チュートリアル / Road to Stingray
第1回:Road to Stingray スタート!

2016.01.13

  • Stingray
  • ゲーム
  • チュートリアル
  • 中級者
※ゲームエンジン Stingray は 3ds Max Interactive になり、3ds Max の機能の一部となりました。
ROAD TO STINGRAY

みなさん、こんにちは。株式会社GUNCY’S代表の野澤です。
株式会社GUNCY’Sは、無限の戦略と様々なクリエイティブ表現で組織やチームが持つ潜在的可能性をあらゆる角度から分析し、顧客と共に創造価値を最大化させる現代版 “軍師” 集団です。

GUNCYS 進むべき未来に光を照らす

この「Road to Stingray」は、Autodesk社から8月19日にリリースされたばかりのゲーム開発エンジン「Stingray」を使用して、魅力あふれるコンテンツを作っていく過程を皆さんにお届けする為にスタートしたドキュメンタリー企画です。

巷の動向を見ていると、ゲームエンジンは数年前に比べて明らかに身近な存在になってきたように感じます。その大きな理由のひとつは、UnityやUnrealEngine4の熾烈なシェア争い、技術争いが挙げられると思います。

以前は、ゲームを開発するには高度な技術を持ったエンジニアとアーティストの能力が非常に重いウェイトを占めていました。各社オリジナルのゲームエンジンを開発し技術を競っていましたが、現在は自社の内製でエンジンを開発するよりも、サードパーティのエンジンを利用するケースが一般的だと感じます。

都内某所にて開発会議をしている様子

ところで、昨年は爆発的にVRの話題が増えた一年でした。OculusRiftやGearVR, PlayStationVRなど様々なプラットフォームが登場し、VR専門部署を作るゲーム会社も増えてきて、まさにVRバブルと言える状態になっています。ゲームエンジンを使ったVRコンテンツは、これからますます開発されていくことになるでしょう。そんな熾烈なゲームエンジン戦争が盛り上がる中、満を持して登場したのが「Autodesk Stingray」です。

ご存知の通り、Autodesk社は我々が普段CGを制作する上で必要不可欠な3DCGソフトの「Maya」や「3ds Max」を開発している企業として有名です。非常に単純な発想ですが、3DCGソフトのユーザーの立場から考えれば、それらのソフトを作っている人たちが作ったゲームエンジンならば、ソフトとゲームエンジンとの間でのデータのやり取りが強力になることは大いに期待できる部分です。

私の様にプリレンダリングCGで映像を作る機会が多かった人間にとって、ゲームエンジンやリアルタイムレンダリングというのは、近くに見えて実は遠い存在でした。なぜなら映像会社にとっては、レンダリングして絵になりさえすれば全て良しという感覚があります。しかし、ゲームの制作現場では、プラットフォームごとの描画性能から、処理落ちせずに描画出来るリソースを綿密に計算し、いかにクオリティを追求するかという部分が非常に重要になります。そのため、アセットのクオリティ管理の面で全く違った考え方が必要になってきます。

作業をしている風景

一方、映像CGの方はと言うと、レンダリングしてしまえば全て良しという考え方ではいても、レンダリングの計算コストは我々にとっても大きなボトルネックになっていました。もしも、リアルタイムレンダリングでクライアントが求めるクオリティが出せるのであれば、カメラワークやアニメーションを時間が許す限りブラッシュアップすることが出来るため、今までとは全く違ったワークフローを構築することも可能になります。私見ですが、リアルタイムレンダリングでCGを作りたいと思っているCGプロダクションはかなり多いと思います。

しかし、ソフトとゲームエンジンの間をデータがまたぐというだけの事で制作パイプラインが分断されてしまい、スムーズな制作の進行が難しくなるケースが多々あります。よりスピーディにそれぞれの工程の専門家が並列に作業を行えることが理想の環境と言えますし、これを可能にするには3DCGソフトとゲームエンジンとの適合性、互換性は何よりも重要であると私は思います。

CGやゲーム業界だけでなく、CADデータを用いた建築、プロダクトデザインなどのビジュアライゼーションの分野でもゲームエンジンは注目されています。前述したVRなどを絡ませることで、今までと違ったビジュアルの提案が出来るようになるでしょう。その為には、単にMayaなどの3Dソフトから気軽にデータを転送できるだけでなく、Stingrayで出せる見た目のクオリティにも大きな期待が寄せられています。

