広告制作の現場では、広告主に広告デザイン案を提案するための【カンプ】と呼ばれるラフデザインを制作します。このカンプの制作はアートディレクターやデザイナーが行うのが一般的ですが、複雑な画像や精度が高い画像が必要なときは、私たちレタッチプロダクションに依頼が来ることがあります。
最近はこのようなカンプが要求されることが増え、本番制作では「なるべくカンプに近づけてほしい」というケースが増えてきました。カンプ制作から仕事に関われば、そのデータを本番制作でも利用できるので、本番の仕事も受注できます。
依頼内容は色々ありますが、桜の花びらを綺麗に飛ばしたり、チョコレートの車を作ったり、床も壁も真っ白な空間を作ったり、と多岐にわたります。このような画像を写真合成だけで制作するのは難しいですし、本番制作時の品質向上と新しい表現力を得るために、3DCGを導入することにしました。
3DCGでは画角や見る角度を自由に変更できるので、素材制作が効率的にできるようになりました。しかし複雑な物を作るときは、モデリングやマテリアル設定に手間が掛かることもあるので、ネットで販売されている3DCGの素材なども利用するようにしています。それと、カンプで使ったデータを本番制作で利用できれば業務効率が上がりますが、3DCGではカンプの段階では低解像度でレンダリングして、本番の時は高解像でレンダリングし直すことができるので、重宝しています。
今後は3DCGでの表現力を高めて、私たちならではの得意分野を作り、競合プロダクションとの差別化にしていこうと考えています。
3DCGは現実にない物を作り、写真と同様なリアリティでビジュアル化することができます。カメラツールを使えば画角やアングルなどを実写と一致させることもできるので、合成用素材の制作に適しています。レンダリングの解像度は自由に変えることができるので、後ほど高解像度な画像が必要になったときもすぐに対応することが可能です。