3ds Max

3D モデリング、アニメーション、レンダリング CGソフトウェア
Image courtesy of Slightly Mad Studios
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3ds Max 2020.3パブリック ロードマップ

3ds Maxに最近どのようなアップデートがあったのか、3ds Maxはこれからどのようなアップデートを行っていこうとしているのかをこのロードマップでご紹介します!(3ds Max 2020.3現在)

3ds Max 2020.3アップデートでは、ユーザー様の予測通りに機能するツールをご提供することに重点を置いています。Ver.2020から2020.2にかけて、面取りモディファイヤの改善を行ってきましたが、2020.3ではこれらの改善点の多くを編集可能ポリゴンに追加しています。

ATF(Autodesk Translation Framework)の更新には、Sketchupの改善が含まれているため、サポートされている新しいJT形式とともに、より忠実にコンテンツを取り込むことができます。また、ビューポート表示の改善により、Arnoldライトを直接ビューポートに表示することも出来るようになりました。

3ds Max 2020.3の新機能に関しては、こちらをご参照ください。
リリースノートに関しては、こちらをご参照ください。

2020.3のその先へ - 3ds Maxパブリックロードマップ

3ds Maxプロダクトチームは、このロードマップを皆様にお届けできることをありがたく思っております。私たちの目標は、ロードマップの公開を通じて、3ds Maxコミュニティにさらに関与し、製品の方向性を共有させていただくことです。このロードマップでは、私たちが将来のために取り組んでいることについて、いくつかのビジョンをご提供したいと思います。

ロードマップの公開にあたり、以下の点につきましてあらかじめご了承ください。

本ロードマップでは、当社の製品およびサービスの将来のイベントおよび開発努力に関する声明を発表する場合があります。これらの声明は、今日の知識に基づいた現在の期待を反映しています。当社の計画は、製品、サービス、または機能の将来のご提供をお約束または保証することを意図したものではなく、これらの記述に基づいて購入決定を下すべきではありません。私たちは本ロードマップの公開日以降に発生するイベントや状況を反映するために、本ロードマップを更新する責任を負いません。

皆様に価値をご提供し続けるためには、3ds Maxの「RELIABLE(信頼性)」「PROCEDURAL(手続き型)」「SCALABLE(拡張性)」を高めることに注力する必要があると私たちは考えています。私たちは、これら3つの主要なテーマに従って、ロードマップを構築しております。

以下に示す「リリース済み」のリストは、ごく一部です。私たちは、ここに記載されている物よりも多くのリリースを行っております。詳細は3ds Maxのヘルプから新機能項目をご確認ください。
3ds Max 2020 ヘルプはこちら

RELIABLE

私たちは、品質、安定性、パフォーマンスの向上だけでなく、コアのオーサリングやモデリング機能の強化、より高速で見栄えの良いビューポート、レンダリング機能などの向上といったような、皆様が3ds Maxに期待するものをご提供し続ける努力をしています。

RELIABLE(信頼性):継続的なご提供

3ds Maxのリリース頻度を増加させて以来、私たちは、より多くの価値をご提供できるようになり、製品の品質を大幅に向上させることができました。次の図は、最新リリースのハイライトの一部を示しています。画像の下部にある「Ideas」はAutodesk® Ideasサイトに実際に投稿された意見を参考に、リリースされた機能です。

RELIABLE: CONTINUOUS DELIVERY

RELIABLE(信頼性):コアのオーサリング

将来
UV機械学習:機械学習による、UVマッピングの自動化機能を開発中です。手動で作成されたものと同様のUVマッピングを作成する完全自動ソリューションをご提供するか、少なくとも最終結果に迅速に到達するための仕組みをご提供したいと考えています。これにより、アーティストは本来注力すべき創造的なタスクに時間を費やすことができます。また、UVエディタ自体の改善も検討しています。