開発環境

Autodesk社から発表されたStingrayのリリース情報では、それぞれ単体で既に多数の実績があるBeast (グローバルイルミネーションをマップに焼き付ける為のミドルウェア)、HumanIK (リアルタイムキャラクターアニメーション作成ミドルウェア)、Navigation(人工知能のミドルウェア)、Scaleform Studio(Scaleform をベースにした GUI テクノロジー)、FBX (3D汎用フォーマット)、Audiokinetic Wwise(ゲーム開発用インタラクティブサウンドエンジン)、NVIDIA PhysX(物理演算エンジン)が標準搭載されているとあります。また、高性能なレンダリングパイプライン、物理ベースのシェーディング、高度なパーティクル効果、ポストプロセスの VFX、高性能の反射システムにより魅力的なビジュアルのゲームを開発できると発表されており、これらには大いに期待が出来そうです。ゲームロジックの開発には、プログラムに不慣れなアーティストでも容易に開発が出来るノードベースのFlowスクリプトや、熟練のゲーム開発者の為にはLuaスクリプトが用意されているそうです。

個人的に注目しているのは、Mayaも3ds MaxもサポートしているShaderFXをStingrayに直接持っていけるところです。ShaderFXはリアルタイムシェーダー専用のエディタで、ノードベースでOpenGLやDirectXなどをサポートし、プログラムに不慣れなアーティストでも高度なシェーダーを構築することが出来ます。これ以外にもAutodesk社の開発リソースをStingrayに集中させて精力的に開発をしているという話も聞きますし、今後頻繁にアップデートされていくことでしょう。要注目ですね。

そんな中、2015年11月26日(木)にAutodesk社で開催されたStingrayイントロダクションセミナーに参加してきました。会場は満席で、期待のゲームエンジンの登場とあって非常に熱気にあふれておりました。会場では、「Touch Stingray」と題してStingrayの実機に直接触れられるように展示されており、非常に多くの方が具体的な質問を数多く投げかけていました。来場者の中にはCGプロダクションの関係者の方も多く見られましたので、これからユーザーの間でますます盛り上がっていくことでしょう。

開発風景

しかし、あらかじめ用意されているチュートリアルを試したり、ドキュメントを読むだけでなく、実際にコンテンツを作ってみないとStingrayの真の実力を伺い知ることは出来ません。そこで、今回は世界に先駆けて我々がStingrayを使って実際にゲームを作り、その過程を発信していきたいと思います。この「Road to Stingray」では、我々GUNCY’Sが中心となって世界中のプロフェッショナルな仲間たちと共にゲームを開発していく過程を連載でお送りします。さらに毎回の記事の内容に合わせて、いろいろな分野のスペシャリストを特別ゲストとしてお呼びして、ゲーム開発に付随する様々なコンテンツ制作についてもご紹介していきたいと思います。今回の企画を成功させる為に、PCメーカーのマウスコンピューター社が機材面での全面的なサポートとして、ゲーム制作に最適な機材をお貸出し頂くことになりました。参考までに詳しいスペックは文末に記載してあります。 また、みなさんが自由に使って頂けるように、本企画で制作されたデータ、ソースコード等は公開させてもらう予定です。

私は、CGを介して多くの映像作品の制作に携わって参りましたが、ゲームを企画から考えるのは初めての機会ですので、期待と不安でいっぱいですが、自分たちも本気で楽しみながら本当に楽しめるゲームの完成を目指していきたいと思います!!
まずは8歳になる自分の娘が楽しんでくれれば成功です(笑)
ゲーム開発のエキスパートの方で、気付いた所など遠慮なくアドバイス頂けると、とても助かります。
期待値は上げずに温かい目で見守って頂けると幸いです。

今回Stingrayでゲーム開発を行う環境を下記に記載します。

PC G-Tune「NEXTGEAR-NOTE i5700 シリーズ」
プロセッサ Intel(R) Core(TM) i7-4720HQ CPU @ 2.60GHz 2.60GHz
RAM 8.0GB
OS Windows8.1 x64
グラフィックスカード NVIDIA GeForce GTX 970M
DCCソフト Maya 2016, 3ds Max 2016
Stingray 1.2.526.0

関連リンク集

Autodesk公式リリース
http://www.autodesk.co.jp/adsk/servlet/item?siteID=1169823&id=24547898

Autodesk STINGRAY Help
http://help.autodesk.com/view/Stingray/ENU/

Introducing the Autodesk Stingray 3D game engine

Autodesk Stingray offers stunning rendering and high-quality visuals

Autodesk Stingray: Revit + 3ds Max + Stingray

GUNCY’S 公式サイト
http://www.guncys.com/

GUNCY’S Facebookサイト
https://www.facebook.com/guncys

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*上記価格は年間契約の場合の1ヶ月あたりのオートデスク希望小売価格(税込)です。

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