3ds Max 2023.2 リリース
3ds Max 2023.2 がリリースされました。
このアップデートには、アセットのカスタマイズを容易にするための新しいArrayモディファイヤや、メッシュ編集時により優れたトポロジを生成するための再三角形化アルゴリズムの更新、より迅速な反復作業が可能になったトラックビューの更新などが含まれます。
新しいArrayモディファイヤ
新しいオブジェクトベースのArrayモディファイヤで、メッシュデータをプロシージャルに複製、配置できます。
位置、回転、スケール、マテリアルIDなどのランダム化や、UVのオフセットなどの様々なコントロールにより、高度なアートディレクションが可能なコンテンツを作成できます。Arrayモディファイヤでは、以下の分配タイプが利用可能です。
- Grid:X、Y、Zの複製数に基づいて、または複製する次元のサイズを利用して、メッシュデータを均一なグリッドパターンで配置します。
- Radial:複製数、半径、開始・終了角度、行数、リングを制御し、放射状の円弧に沿ってメッシュデータを配置します。
- Spline:スプラインに沿ってメッシュデータを配置します。オプションとして配置方法を「始点から終点まで配置」「最初のスプライン ノットから最後のスプラインノットまでの相対オフセットで配置」「フィル配置」「スプライン ノットまたはセグメントの中心で配置」から選択することができます。
- Surface:ターゲットメッシュのすべてまたは指定の頂点、エッジの中心、面の中心にメッシュデータを配置させます。
編集可能ポリゴンの再三角形化の強化
編集可能ポリゴン オブジェクトの再三角形化アルゴリズムが強化され、新しい面の作成、頂点の移動、再三角形化の処理時により優れたトポロジ結果を生成することができるようになりました。
メッシュ スムーズ モディファイヤのパフォーマンス向上
メッシュ スムーズ モディファイヤと、編集可能メッシュ、編集可能ポリゴン オブジェクトで使用されるNURMS (non-uniform rational mesh smooth)アルゴリズムが高速化されました。
面取りの改善
面取り モディファイヤ、または編集可能ポリゴン オブジェクトで面取りを行う際の効果の制限は、面取りサーフェスの自己交差を防止し、過剰な制限を回避します。
トラックビューの更新
トラックビューは、ユーザーからのフィードバックに基づき、アニメーションデータへのアクセスの信頼性と利便性を向上させ、アニメーションの反復と改良をより速く、より簡単に行うための様々な改良が行われました。
デルタ マッシュの更新
データチャンネル モディファイヤにあるデルタ マッシュ オペレータが更新され、メッシュ全体に対称的な結果をもたらし、スキン モディファイヤの変形を完成させることができるようになりました。
パーティクル フローの更新
パーティクル フローの乗数の量に関するビューポートの値が100%に設定されました(以前は50%)。
また、インテグレーション ステップのレンダリングの値がフレームに設定されました(以前は1/2フレーム)。
これらの変更により、ビューポートの表示結果とレンダリング出力結果とのパーティクルの見た目の差異がより減少します。
glTFアップデート
シーン コンバータに新しい glTF プリセットが追加され、フィジカル マテリアルを glTF マテリアルに変換できるようになりました。
また、glTF エクスポーターは、マップ チャネル1に限定されていましたが、メッシュ データ上のすべてのマップ チャネルをエクスポートできるようになりました。
MAXtoA 5.4.0.37
このアップデートには、V-Rayシーンコンバータの改善、ボリューム シェーディング、ピンカーブおよびネストしたインスタンサのサポートの追加を含むMAXtoA 5.4.0.37が付属しています。
MAXtoA 5.4.0.37の詳細についてはArnold for 3ds Maxユーザーガイドのリリースノートをご確認ください。
- V-Rayシーンコンバータの改良:V-Rayシーンコンバータが改良され、多くの新機能をサポートするようになりました。これにより、これまで変換ルールに含めることができなかった多くのV-Rayマテリアル、V-RayマップなどをArnold用のマテリアル、マップに変換することが可能となります。詳細はArnold for 3ds Maxユーザーガイドのシーンコンバータ項目からご確認いただけます。
- standard_volumeのDual-lobe phase関数:standard_volumeシェーダに新しい位相関数モデルが実装され、雲などの散乱媒体の物理位相関数をより現実的に近似することができるようになりました。
- 物理的に正しいボリューム エミッションのスケーリング:standard_volumeシェーダは、より物理的に正しい方法でボリューム エミッションのスケーリングをサポートします(emission_scaling オプションを使用します)。
- その他のボリューム エミッションの改善:blackbody_intensityコントロールを1以上に設定できるようになり、利便性が高まりました。
- Cryptomatte 1.2.0:Arnold にバンドルされている Cryptomatte のバージョンが 1.2.0 にアップグレードされました。
- Open Image IO 2.4.1 アップグレード:Arnold が使用する OIIO が 2.4.1 にアップグレードされました。
*上記価格は年間契約の場合の1ヶ月あたりのオートデスク希望小売価格(税込)です。