チュートリアル / 読んで触ってよくわかる!Mayaを使いこなす為のAtoZ
第59回:エッジの種類
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モデリングするとき、エッジに種類を感じたことはありますか?
普通は特に気にすることなくエッジを追加したり削除したりしていると思います。でも実はエッジには「役割」があります。それがわかると今まで以上に作業しやすくなり、リダクション、分業も思い通りに行えるようになります。
というわけで、早速エッジの種類について見て行きましょう。
オブジェクトの特徴を保つためのエッジ
削除すると、オブジェクト自体が別物になってしまうようなエッジがあります。
例えば、キューブの頂点を一つでも削除すると、キューブではなくなります。
コーンも、上の頂点を削除するとコーンでなくなります。
コーンの底は、最低限三角形ならコーンの形状を保てます、一応。
これらは、オブジェクトの特徴を作るもので、絶対になければならないエッジです。
オブジェクトの輪郭とボリュームが決まります。
このエッジのことを「必須エッジ」と呼ぶことにしています。
クオリティのためのエッジ
必須エッジは「なければ形状が保てないもの」です。それ以外に追加するエッジは、また別の意味を持っています。
コーンの底が三角形だと、確かにコーンなのですがなんとも不自然です。形状を自然なものにするためには、底の形を丸くします。
(パッと見た時に「ポリポリ三角形」と呼ばれずに、コーンと呼んでもらうために。)
この、形を自然にするためのエッジを「クオリティエッジ」と呼んでいます。勝手に:)
ディテールのためのエッジ
さらにディテールを追加するためにエッジを追加します。面取りのためのベベル、曲面を綺麗に丸くするためのスムース、それらのエッジは、なくても良いけどあるとよりよいものです。
贅沢のためのエッジで、なんとなく「ディテールエッジ」と呼んでいます。個人的に。
メッシュを選択している時に2,3キーを押してスムースプレビューした時に増えるエッジもこれにあたります。
もうすこし現実的なモデルであらわすと、下図のようになります。
左から、
・ 岩として特徴的な形状を保つのに最低限必要なエッジ出できたモデル(必須エッジ)
・ より自然な形状にするためのエッジを追加したモデル(クオリティエッジ)
・ よりなめらかな形状にするためにエッジを追加したモデル(ディテールエッジ)
となっています。
「必須エッジ」で岩の特徴的な形状、ボリュームが決まります。
あとの「クオリティエッジ」と「ディテールエッジ」は単にエッジを追加していったもので、追加するエッジの数は多い(ポリゴン数が多い)ですが、岩というオブジェクトの特徴に与える影響は、必須エッジほどではありません。
実は、手元にあったこの岩のデータは、図の右のものしかなかったのですが、エッジの種類を考慮しながら手動でリダクションしました。必須エッジがどれにあたるかを考えつつ、エッジループ機能を使ってディテールエッジを削除、次にクオリティエッジを削除していきます。
エッジの種類がわかると、何を削除したらよいか迷うことがなくなりますので、品質向上と作業スピード向上が見込めます。このデータの場合、大体10~20分でリダクション出来ました。
まとめ
「必須エッジ」のモデルはLODの最低レベルとして、
「クオリティエッジ」のモデルは法線マップを適用するモデルとして、
「ディテールエッジ」のモデルは法線マップを作るモデルとして考えると、わかりやすいと思います。
人の形など、有機的なもので必須エッジを決めるのは難しい時がありますが、例えば目頭と目尻、口角などキーとなる頂点の場所がいくつかありますので、同じ方法が使えます。
実際の作業では、必須エッジとクオリティエッジを同時に作ったほうが効率の良いこともあります。先ほど出てきたコーン形状をベースにモデリングをするとします。三角形のコーンで作り始めるより、きちんとコーンの形をした形状から作業するほうが速く作業が進みます。
エッジに種類があることがわかると、様々な応用、効率化、高品質化を行えるようになります。次回は具体的な例をご紹介していきたいと思います。