トレンド&テクノロジー / PERCH長尾の知っ得!デザインビズ必読ポイント!
第13回:デザインビズの業務効率を上げる!カラーマネジメント(メリット編)
- 3ds Max
- カラー
- コラム
- 中級者
- 学生・初心者
- 建築・製造・広告
こんにちは、パーチ長尾です。
ようやく春が来て、このコラムを書いている今は桜も満開、なぜか気分が明るくなるから不思議ですねえ。
さて、前回に引き続きカラーマネジメントについてのお話ですが、「導入すると、自分にはどんなメリットがあるのか?」とまだピンと来ていない方も多いかと思います。そこで今回は、すでに導入している業種業態ごとの具体的なメリットについてお伝えしたいと思います。
「こんなメリットがあるならやってみよう!」そんなヒントになったら嬉しいです。
しかし、同じデータなのにソフト間で色が違う、モニターとプリントの色が違う、という環境の中で作業をするのは苦痛ですし、ミスコミュニケーションや制作ミスが出て非常に不効率です。このような問題を解消して、モニターで見た色がそのままプリントされる、そんな環境を作るのがカラーマネジメントの役割です。
この仕組みを取り入れると、下記に挙げる2つの業種業態でも共通のメリットが生まれます。
図版1:カラーマネジメントは品質とコスト削減を実現する仕組み
図版2:3DCGソフトとPhotoshopの色を一致させる
ただし、色調整が完全に無くなるわけではありません。各工程で利用される【カラースペース(色の再現性を表す基準)】が異なるので、同じ色を再現することができない場合があります。たとえばCMYKの4色を使うプロセス4色印刷のカラースペースは Adobe RGB に比べて狭いために、色の再現性が減ってしまいます。
しかし、正しく設定された仕組みを使っていれば、印刷前にモニターやプリンターを使ったシミュレーションもできるので、カラーマネジメントを導入していない場合と比べて色調整がスムーズに行えることに変わりはなく、効率的です。
図版3:カラースペース(代表的な非デバイス依存型カラープロファイル)による色再現性の違い
すでにカラーマネジメントを導入している企業ではこのようなメリットを享受しています。もちろん「共通のメリット」で挙げたメリットも得られるので、作業者間のミスコミュニケーションが無くなり開発効率が上がっています。そして【作業者間】にとどまらず【事業所間】でも同じ色を再現できるので、国内外の事業所での同時確認が可能になります。開発期間を短縮できる上、これまでの現物輸送コストと担当者の出張費も削減しています。
次回は、この続きで「3DCGを使った製品写真業界」「建築CG業界」における導入メリット、導入する際に起こりやすい問題点などをご紹介しようと思いますので、ご期待ください。
こんなに便利なカラーマネジメントについて、パーチのサイトでも紹介しています。導入 に役立つと思います、どうぞご覧ください。
【デザインビズのためのカラーマネジメント】
http://www.perch-up.jp/design-viz/dvizinfo_08_colorMana.html
【PERCH推奨のハード/ソフト紹介】
http://www.perch-up.jp/design-viz/dvizinfo_07_hardSoft.html
ようやく春が来て、このコラムを書いている今は桜も満開、なぜか気分が明るくなるから不思議ですねえ。
さて、前回に引き続きカラーマネジメントについてのお話ですが、「導入すると、自分にはどんなメリットがあるのか?」とまだピンと来ていない方も多いかと思います。そこで今回は、すでに導入している業種業態ごとの具体的なメリットについてお伝えしたいと思います。
「こんなメリットがあるならやってみよう!」そんなヒントになったら嬉しいです。
1.業種業態に関わらない共通のメリット
カラーマネジメントは、「全てのハード/ソフトで同じ色を見る」ためにあります。3DCGクリエイターさんが作るビジュアルはモニターで確認して、プリントで見て、印刷される、というふうに複数のハード/ソフトを介して制作、確認作業が行われます。しかし、同じデータなのにソフト間で色が違う、モニターとプリントの色が違う、という環境の中で作業をするのは苦痛ですし、ミスコミュニケーションや制作ミスが出て非常に不効率です。このような問題を解消して、モニターで見た色がそのままプリントされる、そんな環境を作るのがカラーマネジメントの役割です。
この仕組みを取り入れると、下記に挙げる2つの業種業態でも共通のメリットが生まれます。
1.作業者間(異なるPC間)で見える色が同じなので、ミスコミュニケーションが無くなり品質と作業効率が上がる