RELIABLE(信頼性):ビューポートの改善

リリース済み

将来
シンプルなビューポート設定:3ds Maxのビューポートは非常に高い機能を備えていますが、長年にわたって構成が複雑になる傾向がありました。特に昨今はPBRプレビューなどが業界標準となり、仕事の内容によってビューポート表示の内容は様々です。そういった背景もあり、私たちはビューポート品質の構成をできるだけシンプルにすることを検討しています。

RELIABLE(信頼性):レンダリング

将来
テクスチャ ベイク:3ds Maxのテクスチャ レンダリング機能は長い間更新されていません。現在私たちは、3ds Maxのベイク処理ツールをゼロから再設計しています。ベイクの工程にArnoldを活用しながら、またサードパーティのレンダラーを引き続きサポートしながら、ベイク作業をより効率的にします。また、MikkTSpaceの法線マップサポートを追加させることも検討しています。

Arnold GPU:3ds MaxでArnoldを利用したときに、GPUの能力を活用できるよう開発を行っています。GPUを利用することにより、レンダリング時間が短縮されるので、例えばActive Shadeを介して、ビューポート上でレンダリング結果を確認しながら編集作業を行うことができます。また、GPUレンダリングとCPUレンダリングは、簡単に切り替えができ、さらに最終的な仕上がりにおいて同じ結果を得ることができます。

Arnoldの標準レンダラー化:3ds MaxでいつでもすぐにArnoldが使用できるよう、レンダリング設定のエクスペリエンスを確認しています。またデフォルトの設定やパラメーターが最新の業界標準に合うよう見直しをしています。

フィジカル マテリアルの標準化:3ds Maxには多くのマテリアルタイプがありますが、現在私たちは、これを収束させ、フィジカル マテリアルを標準化することを検討しています。フィジカル マテリアルでの多くのワークフローを標準化して、ビューポートとレンダラーのサポートを改善することを検討しています。

PROCEDURAL

モディファイヤやモディファイヤ スタックは、3ds Maxの本来の考え方が手続き型(非破壊的)であることを示す代表的な部分であり、私たちは、それらを完全な形で3ds Maxに取り入れるため、開発に力を入れています。また、最近Mayaの一部としてリリースされたBifrostを活用して、アニメーションとFXにも力を入れています。Mayaで行われた作業を3ds MaxのFXで活用する予定です。目標は、両製品間でプロシージャルレシピを使用して、ポータブルエフェクトを提供することです。

RELIABLE(信頼性):レンダリング

将来
インスタンス モディファイヤ:3ds Maxは、小規模から大規模な環境レイアウト作成によく使用されます。こういった作業ですぐに使用できるワークフローを提供するために、Bifrostに基づく手続き型環境のレイアウト機能の構築を検討しています。(Bifrostは3ds MaxおよびMayaで使用される手続き型エンジンです。)

自動リトポロジ:3ds MaxにReformを統合して、完全に自動化されたリトポロジ機能を提供する実験を行っています。また、UVシームやアニメーション目的の重要なエッジなど、アーティスト主導の制約を使用した半自動化されたリトポロジ機能も検討しています。

3Dブーリアン:これまで私たちは、面取りの改善に取り組み、複雑な形状維持を可能にしました。今後は、シェイプブーリアンと同様の形で、3Dブーリアンを改善することを検討しています。

PROCEDURAL(手続き型):アニメーション

将来
キャラクターリグの相互運用とリターゲット:現在私たちは、HumanIKを活用したライヴリターゲッティング機能の実験をしています。アニメーションをキーフレームにベイクすることなく、3ds Maxでアニメーションデータを読み込みおよび書き出しできます。

Populateのカスタマイズ:上記のリターゲッティングを活用し、Populateアニメーションを任意のリグにリターゲッティングできるようになります。あらゆるキャラクターをPopulateで使用できるようになり、さらに階段やエスカレーター、坂道といったような複雑な地形を歩くことも可能になるような研究を行っております。

トラックビューの刷新:アニメーターは、生産性を高めるためにキーフレームを効率的に表示および操作する必要があります。現在のトラックビューダイアログは、古いUIテクノロジーです。アニメーターの作業効率を向上させ、3ds Max UIの最新化を継続化するために、このツールの刷新を行っております。

