デジタルハリウッド X ポリゴンピクチュアズ X セガサミービジュアルエンターテインメント
現役講師、クリエーターが語る、教育版、学生版の魅力
- 教育
CG制作現場の環境が 1 つに
エンターテインメント クリエーション スイート登場
映画、ゲーム制作のプロフェッショナルな現場で標準とも言える Autodesk Maya をはじめとするツール群が「エンターテインメントクリエーション スイート(以下、スイート)」として 1 パッケージ化された。
しかも、これからプロを目指す学生、そしてそれをサポートする教育機関向けに、驚きの低価格で提供されている。本項では、デジタルハリウッドの小倉以索氏、ポリゴン・ピクチュアズの秋山 知広氏、セガサミービジュアルエンターテインメントの小山久美子氏の 3 人にその魅力についてを語ってもらった。
第一線で活躍するプロフェッショナルも現場に出る前に専門学校やスクール等で映像制作について、そしてツールの使用方法について学んでいたもの。現在デジタルハリウッドにて教鞭を執る小倉以索氏、現場でプロとして活躍する秋山知広氏(ポリゴンピクチュアズ)、小山久美子氏(セガサミービジュアルエンターテインメント)の 3 名に、教える立場、学生時代を振り返って、クリエーションスイートについて意見を伺った。
まず、今回のスイートの発表の第一印象はいかがでしたか?
―― 小山
小倉:「教えている側」という観点の前に、驚きの価格設定だったというのが正直な印象でした。自分が購入した時はもちろんライセンスの違いはありますが、スイートに含まれているソフトウェアすべて合わせて百何十万円の世界でしたから。
秋山:選択肢の多さは大きな魅力だと感じます。所属する会社によってもメインになるソフトウェアは異なりますが、Maya や 3ds Max は標準的に使われています。さらにそれ以外のソフトウェアも含めて、この価格で「実際に触って体験できる」点は、とても良い経験になると思います。
小山:私の会社では Maya がメインですが、Maya 1 つだけとってもこの価格というのは十分魅力的ですね。学生時代を振り返ってみると、どうしても学校だけの作業では作品制作の時間が足りなくて、自宅にも作業環境が欲しくなります。ハードウェアとソフトウェアの両方を揃えようとしたときに、今回のスイートなら現実的な価格で購入できますよね。さらに学生版の 3 万円ちょっとという価格は学生でも無理なく購入できる驚きの設定だとうらやましく思いました。
小倉:実際に学生を相手にして感じることは、業務で使われているソフトウェアの価格に対して認識が薄いということなんですね。多くのコンシューマ向けソフトは数千円から購入できますが、プロフェッショナル用は数十万以上のレベルにあるわけです。それが学生版ということで期間限定ながらも安価に利用できるというメリットは非常に大きいことを理解して欲しいですね。
学生版は、教育機関に属している期間内での使用になりますが、それに関してはどうですか?
小倉:1 年という設定は所属している学校のカリキュラムにもよると思いますね。デジタルハリウッドのように 1 年のカリキュラムの場合は、まったく問題はないと思います。ただし 4 年制の大学で使いたいという場合には毎年新規にライセンスを購入する必要があるでしょう。ただそれでも安価であることに代わりはないと思います。秋山:個人的には卒業後使用できないことが残念です。CG 業界は卒業後にすぐ就職できるというわけではなく、人員が不足した時期に求人が行われるケースが多いんですよ。卒業から就職までの期間に作品の手直しやポートフォリオを作成したいという場合に使えるとうれしいですね。
小倉:とは言え、ある程度の期間が設定されておくべきなのかもしれませんね。というのも、在学中に自分なりのゴールを見据えておくべきだと僕は考えています。どんな作品を作るのか、どんな表現に挑戦するのかなど目標はいろいろとありますが、だらだらとやっていてはなかなか身に付かないですし。せっかく自宅でも作業できる環境を手に入れるのですから、意欲的に制作に臨んで欲しいと思います。
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