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第11回:3DCGと著作権ー権利はビジネスの基本ー

2010.01.28

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こんにちは、パーチ長尾です。

今回はちょっと視点を変えて、著作権などの【権利】について書いてみます。時折「○○が権利を侵害」と新聞を賑わすことがありますが、広告業界では5, 6年前から広告販促物に付随する権利問題について真剣に対策を取り始めました。私も前職で【権利保護と権利侵害防止】に関するプロジェクトを担当したことがあります。

CADや3DCGなどのデータや、それを元に制作したビジュアル(写真や動画)には【権利】が存在します。これを有効に活用することで、【収益向上】【コスト削減】を行うことができるので、しっかりと法律やノウハウを理解するといいと思います。
また、このようなプラスな収益面だけでなく、【権利侵害による損害】などのマイナス面を回避することも非常に重要です。

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図1:CADデータから変換した3DCGデータは誰に権利があるのか?

たとえば、私たちもよく受ける質問の1つに、「製造メーカーさんからお預かりしたCADから作った3DCGデータの権利は誰にありますか?」といったことがあります。この答えは、状況/制作工程/契約によって変わりますが、多くの場合、【制作した方】に権利があると言えると思います。ですので制作会社さんから見れば、この3DCGデータを製造メーカーさんに渡す場合は【データの譲渡料金を請求する】という交渉ができます。また製造メーカーさんから見れば、CADから3DCGデータへの変換作業については自社内で行うことで【コスト削減】と【3DCGデータを自由に利用する】ことができます。

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図2:撮影や3DCG制作時に使った小物の権利はどう処理したらいいのか?

権利侵害の一例も見てみましょう。撮影や3DCG制作時には【小物】を使うことも多いと思います。「そのときに写り込んでしまう製品はどのように処理したらいいですか?」といったことは頻繁に起こる問題です。
この答えは、写り込んでいる物によって対象となる法律が変わり、対応方法も変わってきます。たとえば例のような写真の場合のベストな対処法は、【製造メーカーへ使用許諾をとる】ことになります。ロゴを消してしまうことは状況によってかえって問題を起こしてしまうことがあります。

そのほかにもよく聞かれるのは、
・有名家具をCG化した場合の使用について
・車、家電などのメーカー商品をCG化して不動産広告等に利用することについて
などです。

そういえばビジュアルに関する権利は、よく【著作権】だと思いがちですが、この法律だけでは解決できず、【不正競争防止法】【商標権】なども考慮することが必要です。
しかも【著作権】はデジタル制作が始まる前に制定された法律ですので、デジタルデータやCAD、3DCGなどに関しては条項に明記されていません。そこで条項と判例を元に判断をしていくことになるので、たくさんの事例と解釈、対処法などを知ってノウハウをためていくことが必須となります。

ちょっと話は変わりますが、欧米は日本に比べて権利意識が高くて、契約や報酬を決めるときには必ず権利を明確化しているようです。たとえば写真を広告で使用するときは、
・使用する媒体
・使用期間
・使用エリア(広告を掲示する地域)
をもとに報酬(利用を許諾する料金)を決めています。このようにカメラマンが自分が持っている権利を、広告主に一定条件で貸し出す、という感覚が強いようですね。
こういった視点で眺めると海外の権利関連の処理について理解しやすいと思います。たとえば【クリエイティブコモンズ】なんて革命的な活動だと思います。

デザインビズに話を戻すと、この制作手法ではCADデータや製品開発情報など多くの守秘情報に触れるので、【守秘義務契約書】と【業務委託契約書】を交わすことが必須です。この契約書の中に「ビジュアルの権利がどちらのものになるのか」「それに対しての報酬はいくらか」「制作終了後のデータの処理方法」などビジュアルの権利に関する条項がたくさん含まれます。契約を交わす際には、しっかりと条項を検討/話し合いをして、損をしないようにしないといけないですよね。

これまで私たちが、このような権利に関する相談にお答えするのはコンサルティング先だけでしたが、製造メーカー/制作会社で制作や広告販促に携わる多くの方に知ってもらいたくて、セミナーを開催することにしました。CAD/3DCGの権利について知りたい、収益向上/コスト削減に興味がある、権利侵害が心配、という方 はこの機会を是非ご活用ください。

【ビジュアル著作権 対策セミナー】2/18(木)開催
http://www.perch-up.jp/design-viz/seminar_right2010.html

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