PROCEDURAL(手続き型):FX

リリース済み

将来
炎と煙:Bifrostに基づく流体シミュレーションシステムをご提供した後、Bifrostテクノロジーの進化に伴い、3ds Maxのシミュレーションツールをさらに増やして、炎、煙、さらにクロスシミュレーションを提供することを検討しています。

SCALABLE

3ds Maxは、プロジェクトや制作チームの状況が大きく変化する場面でもよく使用されます。新しい技術や、ワークフロー、パイプラインが次々と導入されるような状況なども珍しくないと思います。そんな状況下であるからこそ、私たちは3ds Maxを今よりもさらに、様々なプロジェクト、制作、チームに適したものにしたいと考えています。3ds Maxでは、新しいパイプラインへの接続を支援する業界標準の方法を採用しており、さらに業界のリーダーと提携して、可能な限り最高のワークフローを皆様にご提供したいと考えています。

SCALABLE(拡張性):業界標準への対応

将来
Autodesk Standard Surfaceホワイトペーパー:私たちは、社内およびパートナーと協力して、ほとんどのレンダリングユースケースをサポートするマテリアル定義を作成しています。様々なツールで利用できるようなマテリアルを検討しています。

USD:USD(open Universal Scene Description)は、様々なツール間でのデータのやり取りを改善させることが期待されているシーンファイルフォーマットです。私たちは、3ds MaxでUSDのネイティブフォーマットを活用させるための実験を行っております。

MaterialX:ツール間におけるマテリアルの相互運用は、絶えず進化するコンテンツ作成パイプラインの重要なボトルネックです。私たちは、MaterialXはこのボトルネックを改善させるための強力なオプションであると考えており、3ds MaxのMaterialXへの対応を検討しています。

SCALABLE(拡張性):パートナーシップ

将来
Unityパートナーシップ:私たちはUnityとより密に連携しており、3ds MaxとUnity間のワークフローは将来改善されることが期待できます。

Nvidia Omniverse:私たちはパートナー企業の一つであるNvidiaと協力し、3ds MaxとOmniverse間のワークフローを確立しようと検討しています。これはUSDベースのワークフローです。

Khronos グループ:AutodeskはKhronosグループに参加しています。その中で3ds Maxは3Dコマースグループに参加していて、皆様がオンラインコマース向けの3Dコンテンツを作成できるようにするために活動しています。

SCALABLE(拡張性):パイプラインの開発

将来
Python3:Python2はまもなく公式サポートが終了するため、Python3への対応を準備しています。さまざまなパイプラインのスムーズな移行を可能にするために、Python 2と3の両方を一定期間サポートする予定です。

SDKの統合:長年にわたり、3dsMax®はサードパーティの可能性を拡大するために多くのSDKの追加を行ってきましたが、現在はそれが複雑になってきております。私たちは、提供されているさまざまなSDKをレビューしており、提供を統合し、場合によっては削減して、メインSDKの最高品質レベルに集中することを検討しています。

SCALABLE(拡張性):自動化

将来
Forge Design Automationの次のステップ:Forge開発者は3ds Maxを使用した独自の自動化ソリューションを構築できるようになりました。次のステップでは、これを3ds Maxでどのように活用して、ローカルまたはクラウド上の計算負荷の高いタスクをスケーリングするバッチソリューションを提供するかを検討することです。

ご一読いただきありがとうございました!
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  • 3ds Maxパブリックフォーラムに投稿すると、コミュニティ、オートデスクのサポートチーム、3ds Maxプロダクトチームからサポートや質問への回答を得ることができます。
  • 3ds Maxアイデアサイトで、製品に実装するものについてのアイデアを提案することができます。 また、コミュニティが提案した既存のアイデアに投票することもできます。(英語)

これらの情報が、皆様のお役に立てば幸いです。ご連絡をお待ちしております。

3ds Maxプロダクトチーム一同

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