トレンド&テクノロジー / 次世代メディアとM&E
第12回:パイプラインの中でのHumanIK

2011.11.30

  • アニメーション
  • キャラクター・リグ
  • ゲーム
  • 中級者
  • 映画・TV

秋も深まってきました。私は密かに早朝に起きだして自転車か、ランニングで街を走り回るのが好きなのですが、そろそろ神宮外苑の銀杏並木が色づきます。朝は少し肌寒いですが散策するのが楽しみな時期になってきました。

さて、時候の話はこれくらいにして、皆様お待たせしました。今年も我々メディア&エンターテインメント(以下M&E)は3Decemberを開催します。今回のイベントもゲストが豪華です。ゲームの事例ではBANDAI NAMCO GAMES様より「ACE COMBAT ASSAULT HORIZON」を、映画の事例では白組様より「フレンズ –もののけ島のナキ 」を、海外からはプリビズ界の巨人THE THIRD FLOORのCEOであるChris Edward氏のプレゼンテーションをいただく予定です。そして我々M&Eとしては特別企画「ASK Autodesk」(オートデスクに聞いてみよう!)を開催します。席に限りがありますので、ぜひ早めに登録をお願いします。

http://www.autodesk.co.jp/3dec2011

DCCベンダーとしてのM&E

今までご紹介してきたとおりM&EではAutodesk BeastやAutodesk HumanIKそしてAutodesk Scaleformのようなミドルウエアを開発販売していますが、ご存知の通り弊社M&Eでは同時にAutodesk 3ds Max, Autodesk Maya,そしてAutodesk Softimageを開発しております。これらDCCは特にデザイナーの方々に広く使われていますが、我々M&Eではミドルウエアを提供する際にこのDCCツールとのパイプラインを考慮して展開を図っています。HumanIKの場合は特にキャラクターアニメーションに絡んでくるためランタイムとDCCを如何に結ぶかが重要です。簡単に現在のアニメーションパイプラインをチャートにしてみました。


キャラクターアニメーションのところを別の言い方で描くと以下のようになります。


この場合アーティストが使用するDCCでのリグシステムをゲームエンジン上で再現できないため、パイプラインが一方向になり、各工程が分断された状況になります。特に複雑なキャラクターアニメーションを行っている場合、ベースモーションの修正の部分にシワ寄せが生じてしまいます。勿論前回お話しさせていただいたProject Skylineではパイプラインとしてこの部分にガッツリ組み込んできているわけですが、現状のHumanIKでも我々がDCCベンダーであるということを生かしてパイプラインの提案をしています。

MayaでのHumanIK組み込み

前述したとおりHumanIKは元々Autodesk MotionBuilderのフルボディIKとリターゲットの部分を抜き出し、ゲーム実機用に最適化したものと説明させていただきました。つまりMotionBuilderを使用すれば、アーティストはDCC上でランタイムのアニメーションと同様の結果とインタラクションを確認することができます。
ただし、MotionBuilderは多くはモーションキャプチャースタジオで使用されており、中々一般のゲームアーティストの方が触る機会は少ないのではないでしょうか?
そこで、弊社ではMayaの標準リグとしてHumanIKを組み込みました。


この機能には自分で作成したキャラクターのリグシステムをHumanIKのリグシステムにマッチングする機能もついておりますので、デザイナーの方は慣れ親しんだ環境でゲームエンジン上で動作するHumanIKと同じ挙動をMaya上でも実現することができます。更にHumanIKのリターゲットの機能も実装しています。せっかくですので動画でご紹介します。



どうでしょうかHumanIKがMayaの中にインテグレーションされていることがわかると思います。ちなみに動画はMaya2011バージョンでキャプチャーしたものですが、2012バージョンではより安定度とパフォーマンスを向上させています。

Softimageでも同様の環境を

それでは3ds Maxに関して同様の機能をサポートしているかというと、3ds Maxユーザに関してはBipedからのエキスポータの形でサポートしています。ご存知の通りほとんどのユーザ様がBipedをベースとしてキャラクターアニメーションを構築しており、逆にHumanIKを導入すると従来のワークフローから変わることになりユーザの皆様に負担をかけると考えました。このエキスポータにより3ds Maxユーザは慣れ親しんだワークフローでHumanIKとのパイプラインを構築することができます。
ではSoftimageに関してはどうでしょうか?Softimageに関しては標準機能としてHumanIKのインテグレーションは行っておりません。Softimageユーザに関してはMayaユーザと同様リグに関してのカスタマイズの文化があることから、ローレベルの機能としてHumanIKを提供する形をとっています。つまり意図的にHumanIKの全てのパラメータを公開した形で提供しています。まずは動画をご覧ください。



このようにSoftimageバージョンに関してはオペレータという形で提供し、なおかつ我々の方からUIは提供しておりません。元々SoftimageのユーザはSynoptic Viewとカスタムパラメータでリグを組まれることが多く、そのために制限をかけていない形での提供となります。またランタイムのPCバージョンを動作させている関係上ご提供させていただくのはHumanIKをご使用のユーザ様のみとさせていただいております。あらかじめご了承ください。

このようにオートデスクではDCCのベンダーという利点を最大限に生かしてパイプラインという形でHumanIKを提供し、現場のアーティストが利用しやすいように環境を提供していきます。2011年もいつの間にか終わりそうになっていますが、これからもAutodesk M&Eをよろしくお願いします。

著者

門口 洋一郎

門口 洋一郎

オートデスク株式会社
技術営業本部
M&Eマネージャー

製品購入に関するお問い合わせ
オートデスク メディア&エンターテインメント 製品のご購入に関してご連絡を希望される場合は、こちらからお問い合わせください。