い稲妻が、球体には青い稲妻が放たれています。」

私は単語を考えながらプロンプトを打ち込むと非常にカロリーが消費する為、ある時期からGoogle翻訳に日本語の文章を入れ込み、英語訳を丸々ペーストするという手抜きスタイルになってしまいました。簡単にスタート出来ますので、まずは難しく考えずこのような手法で変化を楽しんで頂けたら幸いです。

UI下部のGenerate imageをクリックします。

最初のAI生成結果

画像生成はされたものの全く配置したオブジェクトと関連性の無い絵になっております!
シーンのレイアウトや配置したオブジェクトに関連性を持たせるには下記の行程を進めていきます。

ControlNet設定画面

UIのBasic settingsからControlNetタブに切り替えます。
更に下のメニュータブをDepthタブに切り替えチェックを入れます。

Depthタブチェック設定画面

チェックを入れると、各項目とパラメーターの調整が可能となります。
Weightは0.39となっております。

Depth設定でのAI生成結果

オブジェクトに近い形でAI生成出来ました!
生成時間はたったの3秒程でした。

Weight設定とAI生成結果

Weightを1.00にします。

Weight1.0でのAI生成結果

形に沿ってますね!!素晴らしいですね!

メッシュ表示とAI生成結果

メッシュ表示してみました。
形にほぼ沿っていますね。
このようにWeightの数値で実際のモデルに近づける事が出来ます。

Layer Explorer画面

Layer Explorerを開きSphereを新しいレイヤー「Layer001」に入れます。

Viewport Include設定画面

DepthタブのViewport内、Include objects by layerにチェックを入れ、右側の...ボタンをクリックします。

Layer Selector画面

Layer Selectorウィンドウが表示されるのでLayer001を選択します。
Selectボタンをクリックするとウィンドウが閉じます。

Layer Include設定完了画面

Include object by layerにLayer001が入りました。

AIを生成してみましょう!

レイヤー設定でのAI生成結果

しっかりとIncludeしたレイヤーのみ反応してます。
他にも様々な組み合わせや数値で生成される画像が変化していきますので、是非遊んでみてください!

Edges Canny設定画面

Depthタブのチェックを外し、Edgesタブへ切り替えチェックを入れました。
MethodをCanyにしSourceをViewport depthに切り替えます。

Canny MethodでのAI生成結果

Modelによって全然違う画像が生成されますね!

SoftEdge Method設定画面

MethodをSoftEdgeに切り替えてみました。

SoftEdge MethodでのAI生成結果

全く違うスタイルですね。プロンプトでCubeと謳っているにも関わらずCubeの扱いが面白い事になっております。

タブのチェックは複数チェックも入れられるので、無限に可能性が広がりますがコントロールが難しくなってくる可能性もあるので、各々弄りながら特性を見極めて行くのが良いのかなと思っております。

Step3 キャラクターをレイアウトして画像を生成してみよう

サムネイルにもなっている画像を作成していきます。

シーン内でレイアウトしていきます。

過去に実験で私がモデリングしていたこちらのロボットのデータを使用していきます。

ロボットモデルビューポート

ロボットを配置して、カメラでアングルを作っていきます。

tyDiffusionを起動します。

プロンプトを以下のようにします。
「In the middle of a battlefield in a conflict zone, filled with flames and smoke, a white robot covered in scars from repeated battles is fighting.」

日本語訳
「紛争地帯の炎と煙が立ち込める戦場の真ん中で、度重なる戦闘による傷跡だらけの白いロボットが戦っている」

ロボット戦場AI生成結果

しっかり背景も生成され、加えて謎の新たなキャラクターが生成されております!

背景付きロボットAI生成結果

ざっくりと背景も飾っていきます。

なんとなく背景プロップを配置してみました。

背景プロップ配置ビューポート

背景を踏襲してAIが画像を生成してくれました!

この画像をプロップにカメラマップしてカメラを動かすだけでも楽しそうです。

背景込みロボットAI生成結果

上記画像はこのような設定で生成しました。
Weightは1.12で設定しております。

Weight1.12設定UI画面

Weightを0.51に下げてみました。

Weight0.51低設定AI生成結果

絵作りが変化してきますね!
右側の背景は有刺鉄線のようなものに瓦礫が残されております。

ちなみにtyDiffusionはStable Diffusion同様、ずっとパラメーターを追い込んで、プロンプトも変化させながら、永遠に絵を生成出来るのでキリがありません。

下の画像は、様々なチューニングを行い、画像生成をしてみました。

チューニング後AI生成結果1
チューニング後AI生成結果2
チューニング後AI生成結果3

これらの設定は‘Base SettingsのModelの選択だけでも、かなり絵に変化が出てきます。

Base Settings Model選択画面

STEP1でダウンロードしたModelの数によって選べるタイプが増減しますが、色々試したい方は1つ1つModelの特性を把握しながら進めていくと思い通りの絵作りが可能になるかもしれません。

今回はほんの入口にしかすぎません。

今回のポイントとしては、Base Settingsで基本の設定を行い、ControlNetでCGビューポート内のモデルをどのように活かせるかチューニングをしていくだけの手順でした。

それでは冒頭に貼り付けていた動画をもう一度ご覧くださいませ。

この動画の中にはAIでアニメーション生成されているものも収録しております。

tyDiffusionにはアニメーション生成が出来るタブがUIに存在しております。

とは言え、今の所有効なアニメーション作成方法は見出せておりません。
動画はtyDiffusionで生成した画像をRunwayでアニメーションさせたものとなります。

私も勉強中故、tyDiffusion内で効果的にアニメーションを生成出来る方法がまとまって来ましたら連載中に機能紹介させて頂きます。

それでは皆様tyDiffusionでAI生成を楽しんでくださいませ!

今回使用した3ds Maxバージョンとプラグイン情報は以下の通りとなります。
3ds Max 2026.1
28.0-28.1.0.11484
tyFlow 1.129

次回はMIDIで3ds Maxをコントロールしてみたいと思います!

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