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第18回:Softimageに関して一言

2014.06.17

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先日Autodesk® Softimageの最終リリースのお知らせを発表させていただきました。

http://www.autodesk.co.jp/products/autodesk-softimage/overview

このソフトがCGを変えたと言っても過言では無いと思います。実際最初にダイキンの面接で見せてもらった時に、「なんじゃこりゃ!」と思ったのを覚えています。(新人なのに部署を強烈に希望した問題児になってしまいましたが。。。)それ位、それまで世の中に流通していた3Dプログラムとの乖離があったツールでした。簡単に言ってしまうと3Dを初めてデザイナーに開放したツールだったと思います。各社で採用が始まってからは映画やゲームの在り様を違う次元に持ち上げたきっかけになったのではないでしょうか。

http://www.vanityfair.com/hollywood/features/2010/11/industrial-light-and-magic-201011_slideshow_item6_7

実際セガさんのVirtua Fighter、Virtua RacingやILMのJurassic ParkなどSoftimageのActorモジュールを採用したタイトルは表現の世界を変えたと思います。

http://www.artofvfx.com/?p=8203

私自身上述のように社会人になってからはずっと関わってきましたし、このソフトを通じて偉大なプロジェクト、偉大な方々と知り合うことができました。感謝感謝です。勿論サポートは続いていきますので、引き続き弊社技術スタッフも含め担当していきます。


SoftimageのDNA

Softimage(XSI)作っていた人は何やっているの?と聞かれることが多いんですが、この場を借りて説明させていただくと、このM&E部門の中枢で皆活躍しています。我々は6年前にオートデスクに部門ごと買収されて合流したんですが、その時感じたのは買収を経て出来た部門だけあって各ツールというか、元々の各社の思想が色濃く出ており、寄せ集め感満載でした。Autodeskの経営陣もまずいと思ったのでしょうか、その後M&E全体の開発の責任者にXSIのコア開発者でもあった Marc Stevensが就任し、Flame,SmokeのProduct ManagerにAvid DSやAvid Unityのシステムアーキテクトを担当したSteve McNeilが就任するなど旧組織を超えた融合が進みました。実際Mayaの最新バージョンなどを触られている方は既にお気づきかと思いますが、所謂“ツンデレ”だったAutodesk® Mayaがツールとしても魅力的な機能を提供する方向に向いてきているのが感じ取れると思います。今までのMayaはAPIは用意するので、細かい部分はご自由にというスタンスでした。この方針の結果、表に出ている機能としては他社に負けている部分も出てきていたと思います。そこで製品設計を一新し、実際のプロダクションワークで使える品質まで機能をブラッシュアップしてリリースを行いました。これらはSoftimageが元々行ってきた開発方針でしたので良い意味でSIのDNAが部門全体に浸透してきたと感じています。
日本でも弊社オートデスクだけではなく、元同僚がApple、Avid、Adobeという所謂4A社の2D、3Dの技術を担っているのを見ると不思議な感じです。


オートデスク流リアリティキャプチャー

さてさて、それでは前回の続きに戻りたいと思います。皆様はRealVizというソフトを覚えていますでしょうか。やはり6年ほど前に買収してM&Eの部門になった技術です。実写の映像からカメラ位置を算出するAutodesk® MatchMover™と名前のツールで現在ではAutodesk Exchange AppsにてAutodesk® Compositeと共に無償で公開されています。

https://apps.exchange.autodesk.com/MAYA/ja/Detail/Index?id=appstore.exchange.autodesk.com%3aautodeskmatchmover_windows64%3aen

実写映像にCGを自然に合成するには欠かせない技術ですが、このチームが弊社に合流した後、ずっと開発を続けていたのが、Autodesk® Recap™ 360です。
Recap 360は複数の写真から3Dのジオメトリーとテクスチャを生成する技術です。


3Dデータの生成には数十枚の写真が必要となります。
Recap 360はまず画像から3次元空間上のカメラを算出します。このカメラの抽出には画像内の特徴点を抽出し、その特徴点が3枚以上の画像の中に共通して存在する必要性があります。そのためのっぺりしたパターンが検出されないような対象物であったり、カメラとカメラの間が極端に離れた形で撮影されると計算が上手くいきません。
経験上対象物を取り囲むように10°位の間隔で円状に撮影すると計算が上手くいきます。
また、遮蔽空間が現れないように上方向と下方向からも撮影する必要性があります。


簡単にプロセスにまとめたものがありますので、ご覧ください




実際に使ってみる

では実際に使ってみましょう。まずは写真が必要です。写真は先ほど私が述べたような手法で撮影すれば大丈夫ですが、これをビデオにまとめたものがありますので、まずはそちらをご覧になってください。



このビデオでは4つの種類が異なる対象物を撮影する方法に関して説明していますが、まずは最も簡単な小物の撮影から行ってください。小物であれば、大体60~70枚くらいの写真でそれなりのクオリティのものが生成できます。実際上のムービーの仏像は72枚の画像から生成されています。
撮影が終わったらPCに画像をJPEGの形式で落としておいてください。このRecap 360のサービスを受けるにはWebGLをサポートしたブラウザーが必要ですので、ChromeかFireFoxなどが予め使用できるようPC側のセットアップも行う必要性があります。
私の場合は下記のように仏像を撮影しています。(全部で72枚)


Chrome上からhttps://recap360.autodesk.com/と入力するか、Google先生に“Recap 360”で検索をお願いしてください。下記のサイトに飛びますのでsign inをクリックしてください。



Autodesk IDをお持ちの方はそのまま入力を、IDをお持ちでない場合はアカウントの作成を行ってください。サインインが終わると次の画面に移動します。


新規写真プロジェクトをクリックしてください。


プロジェクト名を指定し、プレビューを選択、更にオブジェクトデータが欲しいのでobjにチェックを入れます。最後に“イメージをアップロード”をクリックしてください。


後は対象になる写真をドラッグ&ドロップするだけです。Autodesk 360上のクラウドストレージにデータがアップロードされます。追加する画像がなければ、そのまま“次へ”をクリックしてください。


画像の確認画面に入ります。ぼけた画像が無いかどうか確認し、あれば削除を、無ければそのまま“次へ”をクリックしてください。
プロセスがRecapサーバーに渡ったら、下記のような画面になります。処理が終わりましたら予めAutodesk IDと紐づいたメールアドレスにメールが飛びますのでお待ちください。


計算が終わりましたら、プロジェクトをクリックします。すると3Dのビューワーが立ち上がり簡易表示で(200,000ポリゴン)結果を確認することができます。


この結果で満足したら、実際の3Dデータを下記の画面からダウンロードしてください。
今回はObjで作成しましたので、Autodesk® 3ds Max、Mayaそして勿論Softimageでも開くことができます。


さて、簡単に手順を紹介しました。
一番簡単な流れは説明しました。これでホビーユースの方であれば問題なく使えると思います。ただしこのコラムをご覧の方はプロの方々だと思いますので、これから更に説明を付け加えていきたいと思います。また次回以降をお楽しみに。


著者

門口 洋一郎

門口 洋一郎

オートデスク株式会社
技術営業本部
M&Eマネージャー

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