2.全行程で同じ色を再現できるので、後工程での色調整などの作業が無くなる
3.正しい【色と階調】が再現されるので、クリエイターは作業に集中でき能率が上がる
4.ミスプリントや印刷の確認作業(校正)が減り、実費コストが削減できる
2.全行程で同じ色を再現できるので、後工程での色調整などの作業が無くなる
3.正しい【色と階調】が再現されるので、クリエイターは作業に集中でき能率が上がる
4.ミスプリントや印刷の確認作業(校正)が減り、実費コストが削減できる
図版1:カラーマネジメントは品質とコスト削減を実現する仕組み
図版2:3DCGソフトとPhotoshopの色を一致させる
2.【印刷/写真業界】のメリット
カラーマネジメントの導入が一番早かったのが、この業界です。業界をあげてカラーマネジメントの導入に取り組み、大きな効率化とコスト削減を実現しています。撮影→合成等→デザイン/編集→校正→印刷という各工程で同じ色を再現するので、各工程間のミスコミュニケーションと色調整に掛かる時間が削減でき、制作期間の短縮とコスト削減を実現しました。ただし、色調整が完全に無くなるわけではありません。各工程で利用される【カラースペース(色の再現性を表す基準)】が異なるので、同じ色を再現することができない場合があります。たとえばCMYKの4色を使うプロセス4色印刷のカラースペースは Adobe RGB に比べて狭いために、色の再現性が減ってしまいます。
しかし、正しく設定された仕組みを使っていれば、印刷前にモニターやプリンターを使ったシミュレーションもできるので、カラーマネジメントを導入していない場合と比べて色調整がスムーズに行えることに変わりはなく、効率的です。
図版3:カラースペース(代表的な非デバイス依存型カラープロファイル)による色再現性の違い
3.【製造メーカー:プロダクトデザイン部】のメリット
製造メーカーさんのプロダクトデザイン部では、製品の外観を作る仕事をしています。 その外観デザインを行う際には形状だけでなく、豊富なカラーバリエーションや、テクスチャに特徴のある素材(木や皮など)を試されています。その作業を効率化するために、モックアップ検討に代えて3DCGでシミュレーションしたり、2Dでデザインを起こしたり、写真合成を行います。 ここにカラーマネジメントを導入すると、どんなことが起きるのでしょうか。
1.測色機を使って素材の色を測る。調整されたスキャナーを使用してテクスチャのある素材をスキャンして色が正確なデータを作る。
2.このデータを3DCG/2DCGソフトに取り込み、正しい色の製品シミュレーションを行う。調整されたモニターを使用しているので、現物素材と同じ色を見ながら作業ができる。
3.社内プレゼン用にプリントする。調整されたモニターとプリンターは色が一致しているので、プリント時に色調整は不要
4.社内プレゼン用にプロジェクターに投影。モニターとの間に大幅な色のずれが無いので、プロジェクター用に色調整は不要
2.このデータを3DCG/2DCGソフトに取り込み、正しい色の製品シミュレーションを行う。調整されたモニターを使用しているので、現物素材と同じ色を見ながら作業ができる。
3.社内プレゼン用にプリントする。調整されたモニターとプリンターは色が一致しているので、プリント時に色調整は不要
4.社内プレゼン用にプロジェクターに投影。モニターとの間に大幅な色のずれが無いので、プロジェクター用に色調整は不要
すでにカラーマネジメントを導入している企業ではこのようなメリットを享受しています。もちろん「共通のメリット」で挙げたメリットも得られるので、作業者間のミスコミュニケーションが無くなり開発効率が上がっています。そして【作業者間】にとどまらず【事業所間】でも同じ色を再現できるので、国内外の事業所での同時確認が可能になります。開発期間を短縮できる上、これまでの現物輸送コストと担当者の出張費も削減しています。
次回は、この続きで「3DCGを使った製品写真業界」「建築CG業界」における導入メリット、導入する際に起こりやすい問題点などをご紹介しようと思いますので、ご期待ください。
こんなに便利なカラーマネジメントについて、パーチのサイトでも紹介しています。導入 に役立つと思います、どうぞご覧ください。
【デザインビズのためのカラーマネジメント】
http://www.perch-up.jp/design-viz/dvizinfo_08_colorMana.html
【PERCH推奨のハード/ソフト紹介】
http://www.perch-up.jp/design-viz/dvizinfo_07_hardSoft.html