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第7回:ラジオシティノーマルマップ後編とAutodesk Beast組み込み

2011.02.07

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今年は寒いです

1月も終わり2月がスタートしますが、寒い日が続きます。皆様同お過ごしでしょうか?実は私は昨年より自転車通勤に切り替えました。夏の暑い中を走るのも大変でしたが、寒い日は特に耳と指先が特に辛くなります。それでも体そのものは運動で暑くなっているため会社に着くころには「Tシャツ着替えなきゃ」となってしまいます。体の表面と内部が喧嘩しているようで面白い経験です。

さて本題です。前回最後の方でラジオシティノーマルマップの話を書きましたが、解説を続けていきたいと思います。前回の最後で紹介したビデオはご覧になりましたでしょうか?圧縮を低めでアップしたのですが、解像度が低いこともあり、わかりづらいかもしれません。オリジナルをここからダウンロードできるようにしておきますのでディスクに余裕があれば、ダウンロードして本来の解像度でご覧ください。

turtleRNMtest.wmv.zip

動画の解説

さて動画を見ていただくとわかるのですが、このサンプルではノーマルマップと通常のライトマップ並びにラジオシティノーマルマップを設定しています。光源としてわかりやすいように今回グローバルイルミネーションは使用せず、点光源を3つ、しかもそれぞれのライト成分が分かりやすいように色分けをしています。シェーダーを見ていただくとわかりますが、グリッドに対してノーマルマップとライトマップ、そしてラジオシティノーマルマップを設定しています。ライトマップは一枚の画像であるのと比較して、ラジオシティノーマルマップは3枚の画像から構成されているのがわかります。

ノーマルマップのサンプル
Normal.jpg

ライトマップのサンプル
LightMap.jpg

ラジオシティノーマルマップのサンプル
radio_0.jpg

radio_1.jpg

radio_2.jpg

これはライトマップが基本的には光の強度を格納しているのに対し、ラジオシティノーマルマップは基底ベクトルからのライトマップ成分をそれぞれ持つことによって光の強度+方向性の情報を有しています。画像だけを見ると両者とも非常にシンプルなのですが、ラジオシティノーマルマップの場合、ノーマルマップと組み合わせることでより詳細なディテイルを表現することができます。この動画では凹んでいる箇所にご注目ください。ライトマップだけではノーマルマップによる起伏の変化に対応できていないことがわかります。ラジオシティノーマルマップを使うと異なる位置から照射されるライト成分はノーマルマップが作り出す3次元的な起伏を読み取ってかなり正確に照射結果が反映されていることがわかります。詳しく背景を知りたい方はValveの方が発表した資料がありますので、こちらをご覧ください。

http://www2.ati.com/developer/gdc/D3DTutorial10_Half-Life2_Shading.pdf

通常Beastでは対象となるライトは個別で設定するほか、グローバルイルミネーションのレンダラ―らしく、直接光、間接光、全てのライトなどで指定することができます。

Autodesk Beast組み込み

さて、Beastですが、基本的にBeastにはUIは用意されていません。ご自身のシステムに組むことを前提にBeastは設計されています。ユーザの方々はBeastをご自身のエンジンからAPIを介してアクセスするスタイルになります。そのためBeastは非常にフレキシブルな構造になっています。たとえばBeastには固有のファイルフォーマットは用意されていません。使用される方がご自身でジオメトリーやデータをBeastに渡してあげることで、データを解釈します。たとえばアーティストがパラメータやジオメトリーを変更したとすると、そのデータを自社のエディターからAPIに渡すことでBeastを実行することができるようになっています。概要図をまとめてみました。

gaiyo.gif

エディターからの値をAPIを介してLiquid LightまたはプレビューワーであるeRnsTに送ります。データをDistriBeastを使ってレンダーファームをクラスタリングし、グローバルイルミネーションの結果をネットワーク越しに分散させ、高速に得ることができます。 BeastAPIはCで提供されておりオブジェクト指向のデザインが施されており、その他の言語でもラッパーとして利用することができます。実際Cの他、C++、C#、Python等で使用された実績を持っています。

今回はこれくらいにして、次回はアトラシングや分散処理の話をしていきたいと思います。

著者

門口 洋一郎

門口 洋一郎

オートデスク株式会社
技術営業本部
M&Eマネージャー

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