トレンド&テクノロジー / 次世代メディアとM&E
第9回:Autodesk Human IKを使うと何が変わる?

2011.06.23

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GTMF 2011に関して

Game Tools & Middleware Forum(以下GTMF)が始まって9年目となりました。始まったころと今ではゲームにおけるツールやミドルウエアの立ち位置はずいぶん変わってきたのではないでしょうか。ゲームを取り巻く環境もスマートメディアに代表される新しい環境が提供され、従来のゲームに携わってきた人に加え、新しい分野から次々と人や資本そして技術が参入してきているのを感じています。おかげさまで私のオフィスの机には読み切れていない本が積まれ、気になるのでとりあえずチェックしたiPhoneのAPPが大量にダウンロードされています。そんな中を掻い潜ってFacebookなどにも目を通さなくてはいけない時代になってしまいました。FaxでSoftimageの開発元とやり取りしていた時代は何と牧歌的だったかと今になって思います。時代は決して逆行しないので弊社もこの波に乗り遅れないように新しい技術を常に研究開発していきたいと考えています。GTMF2011ではAutodesk Maya、Autodesk 3ds Max、Autodesk Softimageは展示ブースで詳細な解説をし、セッションではScaleformやProject Skylineなどの技術に関してご紹介をする予定です。弊社が提供する新しい技術とその可能性に関してご興味があれば、是非GTMF2011にご参加ください。

http://www.info-event.jp/gtmf2011/

キャラクターアニメーションに関して

さて私もこの世界に入ってそれなりの日にちが経ってきているのですが、携わったCGアプリがSoftimage|3D(以下SI|3D)で、しかもActorモジュールが搭載されたころにキャリアをスタートさせているためでしょうか。最初のころから何故かキャラクターアニメーションと縁があります。その後も磁気式モーションキャプチャーから始まり、光学式のモーションキャプチャー、そしてそのためのリグ作成や磁気フィールドの歪みを矯正するためのフィルター作成など、時代的にはモーションキャプチャーの専用アプリが無くて皆SI|3D作業していた初期の頃ですが、何もなかったので色々と試行錯誤した覚えがあります。鉄コン筋クリートの監督で有名なMichael Ariasが作成した2D>3Dのコンバータを利用してEddieでフェーストラックしたデータを3Dモデルで展開するなんて荒業を行ったり、SI|3Dとは直接関係ありませんが今では3Delightを開発しているDigits’n Artと3DPaintやFacialキャプチャー、データグローブなどの立ち上げをやって大変な思いをしたことも今ではいい思い出と言ってもいいのかもしれません。

その後SI|3DからSoftimage|XSIになってからも標準リグやMOTOR、FaceRobotを作ったMichael IsnerやCATやICE KinematicsのPhilip Taylorと親しくしていたせいでしょうか、私の頭の中でキャラクターアニメーションのリグとはフレキシブルが前提であり、要素毎に分解されていて、それらの各パーツはパラメトリックに調整できるものというのがあります。また動きに関してはプライマリーの動きはアニメータが付けるものであり、自動生成される動きは鎖骨や羽、背骨など制御点が多すぎて動きをつけるのが面倒なものか、衣服や髪の毛などのセカンダリーアニメーションに限る。こんな私が最初にフルボディIKのシステムを見たときの反応はご想像がつくと思います。
「プライマリーアニメーションの時点でアニメータが付けた動きと最終的な動きが変わってしまうシステムなんてありえないでしょう」
これが私の最初のリアクションでした。実際にMotionBuilderの中での動きを見ても懐疑的でした。

motionbuilder2012.jpg

ところがそんな私を打ちのめしたのがAssassin’s Creedです。

ランタイムで処理するって?

Assassin’s Creed 2に関してはユーザ事例がこちらに載っているのでまずはこちらをご覧ください。HumanIKをランタイムで使用しているということがわかると思います。

https://area.autodesk.jp/case/game/ac2/

しかしながらやはりゲームですので事例で見るよりも動いているところを見るのが一番いいでしょう。何よりも実際にプレイしてみてください。私はこのゲームのアニメーションにガツンとやられました。簡単に言うとオーサリングとランタイムでは全然違うんだということです。それまでの私はHuman IKは生産性を向上させるものだという認識でしたが、その認識は全く違っていてゲームデザインの制限を変えてしまうものなんだというパラダイムシフトです。言葉だと中々伝わらないですね。HumanIKランタイムのサンプルをムービー化してみました。



同時にビデオキャプチャーしているためフレームレートは落ちているんですが、その効果は見てすぐにわかると思います。動画では梯子が3本あります。キャラクターが梯子を上っていますが、アニメータが付けた動きは真ん中の梯子に対して設定したものです。右と左の梯子では梯子の間隔が違いますが、HumanIKの自動補正機能で自然なアニメーションに仕上がっているのがわかります。これが通常のIKシステムではこのような結果を得ることはできないはずです。フルボディで自動的に人間のような動きに補正してくれるからこそ、この自然な振る舞いが再現されています。これって凄くないですか?

著者

門口 洋一郎

門口 洋一郎

オートデスク株式会社
技術営業本部
M&Eマネージャー

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