チュートリアル / 読んで触ってよくわかる!Mayaを使いこなす為のAtoZ
第65回:デザイナー向けPython本

2016.08.04

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My tool

Mayaにはスクリプトの機能があり、作業をプログラムで自動化出来ます。
今更言うのもアレなのですが、とても便利で、一日かかる作業が半日になるどころか、場合によっては何人分もの仕事を一人でこなせるようになります。

デザイナーの作業には2つのフェーズがあります。アイディアを出してデザインするクリエイティブなフェーズと、その後3Dデータとして具現化するフェーズです。
3Dデータを具現化する作業は自動化することが可能ですので、できるだけツールを作って楽をすることがクオリティアップや効率化の鍵です。

デザイナーがプログラムを覚えるために必要なこと。それはブルース・リー先生がおっしゃった「考えるな、感じろ」ですよね:P
まず動けばOK!何が書かれているか知らないけれど大丈夫じゃない?というノリで突っ込んでいくのがMaya流です。

やりたいことが出来そうなフリーのスクリプトをダウンロードして使うところから始めて、 自分のやりたいことに合わせて改変、ちょっとずつツールをいじり、段々とプログラムを知っていく…。
大抵の場合はこういう風にスクリプトを習得していくことになります。

MayaではスクリプトとしてMELとPythonの二種類が使えます。
流行りなのでPythonから始めてみようとする時、なかなかMayaのPythonの情報が見つけられないので学習しづらいです。(特に日本語で探す場合)
ちょうどそういうデザイナー向けにわかりやすい本がでていますので、今回は珍しく書籍のご紹介をしたいと思います。

タイトルは「たっきゅんのガチンコツール開発部 Maya Python 101」(https://www.borndigital.co.jp/book/5759.html)という、MayaのPython本です。

たっきゅんのガチンコツール開発部 Maya Python 101

デザイナー向けのPython本

スクリプトを書くことはデザイナーの本来の仕事ではないので、できるだけ短い時間で結果を出したいですよね。
こちらの本は、デザイナーが短時間で必要なことを知るために書かれています。

例が実用的なので、本をパラっとめくってみて気になる機能、書けそうな部分を見つけて、書いてみて、実行してみて、シェルフに登録してその日から使う。そんなことが出来てしまいます。
はじめから15ページまでで、簡単に使えるツールの紹介があるのでMayaのPythonの概要を知ることが出来ます。

特にデザイナー向けの親切さを感じるのは、ヘルプのヘルプがあったりするところです。
Mayaのコマンドヘルプは、ヘルプなのだから見れば分かる!かというと、そうでもないですよね…。
そもそもどう見たらよいかが分からない、ヘルプのヘルプが欲しい!と思うことでしょう。それがこんな感じで解説してあったりします。

たっきゅんのガチンコツール開発部 Maya Python 101

他にもこれからスクリプトを勉強したいというデザイナーの方からよくご質問される内容、 「よく使うコマンドはどれか知りたい」「よく行う処理のコマンド例はないか?(選択を取るなど)」といった話題についても幅広く記載されているのも珍しいです。

単にツールを作るだけでなく、たくさん使ってもらうための工夫や、運用面についてもヒントが出ていて実用的です。

ツールを作る時の段取りを一から解説してあるのもなかなか知る機会の少ない情報ですし、 ツールを作ろうと思った時に、どうやって該当のコマンドを見つければよいかという始めにつまずきやすいところも丁寧にフォローされています。

PythonはMELと比べると言語仕様がややこしいので、覚えるルールが多いですが、 順に読み進めれば、必要なことが順番に学べるようになっているので、最小限の手間で学んでいけます。
(とはいえ後半はちょっとレベルが高くなっているので、いきなり読むのは難しいでしょうが、後で読むとさらなるステップアップが望めます。)

プログラムでよくあるループ処理についてなどは、始めのうちは最小限の紹介がされています。
だからといって全く説明がないわけでなく、後ろの章で詳しく解説されているので必要に応じて調べられるようにしてあります。

というように、とても「デザイナー向けのPython本」なのです。

テクニカルアーティストのキャリアパス

TA(テクニカルアーティスト)になろう!としてなるのは、なかなか勇気のいることです。
ありえるキャリアパスとしては、いつの間にかTAになっていた、というパスです。たとえば…

① 自分の作業を楽にするためにスクリプトを作る。
② チームのほかの人も似た作業をすることがあるので、ツールを渡して使ってもらう。
③ ツールを使う人が増えると、要望も出てくるので追加で調整する。
④ 全く別のツールの要望が出てきて、そのツールをその人やそのチームの人向けに作る。(100%の完成度では無いものの、一部を自動化できるツールから始まる)
⑤ いつの間にかツールが増えてきて、会社内でも重要なものだと認識される。
そして半分デザイナーだけど、半分TAとなり、そのままの状態を楽しむか、TA専門になるか…。

という感じでしょうか。
一番美味しい瞬間はデザイナーかつTAというバランスの所だと思います。
TA専門になると、ライバルがエンジニアになってきますので、プログラムや数学の知識も必要になりますし、 デザイナー寄りのTAの方が、デザイナーにあった良い物を作る人が多いと思います。自分がデザイナーなら、デザイナーが求めるものをよく知っていますしね。

まとめ

楽は苦の種、スクリプトは楽の種。

中身を事前に読むことは出来ないようですが、ボーンデジタルさんのサイト(https://www.borndigital.co.jp/book/5759.html)に動画の解説が出ていますので、そちらを確認して頂くと良いと思います。

なんとなくスクリプトを始めてみたい、それもPythonにチャレンジしようと思っているデザイナーの方はぜひご一読を!

著者

築島 智之

築島 智之

オートデスク株式会社
オートデスクコンサルティング
ソフトウェアエンジニア