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第13回:AIに関して少しだけ

2012.01.30

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いよいよ2012年が始まりました。昨年は震災もあり、色々な事を考えさせられる年でした。私も小さい子供を抱えていますので未だに落ち着かない毎日ですが、2011年をなんとか乗り切ることができました。今年は色々と面白いことも考えていますので、様々な形で発表していければと思っています。

まず第一弾として先日エピック・ゲームズ・ジャパンさんと共同でセミナーを開催させていただきました。その中でエピック様のUDKとAutodesk Human IK, Autodesk Scaleformそして先日買収したGripのAIテクノロジーを紹介させていただきました。以下のサイト、INSIDEにてセッションの内容が記事になっています。ご覧ください。

インサイド「ハイレベルAIを提供する「GRIP」を日本初公開~Autodesk GAMEWARE Seminar 2012」

都心でも雪が降る中、多くの方にご参加いただき大変感謝しております。

そして2月23日にはUnity Technologies Japanと共催でゲーム開発実践セミナーを実施いたします。今までのソーシャルゲームのセミナーには所謂プロフェッショナルのゲーム開発者の方々の講演が少なかったと思いますが、今回はコンシューマー及びアーケードでのゲーム制作に携われてきたセガ様、マトリックス様からプロフェッショナル視点でのご講演をいただきます。グリー様からもご後援をいただいている関係上、席が早急に埋まってしまう可能性があります。ご興味がある方はお早目にお申し込みください。

3DCG ツールと Unity によるゲーム開発実践セミナー

Gripの技術を買収しました

前回の記事では発表前でしたので、ご紹介できなかったのですが、AIの技術で有名なGripの技術を買収しました。Gripの設立は2007年と比較的新しい会社ですが、設立者の Dr. Paulを始め開発スタッフは元々AI Implantの開発に従事してきた経験を持ち、AIに関して10年以上の開発経験を持っています。Dr. Paulは昨年11月に来日し1週間ほど一緒に日本のユーザの皆様を訪問させていただきましたが、AIの権威であるにも関わらず大変気さくな方でキャラクターAIに関して情熱的に語っていたのが印象的です。

AIとの遭遇

私自身がAIと最初に遭遇したのは10年以上前のことになります。Softimage時代にAvidがHFSMとMotion Planingベースの技術であるMotion Factoryを買収した時のことです。ただその時はHierarchical Finite State Machine?(日本語だと階層型有限状態機械という謎の言葉です)なにそれ? Motion Planning?なにそれ?で終わっていました。当時の私の知識ではAI=HAL-9000とかバビル2世に登場するコンピュータとか、そのような認識でした。その後製品としてSoftimage|Behaviorとして登場しましたが、私自身はほとんど同製品に携わることなく過ごしてきました。せっかく身近にYotto Kogaという稀有な開発者が居たにも関わらず貴重な機会と時間を無駄にしてしまったことを後悔しています。脇道にそれますが、XSI v.6.0に搭載されたMotorのプロトタイプはYotto Kogaが開発していました。動作が不安定だったこともあり、リリース版ではMichael Isnerがデザインしたものに差し替えられましたが、プロトタイプバージョンは恐ろしく柔軟性が高いものでしたので、いつの日か彼が作ったものが製品になれば良いなー、と今でも夢想しています。

さて、本題に戻ります。AIの知識が皆無の私でしたが、2008年末にSoftimageがAutodeskに買収され、そして落ち着くまでもなくAutodesk Gameの部門長であるMarc Stevensを始めProject SkylineのシステムアーキテクトのMathieu Mazzo、そしてKynagonの創始者であるPierre Ponteviaが来日しました。前述したとおり、MarcはSoftimageのGMだったこともあり、新参者ながら私が彼らに同行することになりました。そこで自分自身が直面したのが、いわゆる「バカの壁」です。当時A*のことすらよく理解せずに同行したのですから彼らが話している内容が全く理解できません。勿論Pierreに駄目だしされたのは言うまでもありません。「パリに一か月くらい来い!でもその前にもっと勉強しろ!」とキツイお叱りまで受けてしまいました。その後AIに関して最低限の知識を得るために業務の合間に少しだけ勉強を開始しました。2000年のころと異なり故人となった川西さんのご尽力もあり、Gemsを始めとした良書が手に入るようになっていました。


次回以降ゲームに関する簡単なAIの概論とそしてゲームAIの中の一部の機能を実装しているに過ぎませんが、弊社ミドルウエアであるKynapseとGripに関して紹介していきたいと考えています。お楽しみに。

最後に一言
Microsoftの川西さんが交通事故のため先日お亡くなりになりました。川西さんはSoftimageがMicrosoftの傘下だった時の技術のマネージャーを務められていたこともあり、私自身つい先日まで様々なご指導をいただいてきました。OpenGL、DirectX、Gems、CEDECと川西さんのご尽力なしには今の日本のゲーム業界は無いと思っています。川西さんのご冥福をお祈りします。

著者

門口 洋一郎

門口 洋一郎

オートデスク株式会社
技術営業本部
M&Eマネージャー

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